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これからの銀行は大丈夫なのだろうか?

国内大手の銀行で、今のように通帳を発行する預金者については口座維持手数料を徴収するような話が出てきていますが、すでに行なわれていることに各種手数料の値上げがあります。具体的にはATMの利用手数料や振込手数料、さらに両替手数料も値上げの動きがあります。

こうした動きは銀行の収益が上がらない現状では仕方ない部分もありますが、今後銀行のあり方について考える中で、先日紹介した地方の過疎地の店舗が無くなるどころの話だけでなく、このまま多くの銀行が残っていくのだろうかという漠然とした不安にもつながっていきます。

振込手数料が高くなるということは、例えば通販で物を買う場合、現金で購入する場合に不利になるわけですが、今でもクレジットカードの一回払にすれば振込手数料を払うことはなくなります(お店が悪質で、製品でない「石」などを送りつける詐欺商法を行なっている場合には品物受取後の現金振込が安全ではありますが、ここでは普通に通販で購入する場合に限って考えています)。

また、今では大銀行でなく後発の通帳を最初から作らない銀行にしておけば、手数料自体がかからないような形で利用できるところもあるので、既存の銀行から乗り換えられてしまう可能性も考えておかないといけないでしょう。

そして、「両替」の手数料について考えてみます。みずほ銀行の場合、今月からは銀行口座がある人のみのサービスになり、30枚以上の両替は一回324円かかるようになるそうです。三菱東京UFJ銀行の場合は4月からになりますが、口座がある人には10枚まで無料なものの、口座のない人や11枚以上の両替の場合は一回540円の手数料がかかるそうです。

そもそも現金による取引きを行なうからお釣り用として両替の手続きが必要になるわけで、お店の方で現金での取引きを止めて電子マネーだけの取引にするところが増えたら、銀行としては両替の手数料すら期待できなくなるわけです。2020年を控えて海外からの観光客を受け入れる中、電子マネーの決済についても相当普及することが考えられますので、大手都市銀行がゴミ以下と軽蔑することもあるかも知れないわずかなお金を預けている個人利用者がこぞって大手銀行と決別して、その流れが国民に広く知れわたった時、今の銀行はどうなるのでしょうか。

唯一の現金を使うことのメリットである、「お金をいつどこで使ったかを特定されにくい」というものも、政府が主導するマイナンバーの普及によってたどられてしまうとなれば、むしろ使い道を明らかにした上で現金を持たない使わないという人たちに取って替わられるのではないかという気もします。

さらに、お金を借りたいという銀行にとっては最大の収益の柱の事業に対しても海外から新しい風が入っていています。バングラデシュ発祥のグラミン銀行が日本での営業開始を目指して活動しているということがニュースになりました。「貧しい人に」「無担保で」「少額を貸し出す」(その代わり、人数をまとめた「組」を作り、一人支払いができない場合は組全体で返済の義務を負うという仕組みだそうです)という事はどれも日本の銀行がやってこなかった事であり、今の銀行にしがらみのある人は仕方ないにしても、全く銀行と付き合いのない人がSNSなどのネットで「組」をつくり、その組の中で相互補償をするという前提のもとで新たな事業を起こすということがこれからは一般化されるように思います。

そんな時代の中、単に手数料を上げることだけで今の銀行が生き残っていけるほどこの世の中は甘くないのではないかと思います。こうなると、「顧客の理解が得られていない」からといつまでも通帳の発行をするよりも、口座維持手数料を取ることを本気で考えたり、口座の中味はネットによる確認とユーザーの印刷で済ます代わりに口座維持手数料のない普通預金をメインにして新たな方向に行くようなところでなければ、なかなか続けるのは難しいのではないか? と思います。恐らく、このブログを読んでいる方の中にも、通帳を作っているだけで毎月手数料を取られる銀行なんてとんでもないと思う方もいるかも知れませんが、少なくとも「ゼロ金利」政策がこのまま続くなら、その分のとばっちりを受けるようになるのも仕方ないところです。庶民は自分の生活は自分で守らなければならない厳しい時代に入っているということも理解しながら、通帳のない預金に今年からでも慣れていくためにどこかの銀行に口座を開くというのも生活を守るためには大切なことだと思います。

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