山間部への旅は国内山間部の状況変化を把握してから

ここのところ全国の里にクマが下りてきたり、ハイキングコースにクマが出没したりといったニュースが出てきています。私の住む静岡県では静岡市と焼津市との境にある満観峰ハイキングコースの鞍掛峠付近で目撃情報があり、びっくりしましたが、石川県加賀市のショッピングセンターに侵入したケースや、福井県敦賀駅近くの新幹線の工事現場での対人被害(工事関係者)など、北陸地方において、かなりの出没例や被害も出てきてしまっていて、そちらの方も心配になります。

こうしたニュースはここ数年でめっきり増えているような感じがしていて、専門家は山にクマの食料となるどんぐりがなくなったので降りて来たというような説明をする方もいますが、クマが山から降りることを躊躇するような障害がなくなっているということも見方としてはあるのではないかと思います。

例えば、クマの天敵になるかはわかりませんが、野犬の類や飼われている犬でもリードを付けて散歩することが常識になったので、犬が自由に歩き回れない状況がクマなどの野生生物の侵入を許す一因になっているのではないかという考え方もあります。今回の話はそうした要因だけでなく新たな心配される状況の変化についてです。

動物にとって一番の天敵は人間だろうと思います。よく毎年あるのが、山に入ったところ熊に出くわした人の話ですが、人によっては一喝だったり道具を使ったり、さらには投げ飛ばしたりしてクマを撃退した武勇伝がニュースで報道されることもあったのですが、今年はそういう話がなく(山間部に住む人も例年より外に出て仕事しなくなった?)一気にクマが里に降りてきてしまったというような感じもあります。

そう考えると、やはり今年は年明けから新型コロナウィルスの侵入によってお出掛けをする人が減ったことと関係があるのかということも考えてしまうのですね。山の中で暮らす人はそれほど変わった行動をしていなくても、山の中の生き物からすると、明らかに人間と遭遇する機会が減っているのではないでしょうか。そんな中、さらにレジャーで山に入ってくる人が減っていき、皆無に近くなった状況というのは、単に自分の縄張りが広がったと感じているのかも知れません。そのまま人の気配を感じることなく移動していて、里に降りたところで食べ物に不自由しない場所(目撃されたショッピングセンターのバックヤードや工事現場の事務所などクマの餌になる残飯がある場所)にたどり着いてしまったという事も十分に考えられるのではないかと思いますね。

新型コロナウィルスの影響があと数年続くとする見方がありますが、もしそのくらいの期間に山の中に入っていく人が地元の人など限られた人になってしまった場合、単に自分の縄張りが広がったということでその中で完結してくれていればいいのですが、例年なら観光客が訪れていても、人の気配すらなくなった場所まで縄張りと認識してしまうようになったとしたら、自粛明けで人が出掛けた先でクマと鉢合わせする可能性が大きくなるのではないかという心配があります。

なかなか人の監視というのは難しいとは思うのですが、これだけ平野部でもクマが出てくるということになると、クマ被害を減らすために何かやってもらいたいところです。山小屋やキャンプ場、山の中にある名所、道の駅あたりでも監視カメラの分析をし、クマの出没情報を定期的に発表することで、今までクマが出ていない所にもクマの行動範囲があるという可能性を多くの人に知らせて欲しいと思います。今後はそれほど山の中ではないキャンプ場でもクマの心配をしなくてはならなくなるかも知れませんし、管理をする方々にとっても大変だとは思いますが、テントで寝ていて熊に襲われるような事も自粛明けの状況の中では出てくるかも知れません。

そういう意味では車中泊というのは、きちんとロックして寝ればさすがにクマでもドアを開けて入ってくることはないでしょうし(海外ではロックしていないドアを開けるクマの動画もありますので就寝時のロックを忘れずに)、車が襲われてもクラクションを鳴らして威嚇した上ですぐに移動することはできますが、引っかかれたり突進してきた事によって壊れた車両は、保険を付けていてもクマに損害賠償は請求できないので(^^;)基本的には自己責任で、オールリスクタイプ(一般の車両保険)の車両保険を掛けていないと自己負担になることは承知の上で出掛けるようにしましょう。今後は全国でのクマ出没情報にも気を付けておこうと思います。


カテゴリー: 旅コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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