楽天がぶち上げた「スペースモバイル」プロジェクトの概要と今後への展望について

先日、楽天の大規模な記者発表がありまして、その中でも楽天モバイルユーザーが注目している、通信衛星を基地局として利用して他のキャリアが圏外になるところでも通信が可能という「スペースモバイルプロジェクト」について触れられていたので、今回はその内容を紹介していきたいと思います。

楽天の「今後はこうなる」という発表については、以前から出すと言い続けてきた通話用のアプリ「Rakuten Link」のパソコンソフト版を出すと言いながらまだ出ていません。先日の発表では2022年中に出すということだったので、まずはそれまでに出るかどうかがこうした発表内容を信じるか信じないかのポイントになるのではないかと思っているので、まずは大きな話でなく現実的な進化というものを楽天モバイルにはお願いしたいということを前置きにして、今回の「スペースモバイル」プロジェクトの概要について紹介します。

発表した三木谷楽天社長は、すでに衛星は打ち上げているということを発表し、今後は試験機関の後に2023年以降からサービスを開始するということになっています。気になる接続の際のスピードは、通常の基地局のスピードから考えると人によってはストレスがかかるくらい遅い最大2Mbpsくらいを予定しているそうです。

この2Mbpsというのはスマホやタブレットで動画を見るくらいなら、品質を調整していけばまず問題なく見られるくらいのスピードであり、現在私がmineoで最大1.5Mbpsの回線を外で使っていることを考えると、多少画面の表示に時間がかかることはあっても、普通に使えて楽天モバイルのエリアがほぼ100%となるなら悪くない気がします。

ただ、現行機でそのまま使えるのかという問題は出てくるでしょう。私が使っているスマホはAndroidですが、Android14では衛星通信の機能をサポートするようになるそうなので、楽天がユーザーを募りまた実験をやるようになった時、新たに端末の購入が必要になった場合には、その価格および、衛星通信を使い続けるような場合の電池持ちというものも気になります。

他社でも衛星通信の活用により、通信エリア100%を実現することを考えていると思いますが、今回の楽天の発表を見る限り、基地局を衛星基地局に置き換えるのではなく、通常の基地局でつながらない場所を衛星で使えるようにするとなると、やはり現在のエリアが問題なくつながるかということも大事になってくるのではないでしょうか。

ただし、楽天モバイルは他社と比べて電話について「Rakuten Link」を使うと通話料が無料になるという大きなメリットがあるので、今回のスペースモバイルプロジェクトで普通に通信衛星からのインターネットが使えるなら、メイン番号の回線移行も考えてしまいます。というのも、楽天の回線が使えなくなるようなトラブルがあったとしても、スマホにもう一枚のSIMを入れることで、データ通信が可能ならRakuten Linkを使って自分の電話番号からの発信が普通にできるようになるので、単なるエリアの問題だけでなく、トラブル時にも自分の番号を使って電話が使える可能性を残しておけるということになります。
ただし、記者発表では言われませんでしたが、衛星通信を利用する場合の料金は当然違ってくるのではないか? と私は思っています。現在の料金はどれだけ使っても最大3,000円ちょっとで済んでしまいますが、衛星を使った中継で無制限に使われてしまっては、いくら最大2Mbpsにスピードを落としたとしても、楽天は儲けを吸い取られてしまうのではないかと思うからです。

今後楽天がどんな新しい衛星通信用の料金を出してくるかはわかりませんが、例えば高速通信利用の容量を少なくしたリーズナブルなプランがあれば、とりあえずそれを契約し、スマホに例えばahamoのSIMを入れ、データ通信をドコモ回線のahamoで行なうようにすれば、ドコモ回線が使えない時だけ楽天回線を使うことでリーズナブルに使えるようになる可能性はあるでしょう。もっと安くという方は、mineoの「マイそく」(最大1.5Mbps)のドコモ回線のSIMを入れ、平日お昼にも楽天回線を使うようにしても良いと思います。

どちらにしても、すでに衛星が打ち上げられているようなので、今後の流れに期待したいと思います。ぜひ衛星通信を使いたいという場合には、やはり対応のスマホを新しく買った方が良いと思うので、なおさらその動向に注目したいものです。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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