地味だがうまく組み合わせればいざという時の一気利用に便利そうなmineoの「パスケット」

前回紹介したmineoの「マイそく」は、中速(1.5Mbps・3Mbps)でお昼以外であれば安定した速度でデータ通信できるものの、高速通信ができないというのが人によってはネックに感じる方もいるかも知れません。高速通信が欲しい場合は今までの「マイピタ」プランに低速でも最大1.5Mbpsが出る「パケット放題Plus」(10GB未満の場合月額385円かかります)を付けて必要に応じて高速と中速(最大1.5Mbps)を切り替えて使うというのが良いと思います。

ただ、2022年4月1日よりmineoは高速クーポンの繰り越しについての新オプション「パスケット」を出してきます。今までもmineoでは翌月繰り越しでも使い切れなかった高速クーポンをタンクに入れて必要な人に使ってもらったりするサービスを行なってきましたが、この「パスケット」は自分で残った高速クーポンを自分が使えるタンクに入れれば、10PB(100万GB)もの量まで、いつでも溜め込んだ高速クーポンを使うことができることになるそうです。まさに、毎月のデータ通信を貯めていつでも使える、ある意味ユーザーの夢のプランであるとも言えるでしょう。

ただこのオプションは、翌月くりこしのように勝手に繰り越されるのではなく、繰り越し分が消えてしまう前に自分で残量をタンクに入れるとともに、有料で月110円が余分にかかります。そして、回線を大手キャリアに借りて営業していることもあり、お昼の速度低下があるので、その分を許容できるかどうかが鍵になるでしょう。「マイそく」のお昼32kbpsというのはどうしようもない速度ですが、通常のプランにおいても、お昼の速度低下はそれなりにあり、実測で下手をすると500kbpsくらいという、アプリの利用にも影響が出てきそうなスピードまで落ちる場合があるというディメリットを受け入れられるかというのがまずは一つmineoを導入するためのポイントにはなると思います。

お昼の速度低下を我慢できるなら、普段は中速の1.5Mbpsで利用していて(専用アプリで中速に固定可)、大量に使う時のためにギガを溜め込むような使い方も十分にありでしょう。例えば私の場合、自宅のインターネットは現在大型テレビでネット配信動画をそれなりに見るような使い方をしているのですが、毎月のデータ量は大体100GBを超えるような感じの使い方になっています。もし急に自宅のインターネットが利用不能になったような場合、それまでに中速中心にして10GB以上を毎月貯められれば、一年経たずにいざという時の自宅代理回線として使うことも可能でしょう。現在のmineoで中速を使うために「パケット放題Plus」が自動付帯されるのは10GB以上のプランになので、目安として10GBおよび20GBでの「パスケット」オプションを付けた場合の月額について紹介します。カッコ内はパスケット込みの料金です。

・10GB/月 デュアルタイプ 1,958円(2,068円) シングルタイプ 1,705円(1,815円)
・20GB.月 デュアルタイプ 2,178円(2,288円) シングルタイプ 1,925円(2,035円)

こうしてみると、使い残した高速クーポンをずっと利用可能になるわけなので、普段は使わなくてもあえて20GB/月のプランと「パスケット」の組み合わせ(デュアルタイプ2,288円・シングルタイプ2,035円)で契約する方が、より多くのいつでも使える高速データ量をより多くキープできるのでおすすめになるのではないかと思います。

問題になるのはお昼の速度低下になってしまう時の使い勝手ですが、とりあえずはお昼に使ってみて、我慢できるか否かというのをご自身で確かめる方がいいでしょう。お昼に使う場合はmineoと同じMVNO全般で遅くなる傾向になりますので、一月のお昼の利用が月3GB以内で収まるなら、ソフトバンク回線のLINEMOミニプランとの併用もありかと思います。mineoはauでもドコモでも選んで使えますが、ドコモの方がau独自の通信制限にかからないので、ドコモ契約にして音声回線にし、必要に応じてかけ放題オプションを付けても良いでしょう。ちなみに、mineoの場合は専用回線を使いつつもSIMからの発信であれば専用アプリではなく、標準アプリからでも「mineoでんわ」のかけ放題が使えます。

大手キャリアは「最初の一年間だけ安い」プランを大きくアピールしていますが、逆に言うと一年を過ぎると普通のプランになってしまいます。今回紹介したようなプランは、値段は変わらずに魅力的なプランになっているので、うまくデータの使い分けをすればかなり便利だと思います。ただ最後になりますが、この「パスケット」を使って多量のデータ通信を溜め込んでしまった場合、他のキャリアおよびMVNOでさらに画期的なプランが出てきた場合、せっかく溜め込んだ高速データを使い切ることなく無駄にしてしまう可能性があることです。とは言っても、他社の月20GBプランとの比較で、いざという時に月100GB以上使うことになってもそれまでに溜め込んでいれば追加の費用が必要ないというところがあるので、年に数回長期旅行をして多くの高速クーポンを必要とする方などは検討してみても良いかと思います。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す