安心して暮らせる世の中にするためには正すことはしっかり正して欲しいと思うところも

いつもは車中泊に関係ない社会問題などはこのブログでは書かないのですが、本日は私の地元である静岡市で起こった「袴田事件」の再審について、検察が最高裁に特別抗告しないことがわかり(2023年3月20日が特別抗告をするためのタイムリミットでした)、正式に再審が行なわれることになりました。

報道では再審になれば無罪は決まったようなもの的な話もされていますが、検察の方でもこうした決定に文句があれば、改めての裁判で白黒付けて欲しいと思っています。ただ、まだどうなるか完全に決まったわけではないとは言うものの、一旦厳しい取り調べおよび非取り調べの時間にもプレッシャーを掛けたことによる自白だけで死刑判決にまでなってしまった犯罪捜査の手段についても考えてもらいたいと思います。

私自身は事件について書かれたものを読んだりした程度ですが、一度、再審を求めている中での支援者の集いのような場所に出くわしたことがあり、そこで健気に弟の無実を訴える今回の被告袴田巌さんの姉のひで子さんのお姿を拝見したことがあります。私の住む静岡では昔から警察のかなり強引な捜査というのは知られていて、一時期数々の冤罪と言われる事件に再審の道が開かれ、無罪という結果を得ることになった「免田事件」や「島田事件」の裁判のような事もあったものの、その後なぜか、同じような「この事件は冤罪ではないか?」と思われるような事件においても再審への道はかなりハードルが高くなってしまいました。

袴田事件はまさにそのような中で何度も再審への道を閉ざされてきた歴史があるので、関係者や弁護団の方々にはここまで支援を続けた事には、ゆるぎない信念があったのだろうと思います。それでも、実際に裁判で死刑が言い渡されたということで、袴田被告を犯人だと信じている人もいて、こうした地域の中の歪んだ関係を生み出してしまった「事件」とは何だったのか? そんな事も再審の中で語られて欲しいと思いますね。

袴田被告については、「元プロボクサー」という経歴が犯人像を作り上げていく中で逮捕起訴へと進んでいったところがあるため、多くの世界チャンピオンを含むボクサーからも支援があることでも知られています。昔の「プロボクサー」に対する印象というのは今とは違っていて、今回の再審を求めた運動というのは、ボクシング界にとっても他人事とは言えなかったのだろうと思います。殴り合いとは言え、ボクシングは一定のルールの元で競われるスポーツで、だからこそ今でもオリンピック種目として続いているのだろうと思います。裁判では、ぜひこうした当時のプロボクサーについての偏見が今回の結果をもたらしたのかどうか? というような所にもしっかりと判断して欲しいと思っています。

私はいわゆる正義という言葉が好あまりきではありませんが、さすがにこの事件の流れを見ていると、きちんと公平に袴田被告が裁かれたのかという点では十分な疑問があります。逮捕したり起訴をする人たちの偏見によって不公平に裁かれる社会であれば、私たちは安心して生活をすることはできません。車中泊をしていると中には夜中に警察官による職務質問を受ける方もいるかも知れませんが、全く自分が身に覚えのない事で突然逮捕されるような社会になって欲しいとは思いませんし、きちんと自分の主張を聞いてもらい、裁判では検察に都合の悪い証拠を隠したりしないで、公平に裁かれる社会であって欲しいと思います。

しばらくして行なわれる再審の裁判は、こうした事をきちんと検証し、今後安易に人々の普通の生活を脅かすような出来事が起こらないような方向に進んで欲しいと思いますね。今回は地元の事件ということもあり、WBCの野球の話ではなく裁判の話をさせていただきました。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す