降雪の中で車が動けなくなった時こそガソリン車のエンジンを掛け続けてはいけない

稀に見る大雪で国道上での立ち往生が続いている新潟県内で、また悲惨な事故が起こってしまいました。

新潟県柏崎市内で27才の女性が自宅前に停めていた車の中で一酸化炭素中毒を起こした疑いがあるそうです。その際の柏崎市内は停電が続いていて、その女性は外から帰宅しようとして車の中で暖を取っていたのか、自宅内ではまっ暗で暖も取れないので車内に移りエンジンを掛けてスマホの充電や暖を取ろうとしたのかはニュースの内容からはわかりませんが、恐らくエンジンを掛けたままの状態で車のマフラーが雪で埋まってしまい、排気ガスが車内に入ってきたのではないかと見られています。

こういう場合は電気自動車であれば良いのですが、排気ガスを出すガソリン車やハイブリッド車で夜を明かすならば、この場合は無理をしてでも自宅に戻り、ありったけの毛布や布団をかぶって寝た方が良かったということになります。雪が降り続く中でエンジンを掛けたまま車中で過ごしていると、いつマフラーが雪で塞がるかの確認が車内ではできないので、大変危険な状態にあるということは、例年こうしたニュースが流れるたびに明らかになっているのですが、それでもなおこうした事故が起こることは本当に残念でなりません。

過去には車内でカセットガスストーブを付けていて一酸化炭素中毒を起こしたりした事例もあります。雪国にお住まいの方でも、なかなか車の中で夜を明かすための準備まではしていないのかと思われますが、どうしても車内で雪の降りしきる中で過ごさなければならない場合に、何を準備すれば良いのかということについて考えてみます。

まず、雪が降り過ぎて車自体がすっぽりと埋まってしまい、自力で脱出が不可能になった場合に備え、常にスマホの電池を充電できる体勢を取っておくことが大事です。車内ではどうしても情報を得るためにスマホを連続して使いがちになりますが、その充電を車のシガーソケットだけに頼っていると、充電中にはずっとエンジンを回さなければなりません。充電中にうとうとしてその間にマフラーが雪で埋まってしまったらそこにはすぐ命の危険が迫ります。冬の時期は普通のお出掛けでも高容量のモバイルバッテリーを普段使っているものとは別に用意しておき、車から出られないとなった場合にはスマホで正確な位置情報をつかみ、消防などへのSOSを自ら発信できるようにしておきたいものです。

そして、車内で夜を明かすことになった場合、普通の自動車は車内の断熱が良くありませんので、外気温と同じくらい車内も冷えてしまいます。そんな中で寝るためには、できれば毛布よりも冬用の寝袋を用意しておきたいですね。また、電気も車のエンジンも使わずに身体を暖める方法として、使い捨てカイロを車内に常備しておき、できればその場合、手に持って冷たい場所を暖める一般的なものと、シールが付いていて身体に貼るタイプのものを両方用意しておき、低温やけどに注意しながら使うというのが一番現実的です。

車中泊旅行をしている場合にこうした大雪に見舞われた場合には、事前に天気予報などで最悪道路上で立ち往生が起こる可能性が高いと判断できそうな場合には、今は昔よりは手軽に電気毛布を長時間使えるくらいのポータブル電源が手に入るので、出掛ける時には電気毛布と電源をセットで持ち出すくらいの用意は大切だと思います。その際、電気毛布はタイマーで電源が切れるものにしておくと、寒くなったらまた付けることで同じ容量のポータブルバッテリーでも使える時間が長くなるので、電気毛布購入時にはそのような機能もチェックしておけば良いのではないでしょうか。

話を最初の事故の話に戻しますが、降雪時の車内での対応についての正しい知識があれば、亡くならずに済んだ命であると思うと、雪でマフラーが埋まってしまう怖さについてもっと広く知らせるべき情報であると言えるでしょう。エンジンを掛けたままにするなら、複数の人が交代で車外に出て、マフラー周辺の除雪をしながら使うなどの手間を掛けないと本当に危険です。大雪での立ち往生が予想される地域にお住まいであったり、その場所へ出掛ける場合には、しっかりとした準備をした上で非常時に備えていただければと思う次第です。


カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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