モバイルルーターで使うことを意識した通信回線の用途別の選び方について考える

前日のブログで紹介させていただきましたように、現在IIJmioの2023年2月末までのキャンペーンで、回線を伴わない単体購入でも手のひらサイズのNECのモバイルルーターが格安で購入できることを知り、注文して品物の到着を待っているところです。

とりあえずハードとして持っておき、必要な時だけSIMカードを入れるというような使い方でも良いのですが、今回はあえてモバイルルーターを使ったSIM運用にはどの回線が良いのかということについて考えてみます(今回購入したルーターではソフトバンクのプラチナバンドであるBand 8を掴まない仕様なので、ソフトバンクのプランは除外しています)。

まずは販売元である、IIJmioにはどんなプランが有るのかを検証してみましょう。IIJmioには音声通話なしのデータ通信専用プランがあります。今回購入したモバイルルーターは古い機種の在庫一掃セール的な売り方ということもあって、eSIMを登録して使うことができないので、物理SIMのプランからの選択となります。データ回線ではそれ以外選べないdocomo回線の場合、同じデータ通信用プランでも「SMSあり・なし」で月額料金が変わってきます(以下の価格は全て税込みで、参考までに音声通話付きの料金も紹介します)。

・2GB(SMSなし740円・SMSあり820円・音声通話あり850円)
・4GB(SMSなし900円・SMSあり970円・音声通話あり990円)
・8GB(SMSなし1,400円・SMSあり1,470円・音声通話あり1,500円)
・15GB(SMSなし1,730円・SMSあり1,780円・音声通話あり1,800円)
・20GB(SMSなし1,950円・SMSあり1,980円・音声通話あり2,000円)

このように、データ専用のプランとSMS付きのプラン、音声通話可能なプランとの間には僅かな金額差しかなく、あえてデータ専用のプランを選択する意味があるのかと、この料金内容を見ると思ってしまいます。ただ、最近ちらほら出てきましたがeSIMの設定が可能なモバイルルーターであれば、同じプランであっても料金はかなり安くなります。具体的には2GB(440円)・4GB(660円)・8GB(1,100円)・15GB(1,430円)・20GB(1,650円)となっていて、これならモバイルルーター専用の回線として維持するのも良いのではと思わせる内容になっています。ただ、今回のモバイルルーターは物理SIMとのセットで考えたいと思うので、金額と容量のバランスから言うと4GBあたりが落としどころではないかとは思うものの、日常的に使うには15~20GBくらいのプランは契約したいところです。

次に、日常的には使わないものの、旅行の際に使うだけというような用途の場合には、au回線を使うpovo2.0を契約して、使いたい時に「データ使い放題(24時間)」税込330円をトッピングして使うようにするというのが毎月の負担を抑えるという意味ではベストという気がします。トッピングしない時でも低速(60kbps前後?)くらいではつながるので、スマホの中にdocomoやソフトバンク回線のSIMが入っている場合、もし回線トラブルでスマホが通信できなくなったような場合、とりあえずのメールチェックは低速でもできますし、7日間1GBのトッピングなら390円なので、2日以上スマホでの通信が使えなくてau回線が普通に使える場合にはいざという場合の対策としても悪くないのではないかと思います。なお、トッピングをしない状態でも古いスマホにpovo2.0のSIMを入れて0円運用すると、私の場合ですがカーナビアプリの「Y!カーナビ」は使えましたので、普段は別のスマホでカーナビとして使っていて、本格的に使いたいときだけトッピングしてモバイルルーターに入れて使うのも有りでしょう。

そして、外でパソコンなどの作業をすることが多く、できれば家のインターネット同様制限なく使いたいという場合には、今後値上りしないという前提で楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT(最大3,278円/月)のSIMを入れて運用するのが現状でのベストだと思います。データ量を使わない月には(月3GB未満で)1,078円の支払いのみになりますし、楽天の通信エリアにいれば、光通信なみの速度で通信が可能です。今回購入したモバイルルーターでは楽天のパートナーエリアも受信できますので、通信状況が悪い場所では強制的にau回線の方に繋がり、その通信量が月5GBを超えた場合は、引き続きのau回線での速度が最大1Mbpsに制限されてしまいます。もっとも、最大1Mbpsというのはスマホやタブレットでも十分に使えますし、さすがにパソコンでOSのアップデートをするには厳しいですが、au回線は日本全国でも使えますので、バリバリ使いたい場合には楽天モバイルも十分に選択肢の一つになると思います。今後、楽天モバイルが上記の金額でのサービスを終了した場合には、docomoのahamo(20GB/月の高速利用可で超過後でも最大1Mbpsで税込2,970円)で利用可ですが、通話定額が使えなくなるディメリットがあります。

