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固定電話はなぜ「ナンバーディスプレイ」を無料で提供できないのか?

いわゆる「振り込め詐欺」の被害について、最近こそ報道も少なくなっていますが、私が登録している地方警察署のメールマガジンではそれらしい電話が近所にかかってきた事がメールで回覧されているので、まだそうした電話はそれほど狭くない範囲でかかってくるのだろうと思われます。

その被害の多くは自宅にある固定電話の番号を狙ってきます。実はインターネットを見ると、どういう経緯で出たのかわかりませんが、全国の電話帳をそのままコピーして掲載したと思われる個人名と住所・電話番号のリストが削除されることなくネット上に挙がっています。今も電話帳に名前を載せている方が周りにいたら、その氏名で検索を掛けると詳細が確認できると思います。

ということは、詐欺のための電話を掛ける方は自宅や事務所から動かなくても電話を掛けるためのデータを入手することは容易になっており、今後もこうした電話は減ることはないと思われます。

そうした電話について、撃退機能を持っている電話機もありますが、そのほとんどは電話機に相手の電話番号が表示されることを前提にしています。いわゆる「ナンバーディスプレイ機能(NTTの場合ですが他社でも同様のサービスがあります)」というものです。

ちなみに、固定電話を使わずに携帯電話を使っている人にとってはナンバーディスプレイは追加料金を払わなくてもサービス開始時から標準サービスになっていて、自分の電話の画面には常に掛かってきた先の電話番号が表示されるので、あらかじめ電話帳に名前を登録しておけば確実に誰から掛かってきたのかわかるとともに、登録した覚えのない電話番号から電話が掛かってきた場合取らないで留守電にするという選択をすることができます。

しかし、現在電話がIP化されているひかり電話でさえも月額料金のかかるがナンバー・ディスプレイを利用するのにかかっています。前日のエントリーで今の非光でんわをどうするかという事のニュースを調べたところ、自宅内の設備はそのままで交換機の部分をIP化して今までの電話機もそのまま使えるように2025年くらいまでに内部移行するという政府の有識者会議の答申についてのニュースを見付けることができました。まだ正式な決定ではないようですが、昨日のニュースではそうした移行にともなって距離別の料金もやめて、一般電話同士なら市内通話と同額で話せる料金で提供したり、大手3社間の移行については番号ポータビリティも実行していくという話題も確認することができました。

しかし、問題なのは振り込め詐欺対策としては有効と思われるナンバーディスプレイサービスを基本料金に含めるか否かという事についてはそんな話をニュースで読んだり聞いたりすることがないので残念です。

昔の電話機でナンバーディスプレイサービス用の信号を受けると電話機が誤動作するケースも有るという話もあるので、無料の申告によるオプションサービスとしてユーザーが電話機の機能に応じて利用できるように、2025年の固定電話IP化と同時に料金大系を変えるようなことはできないものでしょうか。

一部にはナンバーディスプレイを利用していないユーザーから、料金を下げろというクレームが入るのが恐いから有料オプションにしているのではないかという話もありますが、それよりも多くの金額が詐欺によって奪われている現実もあるわけですから、ユーザーの理解を得やすい設備更新というタイミングに合わせ、さらに市外通話の通話料が下がるというメリットも固定電話のユーザーは受けるわけですから、時期を選べはそれほど大きな問題は発生せずに済むのではないかと思うのですが。

それとも、詐欺に合うのではないかと不安に思うユーザーから有料オプションで料金を取り、それを利益として計上しないとまずい理由でもあるのかと疑ってしまいます。もしこのまま2025年以降も固定電話のナンバーディスプレイが有料オプションのままで変わらないことがわかったら、固定電話そのものを解約して月二千円くらいでも時間無制限の通話プランがあり、番号もしっかり通知される携帯電話のガラケーの契約に移行するのが本気で振り込め詐欺の被害を避けるための自衛策になるような気がします。携帯電話メーカーの方でも通話SIMを直接挿入し、家の電話としても使えるような家用の携帯電話と言われるような新製品を迷惑電話撃退機能付きで出せばかなり売れると思うのですが。MVNOを含むどこかのメーカーが動いてくれないかなとも期待してみるのですが。

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