今や日本製品が全てナンバーワンでないという事実を受け取めることも大事では?

2023年のお正月も、日本の技術は世界に誇るべきものだという価値感を押し出すテレビバラエティが放送されていたのを見ました。私自身は全国を旅行で回る中で、素晴らしい日本のものづくりについても色々と見てきて、特に旅行にも災害時にも役に立つ金属加工の技術によって産み出されたキャンプ用品の数々は日本が世界に誇れるものだと思っているのですが、最近はそうした製品は、その品質を一番に考えると、かなり高価なものになって手が出ないような感じになってしまうというところもあります。

ここ数年、ネット経由で購入するキャンプ用品(特にキャンプグッズのクッカーや火器など)を選ぶ際には日本製よりも安く、そして金属加工の技術が上がったのか、使っていてもそこまで国産のものと変わらないと思える中国製のものを購入してしまうようになっています。物価高に対応するために生活のレベルを下げているのかと言われると、そういうところもあるのかも知れませんが、それでも安かろう悪かろうというものならいくら安くてもリピートすることはありません。

そんなことを思い出しながら冷静に日常生活で使っている様々な品を眺めてみると、思いの他今使っている物の中には中国メーカーの製品が増えてきているので、これでは日本製こそが一番とは必ずしも言えなくなっているのではないか? と思ったりもします。というわけで、ここでは現在私が使っている非国産の中でも、今回は特に以前の日本だったら拒否感の強そうな中国メーカーの品々について紹介していこうと思います。ただし、先日紹介したスマートバンド(Xiaomi My Band7)や数々の中華スマホの性能については、改めて説明しなくてもそのコストパフォーマンスの高さが十分おわかりと思いますので、それに類する話は割愛させていただきます。

まず、日本では使わなくなったために作られなくなったものの、中国では現在でもニーズがあるので作り続けた結果、日本製の商品の性能を追い越してしまったという「ラジオ」についてです。このブログでは何回も紹介してきましたが、普通の方がラジオというとAMとFMが聞けるラジオを思い浮かべるだろうと思いますが、中国の場合は全国に党の主張を伝えるために、今でこそ衛星放送を使ったテレビがありますが、移動しながら情報をつかむためには基地局を必要とせず、大きな送信所から電波を出すことで広大な国土であっても情報を入手できる短波放送が聞けるラジオが普及してきました。

日本ではかつて趣味ということで世界の放送局を聞くというようなブームがあり、数々の短波ラジオが大手メーカーから発売されましたが、今でも発売されているもののブームの時代から進化は止まってしまっている印象があります。私が持っているのはTECSUN PL-380という小型ラジオですが、現在も売られているロングセラーで、情報もたまっているので安心して使うことができています。デジタル信号処理(DSP)チップを使用することで、複雑な回路の配線をせずとも性能を上げることができますが、残念ながら日本ではDSPチップを使った安くて性能の良いラジオというものは、独自に発売されていません。もちろん、それには理由があって日本国内にいる数少ないマニアのためだけに作るだけのメリットが無いのです。ちなみに、AIWAが出している「ワールドバンドラジオAR-MD20」は「PL-310ET」というTECSUNのラジオのOEMだということです。では、PL-310ETとPL-380とではどちらが良いかというと、参考になるラジオライフの記事がありますのでリンクを張っておきます。

PL-380が携帯ラジオで買うべき1台なのは機能のなさ?

もう一つ、これは最近になって知ったことなのですが、コーヒーを挽くためのコーヒーミルの評価をウェブサイトやユーチューブのコーヒーについて発信しているものから収集する中で、迷ったらこれというのがステンレス刃で切るTIMEMOREというメーカーのタイムモア C2とC2 Max(違いは一度に挽ける豆の量の違い)だというのです。

今までは、国産メーカーでキャンプ用の持ち運べるコーヒーミルとしては高い評価を受けていたポーレックスのセラミック刃の製品でした。ただ、セラミックの場合は豆を潰して粉にするため、どうしても挽いた豆がバラけるという残念な点があったのです。

タイムモアは中国・上海にあるメーカーなのだそうで、現在最新型のC3というミルが新発売されたのですが、旧製品のC2も併売されていて、C2の方が価格が安く、性能もC3とそこまでの差がないということで、私はたまたまアマゾンのセールで安くなっていたのを見付けたのでC2 Maxの方を7,600円で購入しました。実物はかなり存在感があり、チープさというものは感じませんでした。ポーレックスのミルはだいたい7千円弱くらいだったと記憶しているので、かなりコストパフォーマンスが高い感じです。

実際、セラミック刃とは味も違っていて、好み的にはタイムモアのステンレス刃の方が良いという感じでした。ただ、ポーレックスのコンパクトさと刃を水洗いできる(タイムモアのステンレス刃は水に濡らすと錆びるので水分は厳禁)のはアウトドアの過酷な状況でコーヒーを楽しむのに適していて、必要に応じて使い分けるのが良いと思いつつ、家で普段遣い用のコーヒーミルということでしたら私は中国メーカーのタイムモアのものをおすすめします。

今回紹介した2つの商品については、日本製ということにこだわると、同じような価格で高スペックな製品というのは現状では入手できないというのが正直なところです。もしかしたら、今回紹介したもの以外にも、例えば日本で解雇された技術者が海を渡り、中国のメーカーで花開いた製品というのも他に探せば多くあるのかも知れません。もはや、企業も国内のブランドだけではなく、積極的に世界市場を目指す場合には日本のメーカーにこだわらない時代になっており、その中で安くて良い製品が中国メーカーからも出ていると考えるべきなのかも知れません。

ただ、国内から撤退されるリスクや、アフターサービスの密着度という点から見ると、もし性能・価格が同じなら国内メーカーの製品の方が都合が良いことも確かです。ロシアとヨーロッパの関係のように政治的な対立によってアフターサービスどころか商品の販売からも撤退するような事もあるので、本当は日本のメーカーにも頑張って欲しい気持ちは正直言ってあります。しかし、産業を保護し国際競争力を付けるには政府の方針も関わってくると思うのですが、今の状況では期待もなかなかできないのですね。

今回紹介した商品はたまたま中国のメーカーのものでしたが、個人的には消費者として安くて性能の良いものがあれば、国内国外に関わらず使いたいというのが正直なところです。これ以上日本の産業がだめにならないように、まずは世界に誇るべき技術を持つ人もしっかりと守ることがまずは必要になってくるのではないでしょうか。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す