ここで、改めて「最大1Mbps」で主に使うことを前提に、そこそこ速ければ良いのでそこそこ安くデータを常用的に使いたいという場合のプランを考えてみたいと思います。この点についてはMVNOのmineoがデータ専用のプランを出していますので、その内容について見ていくことにしましょう。

mineoには私が少し前まで加入していた「マイそく」プランがあり、平日昼間(午後12時~1時)以外には最大1.5Mbpsでデータ通信の利用が可能なプランを月額990円で提供していますが、このプランには音声通話も付いており、平日昼に全く通信をするつもりがないのであれば、データ通信専用回線ではありませんが、かなり魅力的なプランではあります。ただ、制限時のスピードが0円維持できるpovo2.0より遅い最大32kbpsというのは、いざという時を考えると別に使える昼に強い通信手段を持っていないと厳しいと言わざるを得ません。今回は「マイそく」ではなく、mineoにもう一つあるデータ通信専用プラン「マイピタ」について紹介します。ちなみに、mineoのデータ通信SIMはau回線の場合にはSMS機能付加をしても料金は変わりませんが、docomo回線を選択した場合、以下に紹介する金額に加えて月額132円がかかります。

・1GB(880円・音声通話あり1,298円)
・5GB(1,265円・音声通話あり1,518円)※パケット放題Plus385円
・10GB(1,705円・音声通話あり1,958円)
・20GB(1,925円・音声通話あり2,178円)

この内容を見ると、データ通信専用のシングルタイプの料金は安いので、モバイルルーターに入れっぱなしにするならデータ通信専用にする意味はあります。そして、mineo独自の特徴(マイピタの場合)がそこそこの価格でそれなりにデータ通信を使うためには有利なものとなっています。

まず、マイピタの契約にはオプションの「パケット放題Plus」を付けることができ、このオプションを付けると低速時のスピードが最大200kbpsから1.5Mbpsにアップします。ただし、データ高速にして使っていても平日昼間のスピードが極端に下がるのもmineoが安い理由で、こまめにdocomo回線でのスピードを調べているサイトからの情報によると、平日の12時~1時の間には最大でも500kbpsくらいまでスピードが落ちるという状況のようです。「マイそく」の最大32kbpsではほぼ何もできませんが、それでも500kbpsなら何とかウェブ閲覧やSNS、電子決済ならできるくらいなので個人的には「マイピタ」に「パケット放題Plus」を付ける形での契約が良いのではないかと思います。

ちなみに、最安の5GBにパケット放題Plusを付けると1,265+385の計算で1,650円で月5GBのデータが使えますが、実はマイピタでは月10GB以上のプランにすると「パケット放題Plus」のオプションを付けても料金がかからないというメリットがあります。10GBデータ通信専用プランの料金は月1,705円と、5GBにパケット放題Plusを付けた場合と55円しか違わないので、個人的には10GB以上での契約をおすすめします。

さらに「マイピタ」で契約した回線を持つと、平日昼間の通信を行なわないことを事前にアプリから宣言し、実際通信量が宣言通り使われていない日を1回とし、それが継続的に行なわれると様々な特典を与えられる「ゆずるね。」という仕組みを使うことができるようになります。平日月5回の達成で翌月100MBの高速クーポン、月10回では、夜11時~翌朝7時まで高速のデータフリー利用(高速データが減らない)が可能になる「深夜フリー」権利の獲得、月20回達成すると、翌月に基本データ量と同じ量が翌月にプレゼントされる「パケ増し」の特典があります。つまり、10GBプランで「ゆずるね。」20回達成した場合には、翌月には深夜フリー及び10.1GB付与があり実質月20.1GB使えることになります。もしこまめにアプリから毎日宣言ができるなら、20GBプランよりも10GBプランで十分だという方は多いのではないでしょうか。ちなみに、データ通信専用プラン契約の場合には、基本的には本人確認書類のアップロードはしなくても契約することができます。

なお、mineoの場合提携サイトからの申し込みの場合、初期事務手数料が無料になるキャンペーンを継続して行なっています。このサイトは提携サイトではないので、インターネットから「mineo 提携サイト 初期事務手数料無料」というキーワードでネット検索をして出てきたサイトからの申し込みをすると、SIM発行手数料は発生しますが、3,300円の手数料はかからないので、興味を持った方はまずは検索をしてみてはいかがでしょうか。


カテゴリー: モバイル活用ガイド | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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モバイルルーターで使うことを意識した通信回線の用途別の選び方について考える」への3件のフィードバック

  1. ahiru

    てらさん、こんばんわ。
    結局自分もIIJmioの格安ルーター注文しました。。
    まぁ、使わなければドナドナすれば良いか、と思い(笑)。
    有効活用出来ればいいな、と思っています。
    ahiru

  2. てら 投稿作成者

    ahiruさん コメントありがとうございました。

    モバイルルーター注文されたのですね。実際、過去には使っていて使わなくなっていたモバイルルーターを、状況が変わって改めて使い始めるような事もありました。現在使っているホームルーター(楽天モバイル用)の前に使っていたのがNECのモバイルルーターだったのですが、その際には70%まで充電したらそれ以上充電しない機能が役立ち、電池爆発の心配もなくつなぎとして使うことができました。

    いざとなれば誰かに売ることもできますし、自宅のネットがトラブルになった場合のピンチヒッターとしても使えると思います。予備電池も付いてきますので、まずは使ってみてくださいね。

  3. ahiru

    てらさん

    >自宅のネットがトラブルになった場合のピンチヒッター
    これはありですね! povoを1日使い放題でトッピングすれば2日間はしのげますね。どもでした!

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