旅の定番だった場所が消えていくと 旅をする習慣そのものも無くなる可能性も

長期にわたって外出自粛の雰囲気が続く空気の中、観光で盛えていたところも一気に窮地を迎えるケースが少なからずあります。京都タワー大浴場が2021年6月に営業を終了するというのもそうした流れの中で起こったことで、これは今後コロナ渦が収まり、電車や夜行バスか元通りに走るようになっても無くなったままで変わらないわけですので、多くの旅人の行動に影響が出てくるのではないかと思います。

京都駅から出てすぐの京都タワー地下3階にある銭湯ですが、朝7時から夜10時までやっていたので(現在は新型コロナウイルス下で短縮営業)、早朝に夜行バスで京都に着き、汗を流してさっぱりしたい時や、夜にバスや在来線・新幹線に乗る前にリフレッシュするために多くの旅人が使ってきただろうと思います。

今後は別のサウナ店を探して入りに行くか、ネットカフェに併設されたシャワー室を使うかということになると思いますが、京都の町全体が経済的には厳しいと思いますし、大資本のところは残るにしても、そうでない場所で知る人ぞ知るというような所はこれからも厳しい状況が続いていく中、いったん休業してしまった施設が元通りに営業を続けていけるのかどうかもわかりません。

もちろん今回の京都タワー大浴場の代替施設はどこかにはあるわけで、無くなって本当に困るということはないでしょう。しかし、私の場合京都に行くとなると、自家用車以外の交通手段では、まず目的地が京都駅前になりますし、京都駅前からすぐに行ける京都タワーの利便性はそれなりに感じていたので、主に安く旅をしたいと思っている人の中でも移動時間の関係で、できれば最寄り駅からすぐに利用できる施設を重宝している人にとっては代替を探すのも大変でしょう。

こういった事が京都だけではなく全国で起こっていくことも、現実には考えなければなりません。かなり残念ではありますが、そういったつもりで旅に出なくてはならなくなるような時代がコロナ渦明けの状況でやってくるようだと、今まで以上に最新の情報に更新されるスマホからの情報収集の必要性は高まってくるのではないでしょうか。

今回の京都タワー大浴場は、設備の古さはさておき、その抜群のアクセスの良さからそれなりに人は入っていて、今回の新型コロナウイルスの感染症が広がらなければ、今後も同じように営業はできていたのではないかと思いえるだけに、改めて感染症の恐ろしさを感じざるを得ません。施設が老朽化したり、経営者が高齢になっての閉店というのは寂しさを感じつつも仕方ないと思えるものの、今回のような突発的な状況に巻き込まれてしまうと、観光業・飲食業や、直接生活に関係ない物を売ったりするようなお店はそれなりにファンがいたとしても、存続が一気に難しくなります。

今後多くの人がワクチンを接種して観光に人が戻るまでそうしたところが持ちこたえられるのか。また、逆に今まで旅行に出掛ける楽しみの一つだった数々の施設が閉鎖になった中、以前と同じように出掛ける人は一気に戻るのか、そうした点も不確定要素として残るので、まだまだ自分たちだけではどうしようもない状況はまだかなり長い間続くと見なければならないでしょう。

個人的に不安なのは、感染症の脅威が無くなっても、旅行に出掛けなくなるような人が増えてしまうのではないかという点です。全国の味はネット通販で注文することが一般化すると旅出つ理由の一つが減る場合もあるでしょう。またコロナ渦で生活が大変になり、マイカーのない生活を指向したり、鉄道会社が終電を早めたダイヤを継続することで公共交通機関を使った旅も不便になってくると、今までのように人は旅行に出掛けようと思えなくなるのではないかという想定も考えられます。

話も京都タワー大浴場に戻すと、この施設は深夜帯を移動に使う夜行の高速バスを利用されていた方にとっては打撃だけに、今までは夜行バスとセットで使われてきた施設が無くなることで、選択肢として夜行バスを使っての京都入りを敬遠し、新幹線に移行するケースも出てくるでしょう。そうなると旅の形も変わりますし、観光客が落とすお金の額も変わってくるかも知れません。どちらにしてもワクチン接種が終れば徐々に前の状況に戻ってくると考える中で、人々の意識の中で、コロナ前・コロナ後で何が変わってしまうのかについても、十分な検証のもと人々を観光に戻すための社会的な工夫が必要になってくることだけは確かでしょう。


カテゴリー: 旅コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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旅の定番だった場所が消えていくと 旅をする習慣そのものも無くなる可能性も」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    旅のインフラ崩壊に危機感があります。目先の事で旅の余裕がなくなってきている。マスコミがコロナに対する恐怖感を煽っているといっても過言ではないでしょう。
    変化を嫌う国民性が鎖国に向かっていると言っても良いくらいですね。イメージで怖がっているのだから始末が悪い。
    このままでは大手旅行会社まで倒産に追い込まれてしまい。航空キャリアまで破綻しかねないが外国になど滅多に行かないから税金を投入してまで救う必要は無いと言う声さえあるくらいです。
    重篤化・死亡要因と感染・発症の可能性と無関係ではなさそうです。肥満・喫煙・飲酒とは無関係では無さそうですね。
    一般には報道されていませんが、若い世代の感染・発症者は喫煙者の割合が高いそうです。30代の重篤者もお腹ブヨブヨの肥満体のようです
    喫煙によってヘモグロビンが一酸化炭素と結合 するため全身への酸素の供給量が減少する事で血液の病気であるコロナの悪化を招くのに喫煙は規制されないと言う矛盾。
    考えない人の存在が旅の基礎インフラを破壊してしまう。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    自粛することが全て良いとは思いませんが、世の中の流れが決まるとなかなかそこから違う方向に進みにくいというのは、昭和から平成に変わる際の「歌舞音曲禁止」の時から変わっていないように思います。現在の状況は、ワクチンが全世代に届くまで時間がかかることから、しばらくは自粛することが感染しない方法になってしまっているので、ワクチン接種の取り掛かりに遅れた影響というのは大きいですね。これで今まではあって当然だと思っていた施設や会社が無くなってしまったとしたら、その損失はかなり大きなものになると思います。

    個人的には、JRがもし「青春18きっぷ」をこの状況の中で廃止してしまったとしたら、お金はなくても時間のある層の外出がかなりの影響を受けるでしょう。すでに東京近郊の高速道路が休日割引を行なわない方向であることもニュースになっていましたし、格安航空会社が果たしてあと数年経営がもつのか? という事も心配です。

    しかし、東日本大震災の影響で全国の高速道路の値下げもどこかへ行ってしまったわけですし、世の中何がきっかけになって状況が変わってしまうかは正直なところわかりませんし、その点では日本もアメリカのように早く国内・国外への移動が心配なくできるように進んでいってほしいものであります。

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