昨日紹介したmineoの回線は普通にSIMカードを送ってもらって開通したのですが、今の世の中は端末の中に直接SIMカードのデータを読み込む「eSIM」が利用できるスマートフォンやタブレットも増えてきました。
iPhoneやiPadだけでなくAndroid対応のスマホ・タブレットや、ノートパソコンにもeSIM対応のものが出ていて、SIMカードの到着を待たなくても早く開通でき、解約の際にSIMカードの返送の必要がないメリットがあります。
基本的には大手キャリアが提供をスタートし、大手のMVNOの中ではiijmioが先立ってサービスを開始したのですが、今回ちょっとびっくりしたのですが、必ずしも盤石の経営基盤ではないと言われている日本通信がこのeSIMを「合理的プラン」(シンプル290プラン、みんなのプラン、20GBプラン、かけほプラン)での利用に限って提供し始めたことを発表しました。
といっても、現在は日本通信の方ではSIMフリーのiPhoneとiPadでしか動作確認をしていないので、AndroidのeSIM対応版を持っている私としては、申し込んでもし使えない可能性もあるので、すぐにeSIMに切り替えることはしないと思います。とはいえ、今使っている中で唯一eSIMが使えるoppoのReno5 AはSIMスロットを2つ持っていて2枚のSIMカードを同時使用できるものの、物理SIMを2枚入れると、microSDカードが入らなくなってしまう仕様なので、2回線をスマホで使いながらmicroSDカードを使うためには、一枚をeSIM、もう一枚を物理SIMにすれば、2回線を入れた上にメモリカードも使えるというメリットが有るのですね。そうなると、写真や動画など大きなファイルをmicroSDカードに入れておけるので、かなり便利にはなります。
日本通信の出しているプランでは、一番基本料金が安い「合理的シンプル290プラン」を通話専用の回線として使い、データ通信利用として別の回線を入れるようにすれば、povo2.0よりは高いですが自動解約の恐れがなく月額が安く、通話にもデータ通信にも強いスマホを作ることができます。おおむね、データ通信に強いキャリアはeSIMにも対応はしているものの、eSIMを提供していないMVNOの回線と日本通信を組み合わせる時には、日本通信の回線をeSIM化するのも面白いと思います。
ただ、現状では残念な部分もあって、動作確認をしているハードがiOS対応のものしかないことの他に、日本通信SIMのeSIMはEID(eSIMの識別番号)の管理方法がdocomo、ahamoおよびドコモ回線系MVNOで共通であるため、ドコモ系の物理SIMとは同時に使用できないのだそうです。また、eSIMの再発行には手数料1,100円がかかるので、うっかりeSIMのデータを消してしまった場合に余分な費用がかかります。それと当然ながら、気軽に複数のスマホに回線を移すことは現状では難しく(当然費用がかかる場合もあるので)なっています。
実際に自分が使うとなると物理SIMにするかeSIMにするか考えてしまうところはあるのですが、それでも最初からeSIMが一切選べないところより、状況によっては最初からeSIMにできたり、途中からeSIMに変えることができるというのは、やはりユーザーにとっては便利です。
さらに、eSIMのメリットとして挙げられるのは、物理SIMを入れ替える場合にうまくいかずに変な力が入ってすんなりカードスロットに入らなかった場合、カードだけでなくスマホを壊してしまう可能性もあります。過去にその失敗でそれまで普通に使えていたスマホが使えなくなってしまった苦い経験をしている私としては、カードの入れ替えなしに全てのハードがeSIMで使えるようになれば、今まで以上に端末同士のSIMカードの入れ替えをして使うかも知れません。もう少し経って現在の物理SIMと変わらず自由に(費用もかからないで)eSIMのプロファイルを移動させることができるようになれば、かなり状況も変わってきて、その頃にはもはや物理SIMが少数派になっていることでしょう。
そういう意味でも、現在MVNOで業務を行なっているところは、なかなか費用の面で大変だとは思いますが早いうちに自分たちのサービスでeSIMを使えるようにする意味は十分にあると思います。私自身の予想よりかなり早く日本通信がeSIMの提供を仕掛けてきたことは、今後、他のMVNOにも影響を与えることになるのかも知れません。
そうなってくると、スマホに入っているeSIMを頻繁に移行することはそこまでないにしても、eSIM対応のタブレットやモバイルパソコンが当り前に出てきたら、そうしたハードとの間でデータ通信利用に特化した回線を使い回すような事をeSIMでできればいいなと思います。