車中泊徒然草+

免許返納運動とネットショッピング

ここのところの高齢者が運転する車による事故の報道は、実際に今まで問題なく車を運転していた高齢者達に運転の不安を生じさせ、実際に免許を返納している方もいるようです。自分の車をボコボコにするだけで済むくらいの事故なら笑い話で済みますが、もし重大な人身事故を自分が加齢による判断ミスで起こしてしまったらと考えた場合、やはり自分は運転しない方がいいのかと考える方もあるでしょう。

しかし、住んでいるところが公共交通機関が発達している地域ならバスや電車、場合によってはタクシーの利用も視野に入りますが、路線バスも廃止になる検討がされていたり、もはや路線バスはなく、細々とコミュニティバスのみが走るだけだったり、さらには本当に誰かに車で迎えに来てもらえなければ買い物にも行けないという場所に住んでいる場合は、同じように運転をする事に対する不安はあるものの、車をやめてしまったら生活が成り立たないと思っている方も少なからずいることも確かです。

先日このブログでは、そうした買物弱者を救う軽トラの移動販売について書いてみましたが、実際に自分の住んでいる地域に来てくれなければそれまでです。車を持っていても、近くにガソリンスタンドが無かったり、毎日営業していないような所もあるといいますので、車を使わなくても自宅に居ながらにして買い物ができる「ネットショッピング」を利用することで車で出られないハンディを克服できる可能性があります。

くしくも先日、ネット通販大手の「Amazon」と、スーパーマーケットチェーン大手の「ライフ」が提携することが発表されました。まあ、この提携で行なわれる当日配送のシステムは東京の一部地域のみのサービスということで路線バスが通らないような地域で生鮮食料品も選べるネットスーパーのようなサービスはまだまだ実現しないのかも知れませんが、Amazonはプライム会員の制度があるので、送料を気にしないで日々の買い物をネットショッピング化することも将来には可能になるかも知れません。地域によってはAmazonでなくても、今後もし生鮮食料品も含むネット通販サービス網が整備されるなら、無理をして車を所有せず、今後出てくるであろう無人運転の自動運転タクシーで病院通いなどはカバーし、買い物は自宅まで届けてくれるネットショッピングを利用するというパターンも一つのモデルケースとして考えられるのではないでしょうか。

ただ、そうした環境が整った上で問題になりそうな事があります。元々パソコンもスマホも使い慣れない人が急にネットショッピングで物を買う事自体が大変ですし、多少購入に慣れたとしてもネットショッピングに失敗して思ったものと違ったものが届いたり、明らかに騙されたと言うような体験をしてしまったら、かなりショックが大きくネットで買い物をする事自体いやになってしまうような事も起こってくるかも知れません。かく言う私自身もネットショッピングを利用し、ポチッと注文ボタンをクリックした後に後悔したり、思っていたものと違うものが届いたり、様々な体験をした上で何とか今は普通に使えるようになっていますが、いきなりネットショッピングを使いこなすのは大変だろうと思います。

さらに、ネットショッピングの支払いについても、電子マネーやクレジットカードでの支払いについて躊躇する人が少なくないのも事実です。そうなると、ネットショッピングをアシストしてくれるような人がいないと、さすがにネットショッピングを実店鋪のように使うのは難しいのかも知れません。しかしそれでも、車を出してお買い物をアシストするよりも敷居は低いのではないでしょうか。

例えば、大きめの画面のタブレットを持ったお役所の福祉担当のアシストの方がそれぞれのお宅を回り、「いくらで」「何を買う」というような形での「御用聞き」のように生鮮食料品を含む日常生活に必要な商品の注文を取り、注文代行を行なうようなシステムがあれば、実際に商品を購入する人はネットショッピングの難しさを感じることはありませんし、ネットならではのトラブルも起こりにくくなります。ただし、注文する際に十分に注文主の方に商品の内容について説明したり、不安があれば問い合わせの代行まで行なえるだけのネットショッピングのスキルのある方が集落を回ることができればという条件が付きますが。

商品の受け取りに不安がある場合には、アシスト担当の方を受け取り場所にして後日配送という手段も取れますが、生鮮食料品については自宅まで配送業者が運んでくれるならそれに越したことはありませんし、次第にネットでの注文に慣れてくれば、徐々にスキルも上がり決まった商品なら自分だけで注文することもできるようになってくればしめたものです。このような流れを受け入れられるかどうかで、日本の地方の未来もかなり変わってくるような気がするのですが。

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