自賠責掛金の一部を目的外利用した上で自賠責保険料を上げる政策の先は

私たちがバイクを含む自動車に乗る場合に加入する義務があり、もし入っていない状態で車を運転していることがわかると行政処分の対象になる「自賠責保険」についてきな臭いニュースが入ってきました。

自賠責保険は国内の保険会社や共済組合が契約を集め、その中から国庫に入った分が対人事故の救済のために使われます。その支出金額に応じて保険料が決まるものだと思っていたら、必ずしもそうではない(?)ことがわかってしまいました。

今回の政府の発表によると、国庫に入った自賠責保険料のうち、将来の支出に備えて積み立てられた分の金額約6,000億円を国家の財政難を理由として一般会計に貸し出されているだけでなく、返済が滞っているということです。政府は返済計画を発表したものの、2022年度当初予算で54億円で、補正予算の積み増し12.5億円を加えても、66.5億円となり、全額返済するまでに100年近くかかるとのこと。

そんな状態なのに、2022年6月には自賠責保険に関する改正法が衆議院で可決され、保険料に含まれる「賦課金」が2023年度から拡充されることが決まったということです。車1台あたり最大150円と一台あたりでは大したことはなくても、実質的なドライバーの負担はこの物価高の中さらに増えることになります。

元々自動車を持つことに対しての税負担は、自賠責保険料だけでなく重量税・自動車税、さらに消費税との二重加税となるガソリン税についても、ドライバーの負担は大きいということは車を運転している方にとってはおわかりでしょう。私の場合たまたま今の時期が2年に一度の車検なので、次回の車検では有無を言わさず負担増になるわけです。

もちろん、政府には政府の言い分があるわけですが、予想外のロシアのウクライナ侵攻によるガソリンや小麦などの世界的な高騰もあり、生活費の負担で多くの人が苦労する中で、将来を見ていくと日本の自動車産業が大きな影響が出るのではないかと危惧するのです。

それでなくても現在は自動車・バイクの新車というのは今までのガソリンエンジンからハイブリッド車・電気自動車・水素自動車にシフトしてきており、その車両価格だけでなくメンテナンスに必要な部品代も増える可能性があります。自動ブレーキのような安全装備についても、きちんと整備しておかないと誤動作することもあるかも知れないので、今よりも車検による検査項目は増えるでしょう。

これから自動車運転免許を取得すべきかどうしようか考えている若年層の中には、一生車を購入して運転することについての事故および金銭的な負担額を考えると、車の所有および運転を控えるような流れになっており、またこうしたニュースで常にドライバーから税金を取るような政府の方針が明らかになってくるにつれ、今よりさらに車が売れなくなる(車を運転しないという人生を選択する)未来が予想できてしまいます。

人生から車のない生活を選ぶとなると、買い物でも大型店に行って大量買いのようなことはできなくなるわけですから、今よりもネットショッピングで済ますような事が増え、単に車だけの問題ではなく社会構造の変化についても考えなければいけません。

そうした状況があるからこそ、無人運転の車を開発することで、自分で運転しなくてもタクシーとバスの間くらいの金額で移動ができるようになればまだいいのですが、そうならなかった場合には今よりもさらに人口が公共交通機関が整備された都市部に集中することになり、田舎に人が来なくなってしまうかも知れません。特に田舎では軽自動車(軽トラ)を中心に車がなければ生活できないような状況ですので、軽自動車まで高額になり、さらに整備・部品・車検費用が年々増えるような事が続けば、果たしてどうなっていくのか? そんなことを考えた上でドライバーの負担について、立ち止まって考えてくれる人がいないのかと思ってしまいます。今の世代は車無くては生活できないと思っている人が多いので税収は見込めると思いますが、そもそも車を運転しない人にとってはいくら車に税金をかけても無意味ということを考えていただきたいですね。

カテゴリー: 車関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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