車中泊徒然草+

車中泊をするための車選び その3 今の車で強引に車中泊をする場合の条件

前回までの2回で車中泊をしやすい車を選ぶという観点からいろんな車種を挙げて書いてきましたが、実際問題自分の好きな車を自分で選べるという方はそんなに多くないのではと思います。家族の都合もあるでしょうし、予算との兼ね合いで理想とは違う車でも乗らざるを得ない場合が多いでしょう。

私が今乗っているのはホンダ・フィットのガソリン車ですが、この車は一応車中泊しやすい車の中の一つと言われています。後部座席を前に倒し、広大なスペースを作ったらその空間の対角線に寝るようにすれば、だいたい身長175cmくらいの人なら一人で快適に寝られます。

ただ、車中泊の旅に出ると後部座席はいろんな荷物が載ってしまっていると思うので、シートアレンジを変えて荷物も移動させてというのがめんどくさくなると、単に車の座席を倒しただけの状態で長時間寝るような形になりがちです。これは、実は体にとって危険な事なのです。

過去に起きた大きな地震で罹災した人の中には、避難所に入らずに自分の車の中で、上記のような状態で何日も車中泊を繰り返した時に体が圧迫され、「エコノミークラス症候群」による血栓ができた人が多く出たことで、安易に車中泊を行なうことの危険性がクローズアップされました。どうしてもシートを倒すだけの形で寝るようなことになったとしても、まずは外に出て体を十分に伸ばした上で、眠気も収まると言われる15分程度の仮眠に留めた方がいいのではないかというのが個人的な考えです。

私のフィットの場合、そうした状況も十分に考慮して、何とかして自宅での就寝環境に近づけようといろいろ模索してみました。この時の模索した結果が旧ブログの方にアップされているので興味のある方にはぜひ見ていただきたいのですが、これと同じ状況というのはいわゆる車中泊に適さない車でどう車中泊するかという事の参考になるのではないかと思います。

http://syachu.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/b24-cotoemvoyag.html

小道具としてアメリカ産のパイプを組み上げるコット(キャンプベッド)のB24.cot(旧商品名は「ボイジャーコット」)を使い、邪魔になる座席の部分はコットの足をわざと組まないことで解決しています。

http://syachu.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-9a40.html

また、同じように前後の座席をつないでそれほど出っ張りができない車ならわざわざ足を外さなくてもそのまま設置できます。上記リンクで設置したスズキ・Keiなどは、一般にはとても車中泊には適さない車と評価されるものではないかと思いますが、私はこの車でゴールデン・ウィークに東北へ車中泊の旅に出掛けました(^^;)。

車中泊の旅をするのに、漠然と「まず車を買い換えないと」と思っている方も、今ある車で快適に車中泊する方法を模索するという選択もあるという事をまずは理解しましょう。さらに、こうした方法での車中泊でいいのなら、前回までに紹介したようなフラットな空間を作れる車でないとダメという考えを撤廃できるので、走りや燃費を重視した車を選ぶこともできるようになるでしょう。

このように、車中泊しやすい車は自分の工夫で何とかするという力技も十分に可能であるということも考えながら、このページを読まれた方一人一人が自分なりの車中泊環境を作っていっていただけると嬉しいです。

※「車中泊をするための車選び」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 車中泊専用に仕立やすい車
その2 そのままで車中泊が可能な車
その3 今の車で強引に車中泊をする場合の条件

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