楽天が新規参入する事と関係があるのかどうかわかりませんが、2018年5月9日から大手キャリアをまたいで利用できるメッセージサービス「+メッセージ」について様々な媒体の発表しているところからどんなものかということと、このサービスは使えるのかということについて考えていこうと思っています。
まず、このサービスは「LINE」にユーザーが移行している状況を何とかしようとして出してきたサービスだと言えるでしょう。海外でも使われているメッセージを送るための仕組みであるRCSを使って、電話番号に直接送ることで本人認証を省略し、ラインのようにスタンプを付けた吹き出し式のメッセージのやり取りができます(海外では今のところ使えないそうです)。なお、通信にかかる費用はSMSのように一通いくらではなくデータ通信の料金の中に含まれます。
・文字は2730字まで送信可
・写真、動画、スタンプ、グループメッセージ、音声メッセージは100MBまで
・100までのグループを作ることができる
・既読表示も付けられる
・現在地を送信可能
というように、ほとんどLINEのように使うことができますが、すでにLINEを使ってのメッセージを利用している人が多い中、あえてこのサービスを使うというのは、電話番号を通してのつながりがある人とのやり取りが主になるかも知れません。仕事上で付き合いがある人だとか、家族の間でもLINEの認証など細かいやり方がわからない祖父母や伯父伯母とのやり取りに使うことが考えられます。
具体的にはAndroidでもiOSでも(iOSの場合はアプリがサイト登録されるまでにAndroidより時間がかかるのでスタートのタイミングはずれる可能性あり)アプリを入れれば「+メッセージ」でのやり取りはできるのですが、メッセージのやり取りをしたい場合には送りたい相手のスマホにもアプリが入っていないと使えません。
ただ3つのキャリアのうちauの「SMS(cメール)アプリ」、ソフトバンクの「softbankメールアプリ」を最新のものにバージョンアップすれば「+メッセージ」の機能が使えるようになるそうです。自動でアプリのアップデートを行なっている人であれば、Androidのスマホ持ちでauかソフトバンクの契約をしている方であれば、知らないうちにメッセージを受け取れる状況が整っている可能性があります。今のところiPhone iPadやドコモでAndroidのスマホを使っている人の場合は、自分で専用アプリをダウンロードしなければこのサービスを使用することができないわけなので、すでに電話番号を知っている人であっても、メッセージが送れない場合があります。
この、メッセージが送れる人と送れない人については専用アプリを起動して「連絡先」一覧を出すと、相手の端末にアプリがあってメッセージ送信可能な人のところにはアイコンが出るのだそうです。ですから、「電話番号を知っていて+メッセージが使える人」を増やしていくことがこのサービスが普及するカギになるということでしょう。
私なりに使用状況を考えてみると、ビジネス上の付き合いはあるもののLINEのIDを知らせてもらうほとではない人との連絡手段に使うとか、ビジネス上で顧客の問い合わせやアフターサービスに使ってもらうとか、飲食店やホテルの問い合わせや予約に使うとか、それなりに考えれば電話番号は教えてあるがそれ以上のプライベートまでには入ってきて欲しくない(^^;)人にはこちらで連絡を取るようにするとかが考えられます。また、電話をする前にこのスタンプ機能を使って「これから電話していいですか?」「大丈夫です」といったやり取りを経てから実際に電話をするような使い方もありかも知れません。
個人的に気になることはさらに色々あるのですが、このサービスでメッセージを送ってもiPhoneの「メッセージ」とダブって送られることはないそうです。また複数端末を使っての利用は不可ですが、SIMなしやWi-Fiでも利用は可能とのことです(これらの話のソースはitmediaのニュースによります)。私の持っているAndroid搭載のガラホではプリインストールされているアプリが限られているので、キャリアの方でアプリをダウンロードできるようにしてもらわなければこのサービスは使えないことになり、今後のキャリアの対応が待たれます。MVNO利用のSIMフリースマホについても同じで、一般に向かってアプリが開放されるかというのも検討中という情報だけで、現状では今後どうなるかはわかりません。
もしSMSが使えるデータ専用SIMでも使えるのだとしたら、このサービスを使うためにはauの格安SIMを用意している業者と契約した方がSMSオプションがかからないのでお得に使えます。実際にMVNOで使えるようになったら、SMSオプションのないデータ専用SIMで使えるかどうかを念のため試しつつ、今持っている月額480円(税別)でSMSが付いているイオンモバイルのau回線のデータ専用SIMでも可能なら登録してみようかなと思っています。こうした音声通話のできないデータ専用回線で「+メッセージ」を使う場合、LINEのように「音声IP電話」「ビデオ電話」は使えないので、純粋に文字や写真などでやり取りをし、電話がかかってきて欲しくない知り合い用に(^^;)連絡方法の一つとしてデータ通信用SIMで「+メッセージ」を使えるようにしておくのもありかも知れません。
ただ、どちらにしてもLINEとSMSの中間としての役割として利用しようと思うくらいで、今後LINEにとって代わる存在になるかどうかというのは、まずは大手キャリアだけでなくMVNOでも使えるようにし、LINEのような付加価値を入れるだけでなくLINEにない新しく楽しい機能を付けるなどする必要があるでしょう。それとも電話番号さえわかれば直接メッセージが送れるということを生かし、ビジネスシーンでの利用に限られるようになるかも知れませんが。個人的には自分のガラホで「+メッセージ」が使えるようになったら、主に連絡手段が携帯電話しかない人用に使ってみようかと思っています。
iPhoneやiPadが専用アプリだという情報はどこのサイトでみたの?
専用アプリは必要ない
「iOS端末ご利用の方は、プリインストールされているメッセージアプリでの送受信になります。」
+メッセージ(プラスメッセージ) | サービス・機能 | NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/service/plus_message/index.html
コメントありがとうございました。
今回の内容を書くにあたって参考にしたのはサイトからの情報もありますが、iOSで専用アプリを別途ダウンロードする必要があるというのは新聞から(4月11日の中日新聞の朝刊)の情報になります。
リンクで紹介いただいた文章ですが、
「SMSにつきましては、Android端末ご利用の方は+メッセージアプリから送受信をすることができます。iOS端末ご利用の方は、プリインストールされているメッセージアプリでの送受信になります。」
とあります。引用いただいた前文のSMSの送信についてのことだと思いますので、上の文章はアンドロイドでは「+メッセージアプリ」を使ってSMSを送ることができるが、iOSの場合は「+メッセージアプリ」からSMSを送ることができないのでプリインストールされているメッセージアプリを使ってくれというふうに書いてあるように思えます。
さらに、同じページには「iPhone・iPadについては、準備ができ次第、サービス提供する予定です。」との記載もあります。
この点については、iOSとアンドロイドではアプリをダウンロードするためにはApp storeやGoogle Playのライブラリに掲載してもらう必要があるのですが、特にApp Storeに掲載してもらうにはGoogle Playに比べるとかなりハードルが高いということがあるらしいので、「+メッセージアプリ」を使えるタイミングもiOSとAndroidでは変わってくる可能性もあるとのことです。