日本全国で県またぎの移動が自粛される中、宿泊業の営業は本当に大変だと思います。GoToキャンペーンでは、いわゆる高級な宿に予約が集まったということですが、いわゆる古くから営業している老舗の宿の中には、宿の中の設備が古いままだといくら風情があると言ってもお客さんはリピートしてくれず、さらに苦しくなってしまう可能性があります。
そんな歴史の宿として、一度は泊まりたいと思っていた伊豆松崎町の「大沢温泉ホテル」が廃業したという話を伝え聞き、寂しい想いをしていたのですが、たまたま昨日ラジオで、このホテルの営業を町が引き継ぎ、新たに日帰り温泉として昨年末から営業を再開したということを知りました。
新しい名前は「大沢温泉 依田之庄」と言い、昔の名主さんが江戸時代に建てた家が残っています。依田家がずっと温泉旅館として家を守ってきたものの、継続することに限界を感じホテルとしての営業は終了したものの、この建物を有効に活用したいと町が新たな形での温泉施設として再出発ということになったようです。
古民家としても伊豆で二番目に古いというホテルの建物で休憩もできる(宿泊施設ではない模様)日帰り入浴の料金は大人700円、小学生300円、幼児無料(いずれも町外の人が利用時)ですが、今まで宿泊しなければ利用できなかった内湯と露天風呂をふらっと訪れて利用可能というのは個人的には嬉しいです。ただ、この「大沢温泉ホテル」はそのままつぶれてしまうには多くの人が惜しいと思えるだけの魅力がある温泉旅館であったから残ったとも言え、今後いつまで続くかわからない感染症による売上減少により、果たしてどれだけの旅館・ホテルが影響を受けてしまうのか、大変心配です。
その点では政府が、観光や飲食業にテコ入れをするというのもわかるのですが、今後はどこまで継続して支援がされるのかわからないので、新型コロナウィルスの影響が無くなった後、全国の観光地がかなりの様変わりをする可能性も考えずにはいられません。
こうした事は個人の力ではどうにかなるものではありませんが、今回の大沢温泉ホテルのように、営業形態を変えて存続するという道をとる方法や、大手資本を入れて改装する(リゾートホテル化)とか、長年の伝統を残す取り組みは、ここで積極的に紹介するだけでも意味のあることだと思うので、自分ではまだ行けないまでも新たな地域情報として入ってきたら、改めてここで紹介させていただければと思っています。