いきなりの「サマータイム」構想は実現するのか?

過去からさんざん話題には上がっていた「サマータイム」について、東京オリンピックとのからみで日本政府の中で実施が検討されているというニュースがオリンピック2年前の今になって報道されています。昼が長い夏の時期に時間をずらすことによって、明るいうちに活動することができればエネルギー消費量が落ちるのではないかと言われているサマータイムですが、今回はオリンピックとからめて実施することが目的のようなところもあるようです。

直接的にはもし本当に日本でオリンピックの年にサマータイムが実施されたら、午前7時スタートとされているマラソンのスタートが実際には午前5時からということになります。ただ、日本の陸連からするとそもそも今までサマータイム導入を前提で練習をしてきたわけでもないでしょうし、川内優輝選手のように、東京オリンピックのマラソンが酷暑の中の脱落者が多数出るサバイバルレースになることを見越して虎視眈々と狙っているような選手の志を無にしてしまい、結果的に日本選手の活躍を期待できなくなる面もあります。ただ、各選手が安全に力を発揮できる環境を整えることは開催国としてはフェアな行為として評価されるところはあるでしょう。

だとしたら、単にマラソンを午前5時スタートということに先日決めれば良かったと思うのですが、急にこのような奇策を打ち出すところに、国内外のスポンサーの意向に逆らってまで意見を出したり運営上の時間を動かすことができない日本の立場の弱さというものもうかがえたりするのです。

しかし、そうした思惑とは別に、日本国内で生活する身からするとたった2週間のオリンピックのために膨大な費用と人々の協力をしてサマータイムを実現させても、オリンピック後にはまたサマータイムなしの夏になるというのなら、あえてサマータイムを実施する意義があるのかということは色んなところからの意見として出てくるのではないかと思います。

労働問題において、テレビでは一般的な朝9時から5時までの仕事の人をモデルケースにしていますが、そのテレビの朝番組をやっている人などは例えば今までも午前2時起きで早朝からテレビカメラの前に立っているような人はサマータイムには下手をしたら前日の深夜から起き出して仕事に出るということになってしまいます。

個人的には日の出前後のまだ涼しい時間に、早起きして仕事や学校の前に何かを行なおうとしている人にとっては、通常の時間が前倒しになることによっていわゆる「朝活」の時間が減ってしまうという状況になりそうで、それが残念です。それと、サマータイムが始まる時と終わる時にどのように朝起きる時や夜寝る時の時間を調整していくかが、全くそういった経験がないので不安もあります。

ニュースによると政府筋ではそこまでサマータイム導入に積極的でないような感じで官房長官がスピーチしたそうなので、また構想だけで実施されない可能性も高いとは思います。しかしとにかく今年の暑さというのは大変だったので仕事を涼しいうちに片付けてしまおうという意図でサマータイムを実施するなら、同時に長めの昼休みを取り昼寝タイムにするぐらいでないときついですね。果たして今の日本で、昼休み2時間を許容してくれるだけの雰囲気がこれから出てくるのか、もしそんな社会に夏の間だけでもなるなら、それはそれで面白い気もします。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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