またテレビを見ていたら出てきた0570から始まるナビダイヤルの案内に物申す

有名人の訃報というのは少なからず社会に影響を与えるもので、昨日朝に入ってきたお笑い芸人でダチョウ倶楽部の上島竜兵さんの訃報は大変ショッキングなものでした。昨日未明にご家族が発見して病院に行かれたようですが、一部では自死という情報もある中で、ご家族の無念さはいかばかりであったかと思います。こうした報道は少し前の俳優・渡辺裕之さんの訃報とも連鎖しているのではないか? と考えることもできるのですが、特に有名人がこうした事でなくなってしまうと、後を追って自分もと考えてしまったり、そうした衝動で実行してしまうケースが無いわけではありません。上島さんのご冥福をお祈りするとともに、ご家族や周辺の方々、そしてファンの方々はぜひとも心を穏やかに接し、さらなる連鎖が起こらないことを祈念いたします。

そうした事を考える中で、やはり大事だと思うものにこうした状況を報じるマスコミの伝え方というものがあるのではないかと思います。今回の上島さんの場合は、マスコミ関係者が自宅前に集まって報道するような事があったようですが、こうした事は後に残されたご家族を不安にすることにもなり、ある意味で連鎖の引き金になる可能性があります。そうした昔のテレビのような取材方法をしているのは、今の時代に何だろうと思うこともありますが、さらに私がテレビを見ていて思ったことがあります。それが、悩んでいる本人や家族などが具体的に相談できる電話番号を案内しているその内容でした。

もちろん、報道の最後に小さなテロップで複数の相談窓口として紹介するだけなので、テロップに表示できる内容に限りがあり、その中で番号を見てすぐ電話できる番号として紹介していることは確かです。私が朝見た番号は「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」の連絡先だったと思うのですが、全国あまたにある拠点に1つの番号でつながる番号を案内するということで、複数の電話番号の中から自分の地域にある施設を調べなくてもすぐつながるというメリットが有り、小さなテロップに紹介するのも仕方がない気がします。しかしその代表番号をなぜ0570から始まる「ナビダイヤル」にしなければならないのか、特に人間の命に関する電話番号だけに、単に有料なだけでなく、携帯電話の定額オプション契約の対象外となる番号だということを認識し、情報を提供する方だけでなく、情報を伝える方としても、もう少し考えて欲しいのです。

例えば、自宅から電話は掛けられず、携帯電話も持っていないお子さんが思い悩んで電話をしたいと思った場合、最近では数少なくなった公衆電話を使って掛けようと思ったとしても、お金がなければ相談を待つ間に料金不足で電話は切れてしまうでしょう。携帯電話を持っている方でも、ナビダイヤルは通話定額オプションの対象ではありませんので、掛けた分だけ通話料が青天井式にかかってしまいます。経済的な問題で悩んでいる人がこの番号を見てナビダイヤルの仕組みを知っていれば、掛けたいと思っていても、掛けることを躊躇してせっかく電話の向こうで相談を待っている有能な識者がいたとしても、その人については役割を果たせないことになってしまうかも知れません。

ナビダイヤルの問題についてはこのブログで問題視しただけでなく、一部のマスコミでも問題提起があったことで、以前よりも知られるようになっていると思うのですが、今回の報道を流す送り手側にそうした状況をわかっている人が全くいなかったのか? というと、そんな事はないだろうと思います。なし崩し的に上から出せと言われてテロップを出したということなのでしょうが、その前にもう少し考えて、一つはフリーダイヤルで受付してくれる団体を出したりした方が良いのではないかという話があっても良かったのではないかと0570から始まる電話番号しか書かれていないフリップを見て悲しくなりました。

朝第一報を聞いてから、午後になり時間の経過とともに、ようやくテレビでもフリーダイヤルの利用できる相談先や、LINEで相談できる窓口なども出てくるようになりました。こうした事から、全てのテレビ局が全く何も考えないで情報を出しているということではないことはわかるのですが、また何か起こった時に同じような事が起こらないように、いくら出せと言われているものでも再度確認し、本当にその情報はそのまま出してしまってもいいのか考えてから、必要に応じて変えて出すくらいの事がどのテレビ局でもあっていいのではないかと思います。

今回の報道にあたって、故人を偲んでコメンテーターやMCの方々がお話される事については神妙に話されれば話されるほど、平気でナビダイヤルだけが書かれた相談窓口の書かれたテロップを出した瞬間に、結局はこの報道も深刻に自分の命の事を考えている人に寄り添ったものではないのだなと思ってしまいます。まずは、こうした報道の形を変えることについて、マスコミの方々には色々と考えて欲しいところです。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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