水くみの行列を無くし停電時やエレベーターのない場所にも水を届ける工夫

ここ数日静岡県は残暑で日の光がめっぽう強く、静岡市清水区では全国からの善意の水が届いているものの、給水車を待っている高齢者の中には熱中症になってしまった方もいるという話も出てきています。それにも増して大変なのは、水を入れてもらったあと、その重い水をどうやって自宅まで持ち帰るかということもあります。

車で運べる方は便利ではあるのですが、歩いて水を汲みに来ている人は、坂道があったり、自宅が高台にあったり、さらには停電した場合の高層マンションや元からエレベーターのない集合住宅にお住まいの方は、水を持ち帰るためには相当の体力的負担があるということを考えなければいけないと思います。

そもそも、給水所に来る方には色々な人がいますが、持って来る容器の大きさによって持って帰ることのできる水の量が決まってしまうので、大きなポリタンクを持っている人はいいですが、水容器が何もなくて使い終わったペットボトルしかないような方は大変になります。

そこで、一つの可能性として「誰でも運べるくらいの量に小分けして運ぶ」という過去の災害時に実行された方法にもう一つ工夫を加えることで、給水所での行列を無くす方法について、私の考えを書いてみたいと思います。

具体的にどこの場所で行なわれていたのかは失念しましたが、とある集合住宅で、給水塔の水が無くなり、停電だけでなき建物全体で水が出ない状況になった時、恐らく集合住宅の自治会の方が行なったと思うのですが、まず建物入口に500mlの水の入ったペットボトルを置いておき、自分が必要なら自分で運べる分のペットボトルを持ったり、リュックに入れて階上に運ぶことで、自分だけでなくそこに住む世帯みんなのための水運びができるという素晴らしいアイディアを実践しているところがあったと記憶しています。

500mlのペットボトルであれば、歩いて階段を登ることができる幼稚園児でも一本単位での運搬が可能で、持ってきたペットボトルを各階の共同スペースに溜め込むように置いておけば、必要となった時点で必要なだけ、住民の方が同じ階に取りに来れば足の悪い住民にも水を供給することができるようになります。

これをもう少し大規模に行なうことはできないものでしょうか。給水車を派遣するだけではなく、空のペットボトルに水を詰めたものを大量に運び込み、大きなタンクがなく手ぶらでやってきた人でも、一人に渡す本数に制限を付けて持って行って貰えば(地方自治体の中には自分のところの水道水をペットボトルに入れて商品のように販売しているところもあるので)、現在のようにボトルを持ってきただけ人が給水できることもなくなります。また、少量の水で良ければ給水車の列に並ばずにペットボトルをもらって帰ればいいので、人の流れを分けることになり、結果として待ち時間を解消できます。

もう少し話を進めて、現在の状況でもできそうな事で言うと、自分で水をもらいに行けない人(時間の都合でなかなか水をもらいに行けない人もいる)のために町内やマンションの管理組合、小規模な集落の代表が給水所に行き、ペットボトルを地域の人たちが使う分だけ仕入れて地域に戻り、それを地域住民が自宅近くの水置き場まで取りに行くような仕組みができれば、足などが悪くて水を取りに行けない人への運搬は、集落の人たちでちょっと余力がある人がお宅の前まで持って行ってあげることもできます。

困った時というのは公的な援助だけでなく近隣の助け合いも必要なところがあるので、公的なところと、公ではそこまできめ細やかにはできない部分は自分たちで工夫し合うことで、状況は変わるのではないかと思うのですが。

カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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