まず最初に私のNHK受信料の状況についてお知らせしておきます。今年になって本格的にBS放送を楽しむために、地上波契約からの変更でNHKの衛星契約を行ないました。それまでも地上波契約は当然していて、地上波契約があると見逃し配信などが見られるスマホアプリ「NHK+」についてはスマホだけでなく大型テレビに接続できるAmazon Fire Stick TVにアプリとして追加可能なので、録画し忘れたものの、何とか見のがし配信を利用したい場合に活用しています。
さらに、自宅だけでなく外出先でも地上波・BSを見られるような環境整備を行なっています。外で快適に見られるようなスマホプランの選択については最低どのくらいのスピードが必要で、高速クーポンが必要か否かなども実際に動画を再生しながらできるだけ安く使えるようなプランの利用について考えています。
個人的には最近のDAZNの有料配信料金が値上がっていますので、全てではないものの、テレビ放送でJリーグやプロ野球(民放BSでの中継も含む)を見たり、MLBの生中継をアベマプレミアムに入らなくてもリアルタイムに見られるNHKBSのスポーツ中継については有難いと感じていて、さらに2023年10月から受信料が下がることから、決して理不尽な負担だとは思わないくらいテレビを見ているという立ち位置です。
だからこそ、先日ニュースになって流れてきた総務省の有識者会議「公共放送ワーキンググループ」の第7回会合(2023年4月27日開催)の内容にはかなりの違和感を覚えたのです。NHKの財源として、スマートフォンなどを含めて受信できる環境にある人(アプリを恣意的にインストールした人に対して)に費用負担を求める「受信料収入」が望ましいという事なのですが、インターネットに接続可能なスマートフォンを持っているだけで受信料を払わなければならないのかというのは、必要十分に放送を見ている自分からすると、アプリを入れたものの全く見ていない人および、スマホでNHKの動画を見られるだけのプランに入っていない人にとっては実に理不尽ではないかと思うのですね。
現在のスマホのラインナップを見ても、FMラジオ付きのスマホはあるものの、テレビチューナー内蔵のスマホは新しいものでは出ていないのではないかと思います。しかも、スマホを持っている人がラジオを聞いても、現在NHKのラジオ放送に対する受信料というのはありません。つまりスマホを持っていて使っていても、例えば私の場合ですが、自宅に設置しているインターネットにつなげたテレビチューナー(nasneが有名)に外からアクセスしてテレビ放送をスマホから見るようなことでもしない限り、さらに先述の「NHK+」アプリを入れて、それなりのスピードで継続して見ていられるプランに入っていない限りは、リアルタイムで見たい時にNHKテレビの視聴はできないということになります。
「NHK+」が誰でもインストールできるから、とりあえずインストールした人から受信料を取るということを考えているとするなら、受信料契約をしていない人(お客様番号の入力がない場合)については全く同時配信すら見られないようなアプリ内の仕組みを作ってからアプリの配布をすれば現状では済む話です。現在のチューナーレステレビが売れている原因というのも、この会議に参加された有識者の方々はどれほど顧みられたのか。
個人的に言えば、今後の受信料収入を増やすために放送局が取る対策としては、ネット配信にはないテレビの優位性というものをきちんと示すことに尽きると思います。まず、ニュースについては特定の勢力の意向に迎合せず、きちんとしたソースを示しつつ、受信料を払っている国民にとって有益で公正な情報を流すことが大切でしょう。また、スポーツ中継についてはあえて有料の動画配信を契約しなくても色々なスポーツが見られるという現在における有利な点を強調するとともに、今後は民放他局とも調整の上(サブチャンネルの活用も考えつつ)、全試合中継は不可能でも、重要なメジャースポーツの試合はどこかでテレビ中継が入るような編成を考えるなどしてネットとの違いを訴えるのも悪くないのではと思うのですが。
