改めてEVを日本で普及させるために考えるべき「暖房」

大雪はその中心を東北地方に移しつつありますが、寒冷地で車中泊をする場合だけでなく、事故や通行止で雪の中立ち往生してしまった場合の対策について、それなりの用意をしながら乗るべきであるということは多くの方が考えていることだと思いますが、そんな話の中であまりこのブログで語ってこなかったのは「ハイブリッド車」「電気自動車」の立ち往生対策についてのことです。

ご存知の通り、電池を使って車を動かしている場合、夏の暑さ対策としてアイドリングをしなくても夜の長い時間エアコンを使って車内を冷やすことはかなり現実的な暑さ対策として使えます。今までは夏には車中泊は無理だとされていた常識が、十分にバッテリーの充電されたハイブリッド車や電気自動車を利用し、車中泊する場所に専用の充電ステーションがあるところならまず夏の暑さで寝られないということはないでしょう。これは、ハイブリッドがこれだけ普及し、電気自動車も普通に走っている今でなくてはできないようなことです。

ただ、そうした電気を利用したエアコンについては、車内の暖房をする場合に電気を多く使うので、一回の充電で航続距離を伸ばすためにはピンポイントの暖房で済ませるような形での解決策をしているメーカーもあります。エアコンを全開にして車内の空気まで暖めるということになると、化石燃料を燃やすだけで車全体が暖まる従来のガソリン車やディーゼル車のようには行かないというのが現状のようです。

電気自動車が走行中については運転者や同乗者が凍えるほど困るというわけではないのですが、もし今ある自動車が全て電気自動車に代わるなんてことが法律で決まってしまっている中国のようにこの日本もなるとしたら、インフラの整備はもちろん大切ですが、少なくとも雪で立ち往生したような場合でも何とか脱出できるだけの動力を残しながら車の中を電気で暖める方法について考えなければなりません。

車中泊前提であればエアコンを切って寝袋に入るなどすれば車内暖房を付けなくてもいいわけですが、ガソリン車のようにちょっとエンジンを掛けてヒーターを付ける感じでは暖かくなりません。その場合は例えばオプションで用意されているシートヒーターを作動させ、ひざ掛けや毛布一枚で体全体を暖めるという方法も取れますが、エアコンで車内の空気まで暖めようとすると電池の減りにも気を遣わなければなりません。

私もまだガソリン車に乗り続けているので真冬でのハイブリッド車や電気自動車の暖房がそこまで大変なのかという意識はそこまでないのですが、特に今はハイブリッド車から電気自動車への移行が言われている時でもあるだけに、この冬場の立ち往生した場合の防寒対策が電気自動車でどこまでできるのかという問題が解決しないと、全てのガソリン車との置き換えとしてはまだ不足する部分があると言わざるを得ません。

ただし、車中泊のためのグッズを車内に入れている場合はその限りではありません。車の中で電子レンジが使えれば、寝る前にゲル状の電子レンジで温める湯たんぽをレンジでチンしてから寝袋の中に入れて寝れば、一日中エアコンを付けなくても済みますし、電子レンジは持ち込めなくても電気ケトルでお湯を作って湯たんぽを作ることも簡単にできます。

お湯が火事の心配なく車内で量産できる環境というのはコンセントがあってそこから電気が使える電気自動車ならではのメリットです。さらに体の中から温めることのできる飲み物をトイレに起きない程度にいただいて、顔が寒い場合には目出し帽を付け厚手の靴下をしたまま冬用に潜り込むという感じである意味十分です。

個人的には車自体は今のままでもいいのではとすら思うものの、メーカーの方では室内エアコンのように車内を暖められるものを付けたり、外と比べて安定している快適な室内空間を実現するボディ内の工夫とか、そんな居住空間としての車の性能についても考えていき、冬の寒さにも対応できる電気自動車へと進化していって欲しいですね。


カテゴリー: 車中泊・車関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す