ドコモがMVNO向けに開放を表明した「+メッセージ」のサービス開始延期発表は何をもたらすか

過去のブログに、SMS(ショートメール)と同じように電話番号を使って文字や写真などのやり取りができるメッセージアプリ「+メッセージ」について書きました。すでにauは2021年9月の始めからUQ・povoというauの関連サービスだけでなくau回線を借りているMVNOのサービスでも「+メッセージ」が使えるようになっているのですが、その際に他のキャリアの開放予定としてソフトバンクが2022年春に、ドコモは2021年9月下旬に提供するというニュースが有りました。

私の通話用の回線はその時にはドコモMVNOの回線だったのですが、先月末にau回線のpovo 2.0に変更したことで、友人に知らせている電話番号で「+メッセージ」が使えるようになったので、同じアプリをスマホにインストールしている人は、音声回線ではなくデータ通信の仕組みを使ってメッセージや写真・音声ファイル(相手が留守番電話サービスを契約していなかったり、スマホ自体に留守電の機能がない場合には音声のメッセージをそのまま送ることができるのでアプリを使い慣れていない人への連絡にも有効な場合があります)のやり取りができるようになりました。

細かい事ですが、音声回線を使ってのSMS送信料(国内)は、文字数が限られる上、一件あたり3円がかかります。かなり多くショートメールのやり取りをしている場合でも通信料的にはそれほどかからないものですが、「+メッセージ」アプリの連絡先から誰が同じアプリをスマホにインストールしているか(つまりは文字だけでなく写真や音声をデータ通信で送れるか)がわかるので、LINEを使っているかどうかわからない知り合いとの連絡を取る際には、便利に使えるような場合も出てくるだろうと思います。

この「+メッセージ」が普及するかどうかのポイントは、今はそれなりに「格安SIM(大手三キャリア以外のサブキャリアやMVNOなど)」を便利に使っている人もそれなりにいる中で、大手三キャリアに入っていなければ「+メッセージ」が使えないというのでは、このままアプリ自体が使われなくなって終了ということにもなりかねません。

そうした危惧があるからこそ、様々なお互いの思惑を超えて、同じ大手三キャリアの回線を使っていれば「+メッセージ」を使えるようにという話し合いの中でauではMVNOでも使えるようになったのですが、まだ準備の整っていないソフトバンクはいいとしても、本来は先月までに提供すると表明していたドコモは未だにMVNOへの提供を開始していません。

ドコモのホームページには「サービス開始時期を延期」と書いていて、具体的にいつから始めるのかの言及もありません(つまりずっと始めない可能性もあるということです)。最初のニュースでようやくドコモのMVNOで「+メッセージ」が使えるようになったかと思っていた事が見事に裏切られた格好になりました。

まだソフトバンクが準備中ということもあるので、そこまで強く非難すべきことではないかも知れませんが、すでに同じMVNOの中でauがサービスを開始しているのですから、普通はこのままドコモがいつまでの準備中とは言えないだろうと思うのですが。

もし、ドコモが新たに始める「ドコモエコノミーMVNO」によるドコモショップで提供されるサービスが出そろう予定の2021年12月までサービス開始が伸びてしまうようだったら、それには何か意図的なものを感じてしまうかも知れません。それでなくともNTTはデジタル省の役人や国会議員と会食をしていたことが問題になっていることもあり、大手三キャリアの中でも自分のところは別というような奢りが今回の準備の遅れを招いてしまったのかと考えてしまいたくもなります。

昔なら電電公社の時代から通信と言えばNTTという確かなブランドイメージがありましたが、今の無線通信のスマホを使って電話やデータ通信を行なっている状況では、自分の生活するエリアで問題なく使えるなら、キャリアにこだわる人も少なくなってくるのではないかと私は思います。「+メッセージ」が無いから回線を変えると考える人は今は少ないでしょうが、少なくとも個人的にはアプリの「+メッセージ」の連絡先一覧を見て、相手も「+メッセージ」が使える人と使えない人とでは連絡手段のバリエーションが違ってくるので、いざという時にはこちらから連絡する人・連絡しない人との差として出てきてしまうのではないかと思うのですが。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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