お家芸奪還への鍵は「武者修業」にあるか

国際的に活躍する日本選手というといろいろいますが、注目される中で活躍できる選手というのは本当にすごいと思います。先日のテニス全米オープン女子シングルスで一気に頂点まで駆け上がった大坂なおみ選手は今後のテニス界をリードする可能性を感じますし、自らの不祥事でリオデジャネイロオリンピックをみすみす棒に振ってしまった、男子バトミントンの桃田賢斗選手は世界ランキング一位にまで上り詰めました。どちらの選手も相当な苦しい練習を行なう中で世界トップの実力を身に付けられ、賞賛の思いはここでは語り尽くせません。

ただ、かつて日本のお家芸と言われた種目において、日本選手が全く世界に通用しないという状況がある競技において、いかにして好成績を望むかということが2年を切った東京オリンピックに向けてのスポーツ界の課題であって、とても様々なスポーツ協会の内紛をしている場合ではないと思うのですが、実際に今強くなっている競技を詳しく調べていくと、一つのキーワードにたどり着きます。いわゆる「内弁慶社会からの脱却」です。

テニスの大坂なおみ選手は生まれこそ日本だったものの、テニス人生の殆どをアメリカのスクールで過ごしてきたわけで、ちょっとこれから書くことに当てはまらないかも知れませんが、男子の錦織圭選手は早いうちからアメリカに渡り、現地で世界から集まる多くの才能を持つ選手と切磋琢磨する中で実力を付けていきました。

バトミントンは国内リーグ中心ではあるのですが、実は日本代表のヘッドコーチコーチに韓国人の朴柱奉(パク・ジュボン)さんを招聘した決断が今の日本の強化につながっています。今までの日本の強化策と違うことを数々推し進めたことによって実業団チームからの反発もあったものの、バトミントン協会は朴柱奉さんの後ろ盾になって彼を守り、それが最近の日本のバトミントン躍進につながり、リオデジャネイロオリンピック後も本国である韓国からのヘッドコーチ招聘を断り、東京オリンピックまでの契約を継続することにもつながりました。

こうした事例に共通するのが、今までのやり方にとらわれずに新たなチャレンジをスタートさせ、夢が実現するまで続けるということにあると思います。実は今回いつものブログの内容とは関係ないスポーツの話を始めたのは、シカゴマラソンで3位に入り記録も2時間5分台という世界と十分に戦える記録を出した大迫傑選手の偉業について素晴しいと思ったからです。

日本とオリンピックのマラソンというと、日本が史上初めてオリンピックの出場を果たしたストックホルムオリンピックまでさかのぼります。日本マラソンの父と呼ばれた金栗四三氏は金メダルを狙って出場したものの、勝手の違う海外レースに調子を崩して途中棄権し、その後日本のマラソン強化のために箱根駅伝を開催するなど、日本マラソン強化のために尽力しました。その強化の甲斐あってか、当時の日本籍だった朝鮮半島出身の孫基禎選手のベルリンオリンピック金メダルはあったものの、いまだ男子マラソンは金メダルに届いていません。かつては金メダルに近づいた時期もありましたが、アフリカ勢が競技に本腰を入れるに従ってメダルのチャンスすらなくなっていった感じもあります。

さらに先日のマラソンに関するニュースの中で、2018年のベルリンマラソン男子マラソンで2時間2分の壁を破る驚異的な世界新記録を出したケニアのエリウド・キプチョゲ選手の話題がありましたが、大迫傑選手の日本新記録の前は2時間6分代が最高で、これはもう永久にアフリカ勢にマラソンではかなわないのではないかと思えてくるような絶望感を感じたのですが、今回のシカゴマラソンのニュースは日本選手がというよりも「非アフリカ勢」が東京オリンピックでメダル競いに食い込めるのではないかという期待を持つには十分でした。

大迫傑選手もいったんは日本の実行団に入ったものの、早くから日本の実行団の駅伝中心の練習が合わずに単身アメリカに渡り、マラソンでアフリカ勢に勝つための練習を辛抱強く行なってきました。個人的にはそこまでやってもアフリカ勢の身体能力にはかなわないのでは? と少し思っていただけに、最後までトップ集団に残り、最終的にも2時間6分を切る日本新記録とともに大会で3位に食い込んだのは、大迫選手個人だけでなく、アフリカ勢に本気で勝とうと頑張っている選手達にとっても、大変価値がある試合だったのではないかと思います。

ここまではかなりスケールが大きな話になってしまいましたが(^^;)、やはり日々の環境の中に浸かりながら事を成すよりも、一気に環境を変えることで飛躍的に人間は伸びることがあるということでしょうし、そうした環境をサポートする人と一体にならないと本当に良くならない状況がスポーツの世界においてもあるわけで、今後の自分の生活についても参考になります。なかなか行なうことは難しいとは思いつつも、今後は出掛けるチャンスがあれば積極的に旅に出たいですし、そこで何かまたブログの内容になりそうな事を見付け出せればいいなと思います。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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