デフレの時代に一回1,000円でヘアカットを行なうお店として一気に全国に広まった感のある全国チェーンのQBハウスは、そこで働く人の待遇改善のためということで、値上げを行なったことは記憶に新しいところです。
今回は、現在の一回1,200円というカット料金をさらに上げて、2023年4月1日から1,350円まで値上げすることを発表しました。今回の値上げは人件費の問題というよりも、駅や大きなショッピングセンターなど人々が出掛けたついでに入ってもらえるようなお店作りを行なってきたように思いますが、新型コロナの流行により、街に人が出てこなくなったことから、売上がダウンしたための値上げだということなのですが。
ちなみに、私もたまにQBハウスを利用することがあります。近くにあるショッピングセンターの中に出店しているのですが、平日の開店時間直後にお店の前を通ってもかなり混んでいて、お店の前にある信号ランプは常に「赤」になっていることが多いです(赤の点灯はすぐにカットすることはできず、待ち時間15分以上の場合)。
私が行く時はそれなりに人がショッピングセンターに集まる週末が多いのですが、その時には待ち時間15分ではとてもカットすることはできないくらい人が集まっています。30分以上待ってやっと自分の番が回ってくるのですが、そのお店の経営もなかなか厳しいようで、本来は一度に3人のお客さんをカットするための設備があるのに、常時2人で回しているような感じで、それが待ち時間が増える原因となっているように思います。
もちろん、理容業界は競争も激しく、優秀な人材を確保することは大変で、それだけ多くの人がカットに押し寄せて常に待ち時間があるような店舗であってもその設備を十分に活かし切れていないような事も起こっているように思います。
実は、近所には従来の理容室が低額路線にかじを切るような店舗もあり、今回のQBハウスの値上げにより、それほど人が押し寄せないでも安くカットできるような状況に変わってくるのではないかと思います。また、一回1,350円となると、他の大手チェーンである「イン東京」や他のカット専門店でも1,500円から2,000円くらいでカットしてくれるお店はあるので、あえてQBハウスでという感じでなくなる人もいるかも知れません。
あくまで個人的な感想ですが、QBハウスのコンセプトというのは、やはり早く安くということで、特に「早い」ということがポイントになるのだろうと思います。かつては私の住む静岡市では静岡鉄道の新静岡駅のホームにお店があり、電車に乗る前や電車から降りた後のちょっとした時間を使ってカットすることができました。私が最初にQBハウスを利用したのは、バスツアーの途中サービスエリアで食事休憩があった時に、そのちょっとした時間を使って食事だけでなくヘアカットまでできてしまうその手軽さに感激したことを覚えています。
あえて言えば、QBハウスのようなお店は、ちょっとお出掛けしたついでに空きがあればさっと入ってカットをするような使い方で使えるのが便利なのではないかと思います。逆に今回の値上げによって、今までQBハウスを目指してカットしに来ていた人たちが分散することで、私にとってはかえって使いやすいようなお店に変わってくるのかも知れません。
特に、電車移動の際や車での旅行の中でさっぱりしたいという場合には、現在ネットを使うと近くにあるお店の所在地だけでなく、多くのお店の待ち人数までその場で把握できるのは特に旅行の際には便利です。今回の値上げがグループ全体の経営にうまくはまって、今まで通り使えるようになっていて欲しいですし、今後の動向には注目していきたいと思っています。