衛星通信とスマホを結んだネット・通話機能は常時使うというよりも災害時の無料開放に期待

現在、通信衛星を使ってインターネット環境を構築するには、コストコでも買えるStarlinkのキットを購入し、WiFiをスマホで使うような形で使うようにすれば、全く人のいない場所で車中泊をするような状況になっても、電源とアンテナの設置場所さえ確保できれば、携帯電話のエリアを気にすることなくネット通信を利用することができるようになっています。

このブログではそうした設備の必要ない、直接電波をスマホと衛星間でやり取りするような形を望んで色々と調べていたのですが、世界で行なわれている複数の企業が国内の4キャリアと提携するなどして、どのキャリアでも衛星通信を利用できるような状況は今後整いつつあります。ただ、料金がどうなるか? というのが気にかかります。

シビアな話ですが、衛星を打ち上げて基地局として運用するにはやはりお金がかかります。国内キャリアは自前でそうした装備を整えるのではなく、提携した企業のサービスを使わせてもらうということになるので、衛星通信を使う場合は、SMS(電話番号に直接送れるショートメール)のみなのか、通話・ネット通信を含んだりそれらを切り離した形でのプランが出てきてくれると個人的にはありがたいと思います。

個人的には、安くSMSだけでも衛星経由で使えるようになると、もしかしたら現在どのキャリアでも無料である受信にも料金が発生する可能性はありますが、今回の能登半島地震で全く地上の携帯基地局が使えなくなった場合でも、被災地以前から送られてくるSMSを即時受け取ることができ、簡単な生存確認だけでもその場で発信することができるようになります。これは、何も大きな災害の時だけでなく、山間部や海上(フェリーでの移動などでは特に)でネット利用はともかく、個人的な連絡が全くできなくなるというのは何とかならないかと思っているので、まずは各キャリアでスマホからSMSの衛星経由利用ができるように整備をして欲しいと思います。

衛星インターネット関連のニュースと言えば、長距離フェリーの中で大阪~志布志(鹿児島県)の航路の船にStarlinkの設備を載せて、利用客向けの試験サービスを行なうという話を聞きました。ネットの口コミなどを見ると、今まではフェリー船内でのインターネットというのは、無料Wi-Fiのサービスはあるものの、出港時くらいは使えていても、地上基地局から離れてしまうと使えなくなることが多いという話なので、国内を運行している多くの長距離フェリーで衛星インターネットが使える環境が整備されれば、長い乗船時間でもスマホだけでなくパソコンなども使いながらできることが増えるように思います。

スマホで直接衛星インターネットのできる時代はもうすぐだとは思いますが、やはりサービス開始時はそれなりにコストが掛かることは覚悟すべきです。そんな中で、災害時にはキャリアの方でスマホ単体での通話やネットまで含めたサービスを無料開放してくれたり、地上・海上でキャリアのエリア外になってしまうようなところでも、特定の場所(フェリー船内や公共の場所など)にStarlinkのような衛星ネット環境を備え、それを使わせてもらえるような環境をまずは作って欲しいと思います。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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衛星通信とスマホを結んだネット・通話機能は常時使うというよりも災害時の無料開放に期待」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    災害時には情報収集が自治体にとっても救援活動に欠かせない。SMSも通常のSMSは音声と同じシステムを利用すると思います。データシステムで利用出来るプラスメッセージの普及も必要だと思います。
    NTTも公衆電話事業とユニバーサルサービスの義務の廃止の方向に向かっているので携帯キャリアの役割は大きくなります。
    安否確認と言う点ではLINEの役割は優れています。既読システムは安否確認には効率的です。地方都市の方が自治体での導入が進んでいるようです。
    過疎地域の場合は基地局自体も自家発電機能を備える事が必要だと思います。自家発電機能を備えたキャリア共同の基地局の建設には災害対策費として税金投入も必要だと思います。
    個々のスマホに衛星通信に対応出来るのかどうか。利用周波数が地上基地用とは異なるのではないかと思います。
    衛星を利用したネット環境の確保にはやはり地上の基地局の整備は欠かせないと思います。
    移動基地局などの利用も考えられるのではないでしょうか。空輸出来るような設備で災害時に自家発電装置で利用出来る衛星ネット対応移動基地局の必要性を感じます。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタク さん コメントありがとうございました。

    今回の地震でもStarlinkが入って、スマホをWiFi接続でデータ通信だけは復旧できたということですが、それだと通話およびSMSは使用できないので、何気に親や親戚との間でLINEのIDを交換して、普段は止まっていても一応親戚のグループを作っておくだけでも、情報はそのグループ内に集まるので、便利だと思います。

    Starlinkを集落で用意する場合、当然ながら動かすためには電源が必要になります。災害用として発電機くらいは用意していても、発電機を動かすためのガソリンが手に入らないこともあります。その対策としては、小さなものでもポータブル電源とソーラーパネルはあればより過酷な環境下でも役立つと思います。

    ネット通信の場合、冷蔵庫のように24時間ずっと供給しなければならないものではなく、使える時に発信ができる準備がまずあれば良いと思います。そのうち、支援物資としてガソリンが来れば、発電機を動かしてポータブル電源の充電もできるようになるため、さらに状況は良くなります。普通のスマホでの低高度での衛星を使った通話は、先日楽天の三木谷社長が試していましたね。こうした使い方は常時提供というわけにはいかないでしょうが、5Gの基地局が衛星の中に入れば、手持ちのスマホの電池さえあれば外への支援をお願いするためにも早く連絡は取れるようになるでしょう。そういう意味からしても、今回の能登半島地震の教訓をとらえ、キャリア各社には衛星通信だけでなくドローンを上げて臨時基地局を作るとか、海上基地局などを臨機応変に設置して、災害時に連絡の手段が無くならないために今後の通信環境を整備して欲しいと思います。

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