LINEMOの「ミニプラン」はUQモバイルだけでなくY!mobileの格安プランも潰す可能性も

ドコモがahamoを出してきたのは、政府からの要望もあり、目安として月3,000円弱でそれなりにオールマイティに使えるプランとして最初にアドバルーンを上げ、他のキャリアもahamoに追随するようにpovoやLINEMOという別ブランドで対応してきたのですが、ここに来てahamoやpovoと比べるとちょっと勢いが弱い感じのあったソフトバンク系列のLINEMOが次の一手を出してきました。それがLINEMOの「ミニプラン」です。

LINEMOはどのプランでもLINEを使っている分にはデータ通信量が減ることなく使えるので、ミニプランでもLINEのトークや電話・ビデオ通話を使ってもデータ量に影響を受けません。その上で、毎月の高速クーポンを3GBまでとし、さらに高速クーポンを使い切った後の低速を最大300kbpsに制限したもので、これはまさにUQモバイルの「くりこしプランS」、ワイモバイルの「シンプルSプラン」と同じ(ワイモバイルの方は10分までの定額通話料込なので月額が変わります)ポテンシャルで、各種割引をしなくても月額税込990円で使えるというのです。

これは、3GB未満までなら980円という料金プランを持つ楽天モバイルに対抗すらためというよりも、全く同じようなデータ通信の内容で「くりこしプランS」を月額税込1,628円で提供しているUQモバイルにとっては脅威でしょう。UQモバイルでは「UQでんき」とのセット割で「くりこしプランS」がLINEMOのライトプランと同額の税込990円になるものの、家の電気会社をUQでんきに変えられない環境の方もいるわけですし、ソフトバンク回線であるということと、若干の仕様変更ににこだわらないようにしてLINEMOに移れば、かなりの月額を節約できるということになります。

また、現在ワイモバイルのシンプルSプランに入っている人でも、あえて通話定額が入っていて割高なプランを続けるよりも、通話の中で友人に掛けるのはLINE電話に移行することで、毎月の通話料がかからないならLINEMOのミニプランで十分だと思う人も結構いるような気がします。その点でもよくこんなプランをLINEMOが出してきたなと思います。

ただ、あえてLINEMOとUQモバイルの違いについて書くと、電波の違いの他に一番大きいのは、「データ翌月くりこし」と「専用アプリで高速と低速の切り替え可能」ということです。LINEMOもワイモバイルもデータは毎月の使い切りで、月の高速クーポンを使い切った時に最大300kbpsに制限されるのですが、UQの場合は高速クーポンを残したままあえて低速の最大300kbpsで使っていて、必要に応じて高速クーポンを使い分ける運用が可能です。

さらに、使い切れずに余った高速クーポンは翌月末まで利用可能なので、より無駄を抑えて使うことができます。現在私が使っているUQのくりこしプランSでは、ちょっとした動画やradiko・音楽ストリーミングを利用する際にはあえて低速に切り替えて使っていますが、バースト転送機能があることも大きく、日常的なスマホ利用でストレスを感じることなく、さらに高速クーポンを残したままで使えます。LINEMOの制限時300kbpsにはバースト転送機能がないという話なので、高速クーポンを使い切った後に一気に使いにくくなる可能性はあります。

自分でデータ通信速度をコントロールできるUQのような利便性を取るか、現在UQのヘビーユーザーなら悩みどころでしょう。ただそうした事は全く考えずにアプリから速度をいちいち切り替えずに使っていて、結果として月3GBもデータ通信を使わない(つまり、繰越分をまるまる使わないで無駄にしてしまう)ということなら、有無を言わずLINEMOのミニプラン(電波の状態に問題がなければ)という解釈でいいのではないかと思いますね。

今後、LINEMOの発表を受けて、特にUQは値下げをするのかどうかという点も注目ですが、UQでんきとのセットで税込990円と出してしまっているところからして、LINEMOのミニプランと同額ということはまずないでしょう。ただ、今回の発表によって自社のライトユーザーが回線から出ていってしまうということになると、何らかの対抗策を考えなければいけないのではないかと思います。例えばくりこしプランSよりさらにライト使いの人をターゲットにしたくりこしプランSSというような形で出してくるなら、個人的にはそちらの方に興味があったりします。