さらには、NHKには膨大な過去のアーカイブが残っているので、深夜・早朝の時間を使ってその中から選りすぐりのプログラムを常時再放送するような番組を作れば、ニッチな好みを持っている視聴者のニーズにも合い、さらには動画サイトの違法アップロード対策にもなるのではないでしょうか。まだまだテレビには可能性があり、自宅で録画することで私たちはその番組を残すことができるわけですから、そうしたメリットを視聴者にサービスするような事はあっても良いはずです。そうではなく、現状のままで単にスマートフォンを持っているから受信料を取るというのでは、多くの人は納得しないでしょう。
実際問題、テレビなし(チューナーなしテレビを持っている人を含む)スマホなどインターネットだけの利用で例えば「NHK+」アプリ使用で今の地上波受信料くらい取るつもりなのか、そうではないのかでも変わってくるでしょう。そしてこれは大事なことですが、スマホを生活のために持っていても、動画を日常的に見るだけの通信プランに加入できていなければ、アプリが入っていても動画そのものが見られませんが、そういう人からも受信料を取るのかということもあります。
ちなみにですが、最近の「NHK+」アプリの動作環境について実際にアプリをモバイル回線に繋いで調べてみたところ、いわゆるサブブランドの低速と言われる最大300kbpsで接続した場合、若干止まることはあるものの、まあまあスマホの全画面表示でも何とか見られるくらいまでは来ていますが、速度が一定以下に下がった時などエラーが出て止まってしまう時があります。比較的平日お昼なども速度をキープできるサブブランドの回線でさえそうなのですから、MVNOでも時間によって200kbpsも出なくなるような場合は「NHK+」の利用は難しいと言わなければなりません。
この点は放送局の問題というよりも通信業者の問題ではありますが、ネット配信でもテレビ放送のように一日24時間いつでもNHKからの配信をアプリ経由で見られるようにするためには、各通信会社の最安プランでも低速最大速度を500kbpsくらいに上げ、速度低下になってもせいぜい300kbpsくらいをキープできるくらいの回線品質がなければ、受信料を取るだけのクオリティは提供できないのではないでしょうか。有識者会議では、スマホ所有者からの受信料徴収は、アプリを入れたケースに限定すべきというような話も出ているものの、例えば月3GBの高速回線を使い切った場合にも継続してNHK+からの配信を見られるだけの低速時に配慮したアプリを提供しないと、実際にはぶつぶつ切れて満足に見られないのにそれなりの受信料を払わされる人は可哀想です。
すぐにデータ通信プランの改善やアプリの改善は難しいと思いますので、今のところ基本的には、「NHK+」はNHKの受信料とセットになったアプリにして、入金の際に発行されたIDを入力しないと使えないような形にするのが良いのではないかと思います。重ねて書きますが、私自身はテレビをNHKを含めてかなり利用しているので、今の受信料とネット配信の利用料とを比べてNHKの受信料を払う方向で動いているため、NHK受信料そのものに反対の立場ではありません。ただ、実質的に全くテレビプログラム(NHK)を見ていない、見たいのに見られない人にまで受信料を強要するような仕組みは間違っています。今後の話し合いの中で、実態に則さないような受信料徴収の仕組みなならないように祈っています。
私的には、NHKは民営化して、受信料の徴収制度は廃止してもらいたいです。「公正中立な報道が必要だ」という意見がありますが、インターネットや民放で様々な主張の発信は可能です。トランプ氏は、自身の意見公表をマスコミの記者会見を止めて、ツイッターで行いました。民営化は時代に流れです。
bbzk39 さん コメントありがとうございました。
海外では公営チャンネルが民営化したり、受信料を値下げ・廃止というような流れもありますね。日本の民放にしても、最近のYou Tubeにしても、コマーシャルを見ることによって、私たちは商品の料金に上乗せされた広告費を支払っていることにもなるので、純粋に無料ではありません。そんな中で、あえてテレビを持っている人全員に同じ料金を課すというのは、時代遅れと言われても仕方ないでしょう。ただ、ネット配信の、最初は格安で客寄せしておいて、集まったところでごっそり取るというやり方にも色々と言いたいことが出てきまして。そう考えると今のテレビにもネット配信から視聴者をたぐり寄せる道はあるのにもったいないなと思うわけです。今のNHKの受信料に対する印象は悪すぎるので、まずその点から何とかしていくべきだと個人的には思えるのですが。