今さら乾電池式のモバイルバッテリーはどうなのか

私はこのブログの中でもたびたび紹介していますが、充電式の単三・単四電池が大好きで、いまだに好んで使っていますが、モバイルバッテリーの用途としては使っていません。なぜかというと、単三電池4本を使うモバイルバッテリーの出力は5V1Aがいいところで、スマホやタブレットを利用しながら充電するためには2A以上の出力は欲しいところなのですが、今回ちょっと紹介しようと思うパナソニックのモバイルバッテリーの性能もそう高くはないのです。

少し紹介すると、乾電池と充電池の両方が使える(単三型4本)モバイルバッテリーをパナソニックが2020年6月に発売するということがニュースになっていたのです。型番はBH-BZ40Kで(店頭では1,800円前後?)、ぱっと見はエネループ・充電式エボルタの充電器のように見えますが、この製品には充電池の充電機能はないとのことで、まずその内容を見てがっかりしました(^^;)。

製品にはUSB端子(Type-A)が付いていて100円ショップで売っている充電用ケーブルがそのまま使えます。モバイルバッテリー以外にもLEDライトが付いているので、懐中電灯代わりにもなるそうですが、別にこれは無くても本体でUSB充電ができる機能の方が私には欲しかったですが。出力は5V~4V、1A~0.05Aで、電池の消耗具合によって数値が低下するというのは使う電池の特性によるので仕方ないですね。

また、このバッテリーでは電池一本ずつの電圧を個別管理していて、4本のうち1本だけダメな電池があった場合、給電がストップするようになっているそうです。ある程度判定がシビアになるのはスマホを充電するには仕方がない部分はありますが、初めてモバイルバッテリーを買う方は、今はもう乾電池やニッケル水素電池でスマホを充電するよりも、安定して出力することができるリチウムイオン・リチウムポリマー電池を使った方が、外に出て使う時に安心できるという面があります。

恐らくこの商品のキモは、もしリチウムイオンのバッテリーを使い切ったり、充電するのを忘れてしまった場合、コンビニに行って乾電池や充電済みのエネループを買えばすぐにある程度の充電ができるということで、過去にモバイルバッテリーで痛い思いをした人には買う意味があるのかも知れませんが、製品情報だとアルカリ乾電池の「エボルタNEO」では約2700mAhのバッテリーを備えるスマホのバッテリーを50%~70%ぐらい充電できるくらいの容量しか持たないので、4本でなく8本くらい買わないとほとんど切れかけのバッテリーを復活させるには無理のような気がします。

エネループの場合、使った後に充電する場合ACコンセントがないところだと、再充電が難しそうなのも問題ですね。単三電池が使える機器については、事前に充電してから旅に出れば旅の途中で再充電が必要なくらい使うことはほぼなく、それに反してスマホの充電というのは一気に容量を必要としますので、モバイルバッテリーとしての効率は良くないと言わざるを得ません。私は5Wくらいの太陽電池バネルを持って歩いていますが(^^;)、もし大きな災害が起きて手持ちのモバイルバッテリーの中味を使い切ってしまった場合、継ぎ足し充電もそれなりにできるリチウムイオン電池のバッテリーの方が、日が陰って出力が落ちても充電し続ける粘りを持っているような気がするので、サバイバル状態に陥った時には複数のスマホをだましだまし使いつつ、太陽電池で時間を掛けて少しずつ充電したモバイルバッテリーを使うのがいいかなという気がします。

ただ、全く使えない製品なのかと考えると使い方によっては味が出るかなという感じはします。今のバッテリーの状況を把握して製品化されたということで、電池の個別判定など安全性に十分配慮した製品であるということです。現在の自宅内に十分なアルカリ乾電池の買い置きがあったらそれなりに使えるでしょう。

また過去に多くのエネループを買いあさって持っているものの使う機会が最近あまりないという方は、エネループ自体は長期保存をしても容量が低下しにくいという特性があるので、一日スマホを使うとき夕方になると少々バッテリー残量が心もとないような時に積極的に使い、もしもの時に様々な機器で使えるエネループを常に満充電の状態で保っておくために(モバイルバッテリーとして使ったエネループを充電後ローテーションして使うと多くのエネループが高容量で保管できます)、持つのはありかも知れません。

さらに本体は電圧の上がらない不良電池があると動作を停止するので、いわゆる「ハズレ」電池を別に分けるために使うというのもいいでしょう。電圧が充電しても上がらない電池は、捨てるのではなくそれほど電圧が高くなくても使える機器(ラジオなど)に使い回し、常に最高のパフォーマンスを発揮できるエネループだけを分けることも製品を使い続ければできるわけです。この辺は評価の分かれるところかも知れませんが、個人的にはなかなか頻繁に充電できないエネループを使うためのグッズという風にとらえるのもありかも知れませんね。


カテゴリー: 充電池活用法 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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