どうすれば感染症パニックを防げるか

昨日厚生労働大臣による新型肺炎についての記者会見が行われましたが、その内容はテレビのワイドショーでさんざん述べられてきた自衛のための内容とあまり変わらないような感じのものでした。会見の中で熱が出てもひどくなければ自宅療養をということですが、そのお願いを律儀に守った場合、診断がつかないわけですから学校や職場を休む根拠が得られないということにもなります。

私が昨年インフルエンザに感染したときには、熱が上がった状態ですぐ近くの病院に行き簡易検査キットでインフルエンザが判明したのでその場からすぐに職場や関係者に電話をしました。電話ではその後の経過について報告することにして自宅療養に入り、朝夕体温を測って記録する中で、熱が下がってからその状態が継続した日数が職場の基準に適合するまでは仕事を休みました。熱が出てすぐに検査をしてきちんとした診断を受けられ、さらに診断後に出していただいた治療薬が効いたこともあり、仕事を休んだ期間は最小限で済みました。

しかし今、政府の言う通り発熱したら病院に行かず自宅療養をするようなことになれば、新型肺炎にかかっていた場合だけでなく、インフルエンザや普通の風邪であった場合にも診断及び治療が受けられない中で、長期の自宅療養で会社や学校を休まなければならないような状況も出てくるでしょう。正社員で自宅待機でも満額の給料がもらえるならいいですが、派遣やパートで休業補償がされないところでは、いくら体が大変でも仕事に出てしまう人が出るかもしれません。

もし政府が強制的に会社や学校を休ませ、公共交通機関の運行を制限するなどの強権を発動するなら、無理をして学校や会社に行かずに自宅で待機せざるを得ない状況になると思うので、爆発的な流行を抑える有効的な手段になるかも知れませんが、今回の会見ではすぐにはそうした強権を発動するまでの状況ではないと思っているのかと取られても仕方ないでしょう。さらにアナウンスがなくて残念だったのが、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判別することができる検査の民間委託についての話です。個人的には、感染症を抑えるにはまず診断することが大事だと思っています。

現在の状況でも、ありとあらゆる民間の検査会社の協力を仰げばお隣の韓国よりも多くの検査ができるのではないかと言われています。今後の近い時期に、かかりつけ医でも新型肺炎かどうかの簡易検査を受けられるようになれば、人によっては新型肺炎でもインフルエンザでもなく症状が軽いという診断が出る可能性もあります。感染症を抑えるために学級閉鎖や学校閉鎖ができる学生は仕方ないにしても、社会のインフラを担う仕事において、外に出て仕事のできるお墨付きがあれば、ライフラインの維持に関わる業務が止まってしまうような最悪のシナリオは避けられるのではないかと思うのですが。

今のまま強権も発動されず検査体制も整わない中で、国民にお願いをするだけで時間が経過していくだけなら、もはや公からの対応に期待するほうが間違いなのかもしれません。言うまでもないことですが基本的な手洗いの徹底と、なるべく人の集まる場所に行かないことを徹底し、いざとなったら車で人のいないところまで逃げるということも考えておかなければならない気がします。いちおう、車中泊の用意はして野外でも調理ができるような準備をしながら、いざという時には地域から離れるという選択にも備えたいとは思っていますが、せめて自宅周辺だけでは買い物ができて安全に自宅療養できる環境を維持できるように、感染症の流行を封じ込めていただきたいというのが偽らざる気持ちです。そのためには、会見では触れられませんでしたが、改めて検査体制の充実による診断のできる状況の到来を心底お願いしたいですね。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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