ワイモバイルについては同じ系列内での移動だから回線的には減ることはないので大丈夫なのでしょうか? ただワイモバイルからLINEMOに移る数が増えると、通話定額分がまるまる減収になるわけですし、今後寝た子を起こすようなプランがUQから出てくるとLINEMOも影響を受けるかも知れません。その点からもよく思い切ってLINEMOがこんなプランを出してきたと思いますね。ただLINEMOはテレビコマーシャルの露出もけっこう多いですし、UQが新しいプランを出す前に一気にライトユーザーを引き抜こうという腹づもりなのかも知れませんね。ともあれ、それなりに使えるライトプランというのはメイン使用でなくサブ回線的に使うにも結構いい場合があるので(特に回線トラブルの場合を考えソフトバンク回線のデータ通信SIMを持ちたいと思っている方には良いのでは?)、今回の展開には期待したいです。

カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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LINEMOの「ミニプラン」はUQモバイルだけでなくY!mobileの格安プランも潰す可能性も」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    LINEMO3Gプランの影響が大きいのは多くのMVNOではないでしょうか。3G990円と言うのはOCNの新プランを意識した設定だと思います。
    通話定額が必要かどうかは人によって違いますが、楽天モバイルとデュアルSIMで併用と言うのも面白いと思います。音質はさておいて一応990円で通話定額が可能でrakutennLinkに問題が生じてもLIENMOで有料とは言え通話も可能。
    ワイモバイルとLINEMOは店舗の有無で差別化を図っているようですね。通話も重要なシニア層はワイモバイル、通話の重要性が低くネットでの対応にもなれている若い層がLINEMOと差別化されているようです。
    デュアルSIMが浸透していないから良いものの楽天モバイルは自分のように無料でメリットだけは享受すると言うユーザーが増えたら大変だろうなと考えてします。
    やはり草刈り場となるのはドコモユーザーでしょうね。名前で商売しているドコモには厳しい状況になっていくと思います。
    個人的には自宅大規模マンションでJcomが320Mで電話付3,360円と言う特別料金が設定されたので加入してしまいました。VDSLの光回線より安く快適です。かなりNTT光からも乗り換えるユーザーが多そう。別荘兼海外で1回線をahamoに変えるか思案中です。
    mineo1.5Mbpsさえ不要になりそうです。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタク さん コメントありがとうございました。

    今回のLINEMOのライトプランの凄さは、回線品質(高速クーポン使用時)が大手キャリアとほぼ同じて平日昼間でもスピードが落ちることがないということです。MVNO各社にとってはきついところですが、回線がソフトバンクということで、他の回線を使っている人にとっては端末をどうするかということが問題になるでしょう。SIMフリースマホで複数のSIMを使えるスマホを持っているなら、相性的には昼にスピードが落ち、昼時間に使わないと宣言することで夜間フリーを獲得できるmineoだったりします。mineoをデータ専用SIMの月1GBで契約するとLINEMOのライトプランと合わせても2千円ちょっとで、さらに通話用に楽天SIMをほぼ通話専用に使えば、mineoをdocomoかau回線にすれば、どちらかが使えなくなってもそのバックアップ回線として機能するでしょう(その場合はもう一台の端末を用意する必要があります)。
    ちなみに、LINEMOでは最初の一年間は通話定額オプションが無料になっているようですが、シニア層でソフトバンクの端末を持っている方なら、このプラン単体で使えば安いし使い勝手もいいし、移らない理由はなさそうです。通話定額オプションについては、一年間でLINE電話と通常電話の通話回数と時間がどのくらいの割合になっているかが目安になるでしょう。
    そう考えると、自宅の回線を安定して高速で使える環境さえ作っておけば、モバイルについてはそこまでお金を掛けなくても良いという流れにもなってきそうです。それにしてもマンションのインターネットは安いですね。今後は新型コロナ後の世界の中で、海外でも国内で契約したSIMをそのまま安く使えるかどうかということも選択肢の一つとなりそうです。個人的には、どこかが通信衛星を基地局として使用できるようになってくれれば、国内国外問わず同じプランでできるような可能性も出てくるので、そうした流れについても注目しています。

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