車中泊徒然草+

今後に備えて「9月新学期」に変えてしまう手も

政府(というか首相からのトップダウンでの指示だと思いますが)の発表した全国一斉に小中高の臨時休校の実現については様々な意見があると思います。その前に単なる風邪でも引いてしまったら2週間家庭療養という筋で話があったので、新型コロナウイルスが原因になっていなくても学生・生徒の体調が優れない状況であれば、学級閉鎖や学校閉鎖される状況になり、実質的な臨時休校状態になるので、結果は同じようになると思うのですが、政府レベルで長期間の臨時休校が発表された意味はとてつもなく重く、そこから更なる状況の変化が起こっています。

というのも、学校が休みになったからといって外に遊びに出掛ける学生・生徒をシャットアウトするためなのか、東京ディズニーランドが一時閉園を発表しました。子どもだけ長期休みになって仕事を持っている親は会社を休めないのではないかという批判もあるのですが、この辺が今回の発表の巧妙なところです。

日本は中国のように国民の人権を無視して全ての都市機能を止めるようなわけにはいきませんので、日本国内でもできるかなりインパクトのある政策(この場合は全国の小中高の学校の臨時休校)を打ち出すことによって、今後大手だけでなく中小企業についても在宅勤務への対応を考えざるを得なくなります。昭和天皇が崩御された後の日本の状況は、今回以上の自粛ムードが漂いましたが、こうした状況に国民は何とか耐えられるとふんでの発表だったのかも知れません。

問題になるのはテレビでも散々言われていますが非正規雇用者の生活をこの一ヶ月間にあたってどのように援助していくかということでしょう。香港のように生活に必要な援助ということで現金(せっかくなので日本では電子マネーで支給した方がキャッシュレス化が進むのではないかと思うのですが)を企業が支払えない場合は国が支給するぐらいのことまでできれば、素晴らしい英断だと個人的には思います。

今後を考えると一番悪いシナリオは、マスコミや企業の圧力に屈して当初の予定を中断して中途半端にこの政策を終わらせてしまうことです。せっかく思い切って宣言したのですからこれから一ヶ月はこの状態を保つために様々な政策を発動して欲しいですね。

ただ、私の住む静岡県の場合、中学生の人生を決める公立高校の入学試験がこれから行なわれるので、条件は全て同じとは言え、精神的に参ってしまって本番に力を発揮できない受験生が出てしまうのではないかと心配になります。そういう事を考えると、様々な感染症の心配をしながら受験を行なう今の学制について、一気に変えるチャンスなのではないかと思うのです。

欧米のように9月からの新学期にすれば、受験の当日にインフルエンザにかかって一年の努力が無駄になるような悲劇はなくなります(私の知り合いにも大学入試当日にインフルエンザにかかった可愛そうな人がいます)。9月からとなると海外から日本に留学したいと思っている人にとっても受験しやすくなりますし、もしまた今回のように冬から春の時期に臨時休校が起こっても、一番調整しやすい夏休みを減らすことで最後にきちんと帳尻が合うようにもできるのではないでしょうか。

これからの時期、景気が悪くなるとかあまりいい話にはなっていかないと思うのですが、災いを転じて福となすという考え方もあります。とにかく今は我慢して、日本が再生するような新たな制度変更が公の側から出てくることを希望したいですね。

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