楽天モバイルの「Rakuten LinkアプリiOS版」での仕様変更でSMS送信に料金がかかる?

アプリの開発というのはスマホの基本ソフトに合わせて行なう必要があり、そのために苦労することも多くなると思うのですが、今回楽天モバイルから発表があったiPhoneなどのiOSで利用する無料通話を楽天モバイルで行なうための根幹とも言える「Rakuten Link」について気になる仕様変更の通知が届きました。なお、ここで紹介する仕様変更はiOSのみで、Androidスマホを使っている場合は仕様は変更されません。

今まではスマホに入っている電話アプリではなく、Rakuten Linkアプリによって発信着信が行なわれていたのですが、2021年6月15日より、着信時にRakuten Linkアプリからの発信でないもの(他社のスマホ・携帯電話や固定電話)については、iOS標準の電話アプリが起動して着信をするようになるということです。

この際注意したいことが2点あります。かかってきた電話を受けられず、こちらからかけ直す場合や着信通知を利用して電話を掛ける場合、iOS標準の電話アプリから電話を掛けてしまうとかけた時間分だけの通話料が発生してしまいます。楽天ではあくまでRakuten Linkアプリ経由の電話については時間に関係なく無料で通話できることをアナウンスしているので、後日の通話料請求にびっくりする前に、Rakuten Linkアプリから電話をすることを心掛けなければなりません。

そして、もう一つの問題は海外でスマホを利用している場合です。Rakuten Linkが着信時に日本からの電話を受けてくれればLINE電話やSkypeのように料金の心配なく(有料の通話定額を契約し、該当地域で利用する場合は発信も定額)使えるのですが、海外の国によっては着信するだけで通話料金がかかる仕組みがあるため、iOS標準の電話アプリで電話に出てしまうと、それだけで通話料金が発生してしまう恐れがあるのです。

幸いスマホの場合、相手の番号が通知されますので、海外にいる時に電話がかかってきた場合にはその電話に出ず、改めてRakuten Linkから電話をすることで、もし海外かけ放題を契約していれば通話料金を気にせずに電話できます。ただこういうことは、いちいち自分の頭の中で考えた上でアプリの切り替えをしなくてはならないので、例えば海外で利用する場合には安いもので十分なのでRakuten Linkアプリが使えるAndroidスマホに代えて利用するなどの対策も有効かなと思います。

実はもうひとつ、iPhoneではどうにもならない問題が今回の仕様変更ではあります。電話番号を使ったショートメールであるSMSについての仕様変更です。SMSの受信についてもiPhoneではiOS標準の電話アプリでSMSの受信を行なって、受信料は無料なのですが、問題は送信について、送信先のスマホにもRakuten Linkアプリが入っていないとアプリからの送信はできず、送信はiOS標準の電話アプリからしかできなくなるという事実です。

つまり、Androidスマホでは国内・海外でも(海外は指定された国限定)Rakuten Linkアプリを使えば無料でのSMS送信ができたのですが、iPhoneの場合は他社と同じように、楽天モバイルユーザー以外とのやり取りについて、SMS一通ごとの送信が有料になってしまうのです。これは、電話番号を使ってのメッセージを良く利用している方からすると、iPhoneを使っていることがネックになって料金がかさんでしまうことを意味します。一通だけならそれほどかからないものの、かつては無料通話込みのガラケープランで便利にSMSを使ってメッセージのやり取りをしていた(SMSの送信料を無料通話分から利用することができたのです)方がSMSが無料だから楽天モバイルに変更した場合、新しいiPhoneを買ってしまったがために今までのようにSMSが利用しにくくなってしまうかも知れません。

個人的にはこうした不具合については、大手3キャリアでのみ使える「+メッセージ」アプリを楽天をはじめとした他のMVNOに向けて開放してくれれば、先日販売になったばかりのiPhoneを楽天モバイルで購入した多くのユーザーがSMS送信でストレスを感じることも無くなると思います。今後新しく政府がデジタル省を作ったとして、こうした細かい点についてきちんと指導してくれるのかということも不安に感じてしまいます。

今のところは大丈夫なのですが、これからもAndroidスマホは現在のまま使えるのかどうかということも心配ではあるのですが、今回の仕様変更はアップルからのアクションがあったのでは? なんて勘ぐってしまうくらい不可解なので(楽天モバイル側には改悪すべき理由がないことから)、楽天モバイルで電話・SMSの無料を生かしたいと考えられている方は、iPhoneでないスマホを選ぶのが無難な事だけは確かなようです。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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楽天モバイルの「Rakuten LinkアプリiOS版」での仕様変更でSMS送信に料金がかかる?」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    今回の改訂iPhoneに正式対応した事でアップルから要求された事のようですね。
    通話に関してiOSの標準アプリを使うようになったのはアップルウォッチの関連ではないかと思われます。正式対応と言うからにはアップルウォッチとも対応出来る必要がある。その為には音声を標準アプリで対応すると言う事が必要となる。
    SMSに関してはiMessageと関連では。iMessage同士なら無料で送受信出来る。無料でSMSを送受信したければ相手もiPhoneにしてもらいなさいと言う事では無いでしょうか。
    iPhoneの売れ行きが落ちている中でiPhoneを売る為にはiPhoneユーザーの増加は欠かせません。
    これがアップルが楽天モバイルに正式対応する見返りだったのではないでしょうか。
    アップル信者はアップルの作為を信じようとはしないでしょうから受け入れられると考えたのでしょう。
    iPhoneユーザーにはiPhoneで無いとだめだと言うユーザーが多いですから葱を背負った鴨みたいなものです。アップルに喜んで搾取される事でしょう。
    通話の発信に関してはrakutenLinkを使えば無料ですからiPhoneユーザーは文句を言わないだろうとアップルからなめられていますね。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございます。

    SMSについてはiPhone同士なら無料でやり取りでき、Rakuten Link同士なら機種の違いがあってもやりとりは可能なのですが、それはいつも使っている友人同士ならいいにしても、そうでない場合もあるわけですから、iPhoneばかり特別にしなければならないということになると、SMSでいわゆるガラケーのらくらくホンを持っている人など(対ガラケーやガラホ)と連絡を取っている人にとっては楽天SIMを使うスマホは非iPhoneにする理由になりますね。

    個人的にはそうならないためにも、+メッセージアプリを大手3キャリア以外に開放すべきだと思うのですが、その点にも楽天モバイルには頑張ってもらって、楽天でiPhoneを使うディメリットを最少限に抑えるようにしてもらいたいですね。

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