車中泊徒然草+

多発する山火事と火器使用時のマナーについて考える 日帰りレジャーや車中泊でのお湯・調理の方法について

2021年2月に栃木県足利市で起こった山火事の原因についての報道がありましたが、最初に火の手が上がった場所は山中にあるハイカーの休憩場所だったのではないかという指摘がありました。そこには休憩用のベンチが置いてあったということですが、もしそこで誰かがライターなどを使用したり、まさかとは思いますが調理や湯沸かしのために火器を使ったり、焚き火をしていたとしたら、乾燥している空気が強い風とあいまって火が燃え広がってしまったということも十分に考えられます。

また、同時期に起こった東京都の青梅市の山火事の場合は、原因が焚き火であったことははっきりしていて、火元の部分では消火できたものの、その場所から飛び火が起こって離れたお寺の周辺でも火事になってしまったということです。改めて乾燥注意報が出ている中で、さらに風が強い中では火器を使う場合には細心の注意が必要です。飛び火は風の状況でどこに行くかわかりませんので、いったん火事になってしまったら消火するには大変な労力がかかります。その点については一連のニュース報道を見ていると改めて心に留めて置かなければと思うところです。

私の場合は、もしこうした山火事の原因を自分が作ってしまったなんてことを考えただけでも恐ろしくなるので、冬で風の強い時期においては火器系の利用そのものにナーバスになります。しかし世は空前のキャンプブームで、さらに揺らめく炎を眺めるために焚き火をする人もいます。もちろん、直火でなく焚き火台に薪をセットし、安全に行なう方がほとんどだと思いますが、強い風が吹いて焚き火台ごと吹っ飛んでしまった場合、それがどこかに燃え広がる可能性も0ではありません。

同じようにガスやホワイトガソリン、アルコールを燃料として使うキャンプ用のストーブについても、本体ごと風で飛んだとしても周辺に延焼するような物がない場所で行なわないと、やはり恐いことに変わりはありません。

特に車中泊では火器の使用をしていて車内が火事になってしまったら閉め切った車内で一酸化炭素中毒を起こしたり、狭い車内で使用中の火器を倒して炎上してしまった場合、火が大きくなって車内の燃料に引火して爆発ということも考えられますので、比較的倒れにくいカセットコンロなどを車内で使うようにし、車内でもそれなりに広いスペースを作り(作れる車でないと厳しい)、人がぶつかる気がねがなく、さらに換気にも十分に気を付けるに越したことはないでしょう。私の車は普通車なので、直接車内で火器は使いたくないということで、最近はソーラーパネルでポータブル電源を充電して使うような事も想定しています。乾燥して風の強い時には火器の使用を中止し、ポータブル電源でも使える家電製品を使って調理をすることも考えておいた方がいいかなと思うこともあります。

ただ、これは堂々巡りになりそうなテーマでもあります。実際に様々なキャンプ用のストーブや火器を試してみると、火器の方が扱いやすいと思える場面もあるのです。大きなポータブル電源を持ち出せば電子レンジの使用も視野に入るものの、かなりの設備投資費がかかります。お金を掛けて一式揃えたとしても、ポータブル電源の容量が無くなった場合、カートリッジを替えるようにすぐに電源を満充電にすることはできません。この辺は電気自動車が抱える問題と同じで、燃料を充填すればしばらくは燃料補給の心配なく長距離を走ることのできるガソリン・ディーゼル車と比べて(ガソリンで回す発電機を装備する電気自動車もこちらのグループに入ると思います)、コンセントからの充電だけに頼る電気自動車というのは、急に長距離移動の必要があっても充電し完了を待つまでの時間がどうしてもかかってしまいます。その辺を考えると、やはり火器を使いたい誘惑に駆られます。前述のように、きちんと設置するスペースが車内にあり、いざという時には消火もできるような設備を整え、メーカーが推奨する使い方を守って使用する分には何も問題はありませんが、なかなかそこまでするのも難しいので、私のような普通車での車中泊旅を考えるにあたっては考えることが多くなってしまうのです。

そんなわけで、私自身は今後に備えてある程度、ソーラーパネルからポータブル電源に充電して、そのポータブル電源で動く調理家電を用意することで、走行充電でもある程度のバッテリーが充電できるなら、いざという時の備えとして持っておくのもいいとは思っています。先日大きめのソーラーパネルを購入したこともあるので、その辺についても改めてグッズを安く揃えつつ、自分なりのやり方をここで紹介することができればと思っています。

さて、話を最初の足利市の山火事に戻しますが、基本ハイキング程度の山歩きなら、わざわざ湯沸かしのための火器を持って行くよりも、出掛ける日の朝、事前に内部を温めた高性能の真空断熱ボトルに熱湯を入れ、念の為タオルで巻いて熱が逃げないようにして持って行けば、昼食用のお茶・コーヒー用だけでなく、カップ麺を作るくらいなら十分な熱さの湯温をキープすることができます。ボトル自体もこのブログで紹介したニトリのHEATEXシリーズが安価な山行ボトルとしてはかなりの性能があるので、出掛けるならこうした用意をした上でレジャーを楽しまれるのが良いと思います。

昨日にはさらに群馬県桐生市で山火事が発生するなど、乾燥する日々が続きますので、週末に野外でのレジャーを計画されている方は、くれぐれも火の元にはお気を付け下さい。

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