現場や利用者の状況を把握せずに一人歩きする発言 povo批判について

今回の話は新型コロナウイルス対策のことではありません。あまりいいニュースがない中で、政府が強引に推し進めてきた「携帯電話料金の値下げ要求」は、多少ずれた所はあったものの大手三キャリアがそれなりに毎月の利用料が安いプランを出してきたことで、数少ない政府の良いポイントだと思っていたのですが、これについてもちょっと怪しくなってきました。

というのも、武田良太総務相が2021年1月15日の会見で、三大キャリアの中では最後に料金プランを発表したau「povo」の発表に触れ、「非常に紛らわしい発表だった」と不快感をあらわにしたのでした。この件についてのニュースを読むと、auが基本料金を他二社と比べて500円(他社は5分定額が付く分500円高い)安く出してきたことについて、武田氏は「国民に対してあたかも一番安いと思わせるやり方。非常に残念だ」と述べたということです。

これは、もしかして三社全く同じ料金でプランを発表しなければならなかったということなのでしょうか? 大手キャリアは全て民間企業で、三社は熾烈な競争をしているので何とかして他社との差別化をしようと考えての今回の結果だと思います。総務相は、ドコモとSoftbankのプランには付いている(逆に言うと外すことができない)、「5分通話定額」を外すことが、auが姑息に見てくれの料金を安くするようなあざとさだと思ったのかも知れませんが、ユーザーの多様性について全くわかっていないように思います。

私の場合は音声通話偏重のあまり、5分でも10分でもない無制限の通話定額を付けていますが、逆に月に5分も電話をしない人たちもかなりいます。その人たちや友人や知人とどうやって連絡を取っているかというとSNSによる文字によるコミュニケーションで、どうしても直接話したい場合にはSNSのIDがわかっていれば利用できるデータ通信を使った音声通話(はっきり言うとLINE電話)を利用していることが多いです。

企業の中には電話番号の他の問い合わせ先をあえてLINEのIDにして、いわゆる無料通話が付いていない人にも料金を気にしないで電話してもらおうとしている所まであるくらいです。データ通信を使った音声通話の品質は低くなりがちですが、大手三社のプランでは高速クーポンを使い切っても最大1Mbpsのスピードが出るので、定額の範囲内で実質的に無制限のLINE電話を利用することができます。電話番号を使った電話をしないでLINE電話が使えればいいという人にとってはauのpovoやUQモバイルのくりこしプランのように、無料通話はオプションであった方が良く、auは「他社と同じ内容なのにわざと安い価格を出してきた」とは決して思わないでしょう。

逆に、政府がそうしたユーザーの想いがわからないでトップが発言してしまう体質だからこそ、新型コロナウイルス関連の政策についても批判が絶えないのではないかと思えてしまいます。これでは、今後出てくると思われる日本通信とドコモの争いについても、総務相は弱い立場の方の味方をしてくれるのか、非常に不安になります。話は通信のことばかりではありません。これからの社会を生きていく中で、くれぐれも国民生活を壊すような形での行動はなしにお願いしたいですが。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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2 thoughts on “現場や利用者の状況を把握せずに一人歩きする発言 povo批判について

  1. ケータイオタク

    善意に考えれば大臣は官僚の報告を鵜呑みにして発言しているのでは。auの発表は最低価格を強調したものではなかったのに報道が最低価格を強調したので思い込んだのでは。
    あるいはドコモ、ソフトバンクに対する牽制球なのでは。通話定額を完全なオプションに出来るはずでは。と言う事を言いたいのではないでしょうか。
    さすがに細かい点まで総務省とは言えないが、auを批判しているようで実際にはドコモ、ソフトバンクに対する指導なのでは。
    これでドコモ、ソフトバンクも通話定額を完全なオプションとしてプランを改訂してくれるとユーザーにとってはありがたいのでは。
    楽天モバイルも通話定額を外した価格値下げの道も口実が得られたと思います。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございます。

    今回の事で私が危惧するのは、まさに総務大臣裁定で通話料(卸し)を値下げすべしという勧告があっても値下げに応じていないドコモと日本通信との関係についてです。大臣がユーザーや現場の実態がわからないまま発言をすることで、適正な競争を求めているMVNOがつぶれるかも知れません。その辺を本当にわかっているのか、現状でははなはだ疑問なので、まずは無料通話を必要としない一定の人たちがいることも、もっと安く通話定額を使いたい人もいることも十分認識の上で動いていただきたいというのが正直な気持ちです。

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