ドン・キホーテで発売しているというバッテリー内蔵13.3インチ小型テレビは停電対策ならおすすめ

ドン・キホーテでは当然家電やパソコンも売っているのですが、他のお店では売っていない面白い製品も出ているようです。先日、「13.3V型バッテリー内蔵 私の右腕テレビ」なる持ち運べるテレビが1万円くらいで出ていることを知り、レビュー動画(販売元ではない一般の方のレビュー)を見てみましたが、一昔前ならこれで車中泊の旅も楽しめるという感じで煽ることで多くの人の関心を呼ぶのかなと思うのですが、TVチューナーを持ち運ぶということは、その分しっかりしたアンテナを用意しなければならないという事を考えると、私は車中泊旅にはこうしたバッテリー内蔵テレビをおすすめすることはしません。

今も昔も、テレビを見るためには送信所に向けるアンテナが必要で、アンテナが弱いと家のテレビのように鮮明な画像が出ず、それは走行中であるとなお条件は悪くなります。過去に、観光バスで常にBSの衛星を捉えるために動き続けるアンテナを備えていて、そこでたまたまアメリカ大リーグのワールドシリーズで、松井秀喜選手がまだ現在の頃、普段はポーカーフェイスをくずさない松井選手が歓喜のホームへのスライディングをしたシーンはまさに観光バスの中のNHK衛星放送の中継で見たのですが、それまでの走行中のテレビと比べても画像の安定性は素晴らしく、こんな画像を自分の車でも見られたらと思ったことを覚えています。

ただし、この時代になって自分の車(たとえそれがキャンピングカーであっても)に、こうしたアンテナを付けることはまずコスト的に釣り合いません。ネットで調べると、当時観光バスに付いていたBSアンテナは今でも14万から20万円くらいするようですし、それだけお金を掛けるなら、今のインターネット万能社会においては、別の方法でBS・CSを含めたテレビ放送をテレビ放送の難視聴地域であっても見られる方法はあります。

今売っている製品を使った一番簡単な方法は、自宅に専用の機械を設置し(バッファローのnasuneが有名)、自宅のインターネット回線に機械を接続することで、自宅で見られるチャンネル(地方であれば東京キー局でない地上波の地元局)をそのまま、インターネット経由でスマホやタブレットに専用アプリを入れることで、自宅からインターネット中継をすることが可能になっています。

nasuneには録画用のハードディスクが2TB分積んであるので、外から録画予約したものを、旅先で見ることも可能ですし、リアルタイムで放送している地上波・BS・CS放送を外出先で見ることも可能です。ただしその場合はモバイル回線で画質の悪いSD画質の放送を見るにも、1Mbpsくらいはスピードがないとスムーズには見られませんが、今ではahamo・UQモバイル・ワイモバイルなどでは月3千円くらいの負担で、高速クーポンを使い切っても安定して1Mbpsくらいのスピードが出るため、ネットを介してということになりますが、少なくともドコモ・au・ソフトバンクがつながるエリアであれば、ネットを介して特別なアンテナを使わなくてもテレビ放送を鮮明に見ることは可能です。ただし、接続スピードが1Mbpsを下回ってしまうような場合はコマ落ちや切断も起こりえますのでその点はご注意を。

nasuneなどのテレビサーバーを持っていなくても、現在はNHKがほとんどの時間でテレビとの同時放送や、見逃し配信を行なっていますので(NHK+)、サイトや専用アプリを使えばほぼテレビ放送が見られますし、民放でも徐々にTVer経由で見逃し配信やリアルタイム放送ができるようになっていますので、ここ数年でもっと旅先・車中泊先でのテレビ視聴についての環境は良くなるのではないかと思います。

また、そもそもテレビの地上波放送が曲がり角に来ており、先日のサッカーワールドカップアジア地区最終予選の日本対オーストラリア戦が地上波テレビでは放送されずにDAZNというネット配信の会社による配信放送になっていましたし、来週のボクシングのビッグマッチ、村田諒太対ゲンナジー・ゴロフキンの一戦は、アマゾンプライムビデオに加入している人に配信する形になっているので、もはやテレビでなくインターネットに繋がっていれば山奥でも見られる(もちろん、有料の会員登録が必要ですが)ようになっています。

そんな時代に、持ち運べる小型テレビを買うならパソコンに繋げるバッテリー内蔵のモニターか、クロームブック、Android搭載の安い10インチクラスのタブレットを買った方が良いのではないかと私は思います。当然、元々iPadを使っているというなら、それを活用すればお金はかかりません。

ただ、「13.3V型バッテリー内蔵 私の右腕テレビ」にも良いところはあります。というのも、13.3インチもあれば、自宅のサブテレビとしては十分使えるのではないかと思います。アンテナ線に繋げなければならないという点はありますが、複数の部屋にテレビアンテナソケットが付いている家であれば、リビングを離れて自分の見たい番組を小さい画面ではありますが見ることができます。

ちなみに、このテレビのバッテリー容量は2500mAだそうで、満充電では2時間の連続視聴が可能(カタログスペック)だそうです。1万円程度で手に入るなら、モバイルテレビらしく、フルセグとワンセグにも対応するようなので、停電時に使うために手元に置いておくのもかなり有りではないかという気がします。

自宅の場合、大きな建物の損傷がない限りはテレビアンテナも生きていると思いますので、アンテナソケットに直接テレビを繋げば、停電の時でもテレビを見られるだけでなく、少し容量大き目のモバイルバッテリーで充電も可能ですから(もしかしたらモバイルバッテリーで充電しながら見ることも可能かも知れません)、停電時のテレビ視聴のためにACコンセント付きの高額なポータブル電源を用意しなくても良くなります。モバイルバッテリーくらいだったらネット通販で5千円前後で買える比較的小さめの太陽光パネルでもそこそこ充電できると思います。もし停電が長く続いたとしても、複数のモバイルバッテリーを充電し、スマホとともにテレビの充電をすれば、情報入手については闇雲にスマホで調べるよりも的確にテレビから情報を得られるのではないでしょうか。

もちろん、停電時にはポータブルラジオから情報収集をしても良いのですが、テレビを見る事に慣れていると、停電でもテレビを見ることができるということに安心するところもあるように思います。ただ繰り返しますが、車中泊で山の中でテレビを見るためにこうした製品を買ってしまうと、持って行った先で使えないことにがっかりするだけになってしまいます。もし旅先の山の中でテレビ放送を見たいなら、真剣にnasuneの購入を検討した方が無難ではないかと私は思います。結局は「どこで」「どのように」使いたいかによって必要とすべきハードは違ってきますので、自分の必要とするものを選ぶようにしたいものです。


カテゴリー: 映像・画像関連 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す