車での旅に持っていくバッテリーと言うと、どうしても家電製品を動かすためのサブバッテリーシステムだったり、持ち運び可能なポータブルバッテリーを連想される方が多いでしょう。かくいう私も、サブバッテリーシステムは組んでいないものの、大きさの違うポータブルバッテリーを2個所持しています。
ただ、そうして用意したポータブルバッテリーで何を動かすかというと、あくまで緊急時に使おうと思っているうちにほとんど使わないというパターンが意外と多いのです。ポータブルバッテリーの一つはインバーター内蔵で、最大出力400ワットという、旅行用のポータブルクッカーやポットを使えば湯沸しや炊飯までできるレベルの製品なのですが、そういう事に使ってしまうと一気に充電しておいた容量を使い切ってしまうので、いよいよの時に使おうと思いつつ使わないというわけなのです(^^;)。
こうしたポータブルバッテリーには車のシガーソケットから充電できるケーブルが付属していますが、充電が完了するまでずっと走り続けられないということもあり、長期の車中泊旅行において、常に万充電の状態で使い続けるのならば、電源の完備したオートキャンプ場か、手っ取り早くビジネスホテルで充電ということにしないとなかなか難しいものがあります。そうなると車内で全て完結するような感じの旅ではなくなってしまうわけで、そこまでこだわるならばお金をかけてサブバッテリーシステムを組むか、いっそのことバッテリーに依存することを極力控えるかという判断になってきます。
私の場合は、とてもサブバッテリーシステムを組む予算もスペースもないため、以前のアルポットや、エネループ・エボルタ充電池について書いたエントリーのように、極力家電製品に依存しないスタンスで考えるようにしています。ラジオやランタンなどは単三電池で動くものを選ぶことで対処していますが、さすがに困るのが携帯電話やゲーム機、スマートフォンなどの充電作業です。走行中にシガーソケット用のUSBアダプタを通じて充電が完了すればいいのですが、私の場合は複数持ちなので、一つのみ充電すればいいというわけでもなく、就寝時に複数の機器を充電したいということで選んだのがSANYOのエネループモバイルブースターシリーズの大容量リチウムイオン電池でした。
写真のものはかなり前に購入した古いものになりますので、ここからは現在売られている高出力も可能なKBC-L2BSについて書かせていただきます。この製品はUSB端子から電力を出力することができるので、USB経由の充電に対応しているものに限って充電可能です。製品の特徴として、写真のようにUSB出力の端子が2つ付いていますので、普通の携帯電話なら2個同時に充電できます。そして、100円ショップなどでPSP充電用として売っているコードを利用すれば、シガーソケットに差しこむUSBタイプのアダプタに繋いでこの製品自体も充電できます。途中で充電をやめたとしても、継ぎ足し充電が可能でポータブルバッテリーと比べればそれほど充電に時間もかからないので、気軽に使っています。従来のものは500mAしか出力がなく、スマートフォンの電源を入れながら充電が出来ない場合が現実としてありましたが、2つのうち1つのみを使うことで、従来の倍の1Aの出力を得ることができるようになりました。メーカーの方でもiPad・XPERIAなどの端末について充電可能であるとうたっているので(製品にはmicroUSBアダプタが付属します)、そうした端末の電池切れが心配だと思っておられるは、安心して導入できるでしょう。
こうした小型外部電源のメリットは、場所を問わず充電が可能と言うこともあります。ポータブル電源でも同じように充電が可能ですが、さすがにポータブル電源を持ったまま歩いて移動するなどということは現実的ではありません。電話でもゲーム機でも、このバッテリーを繋いだまま動くことができるので、ケーブルはあるものの、いわゆる予備電池の代わりとしても使えます。これは車中泊の旅特有というよりも、電車やバスなど公共交通機関を使っての旅の方がこのメリットを享受しやすいでしょうが、車の旅ではさきほど紹介したように車内で充電が可能であるということがありますし、さまざまなケースで役に立つと言うことならば、こちらのバッテリーの方が汎用性が高いと私は思います。他に面白い使い方としては、USB接続のLEDライトを接続すれば簡単なスポットライトになったり、USB接続の扇風機も動いたりします。あまり無茶な使い方はおすすめできませんが、日常生活でもいざという時に使えるバッテリーということで、持っていてもいいかも知れません。