テレビのニュースでは過去にはいわゆる「面白ニュース」的な扱いになっていると思われた東京渋谷のセンター街における「ハロウィン」においての騒ぎは近年になって規模が大きくなるとともに、今後の展望として大きな問題をはらんでいるのではないかと個人的には思っています。かつて、日本にサッカーのワールドカップがやってきた2002年、海外から試合の結果とは関係なく暴力を伴って騒ぐ特定の人物をマークして日本に入国させない「フーリガン対策」を行なった時、さすがに日本ではそんな事をする人は出ないだろうと思ったのですが、現在の状況を見るとハロウィンをはじめ大きなスポーツの国際試合の後などで渋谷を始めとする場所に繰り出して騒動を起こしたりして問題になることがごく普通になった感じがあります。
それでも今までは、十数年振りにプロ野球で日本一になったプロ野球チームの地元などで暴動まがいの盛り上がりが起こるようなことはあっても、恒例化するところまでは発展しなかったように思います。久しぶりの「おらがチーム」の優勝が暴動にまで発展するのは、過去に長く辛酸を嘗めた時期が続き、そうした時から溜め込んだエネルギーが爆発するような事があったように思います。もちろんそうした暴動も許されるものではありませんが、被害を受けた側も盛り上がっていれば不問にされるような認識もあったと考えられます。それが、一体何に対して感情が爆発するのかわからず、今までの日本での常識が揺らぐほどの暴動になってしまったのが、近年の騒ぎもそうですが今年のハロウィンを控えた週末の渋谷での出来事だったと思います。
今回の渋谷では軽トラックの荷台に乗り込んで盛り上がっている群衆がいたので運転手が車から降りて警察へ連絡をしたところ、実際に荷台に乗っていたのか周りにいただけの人なのかはわかりませんが軽トラックを横転させ、その上に乗って騒いでいた人が出たという事らしいですが、その時の事を撮影した動画を見ても誰が首謀者なのか、そもそも首謀者がいて起こされた行為だったのかもわかりません。この辺は群集心理の恐ろしさという風にも言えそうですが、これから毎年このような騒ぎが発生するのではないかと思うと、喧嘩や痴漢行為も頻発しているということですので、参加する人も付近まで出掛ける予定のある人も、十分な対策を取る必要があります。
個人的に気になったのが軽トラのその後なのですが、かなり酷いダメージを受けた軽自動車は自動車保険に十分入っていたとしても車両保険の中の保険金が支払われない場合の「戦争、内乱、暴動などの異常な事態によって生じた損害」に抵触する可能性があります。さらに上で説明した通り、誰が首謀者で誰が実行犯か特定しにくい状況の中では、自車の損害を弁償させることも極めて難しくなると考えられます。
軽トラは仕事がらみで現地へ入ったのかハロウィン目的で入ったのかはわかりませんが、今後は歩行者が入り乱れてどんなきっかけで暴動に発展するかわからないような場所へは車で乗り付けない注意が必要になってくるのではないかと思います。車で旅行中に今回のようなハロウィンではなくても人がとにかく集まっていて殺気立っている所があったら、早いうちにその場から立ち去るか、どうしても何が起きているか確かめたいと思っても、車が被害を受けないようなある程度離れた場所に車を停めてから様子を見に行くようにするのが今後の事を考えると無難なのではないかと思います。
それにしても、日本の風習にはなかったお祭りを利用して大いに仲間うちで盛り上がろうとするのは日本独自の面白さでもあったと個人的には思っているのですが、それが暴動にまで発展してしまうというのは、今の日本が相当なストレスを抱え込んだ社会になってしまったのではないかということを考えさせられます。
今後こうした流れをそのままにしておくと、恐らく2年後の東京オリンピック時の東京は更に凄いことになるかも知れません。ただ恐らくオリンピック時だけは日本の警察が威信をかけて抑え込むでしょうが、そうなったらそうなったで、正面から機動隊と喧嘩することを目的にした一部の集団がまぎれ込んでしまうなどの最悪のケースも考えられるだけに、オリンピック開催中の夜の東京では人の集まるところには立ち寄らないようにするなども配慮が必要な状況になってきたのではないかと思っています。