車中泊徒然草+

スズキの軽トラック「キャリイ」の全面改良の裏で

 車中泊と軽トラックというと、荷台にテントを張るくらいしか想像できないので、あまり車中泊用としては考えることはないかも知れません。そうした軽トラの中で、スズキが何と14年振りという全面改良(フルモデルチェンジ)した新しい「キャリイ」を出すという事を知りました。車体が50キロ軽量化されており、燃費性能も向上しているとのこと。室内の空間も広がるなど、地味にいい車に仕上がっているようです。

 ただ、本格的な車中泊のできる軽自動車を物色されている方にとってはこのニュースは意外と重要であると私は思います。最近増えてきた軽自動車のキャンピングカーはさまざまありますが、軽トラックをベースにして荷台のところに居住スペースを置くような作りの車もかなりあります。今後そうした軽キャンピングカーを購入する際、ベース車の違いによって当然走行性能も違ってきてしまうという事にもなります。あくまで価格だけで見た場合それほど違いはなくても、いくら新車であっても10年以上改良していない車をベースにするのと、新しくさまざまな工夫が凝らされた車を使うのとではその後の車中泊ライフがかなり違ってきてしまうかも知れません。

 そうしたスズキの事業展開はいいとして、そうして出したキャリイや、同じくスズキのエブリィを相手先ブランド生産(OEM)で日産だけでなく三菱自動車まで出すというのですからびっくりです。三菱のミニキャブなど商用車は今後生産を終了し、スズキからのOEMに頼って今後は電気自動車の生産に移行するとのことです。

 スバル・サンバーの生産終了(スバルは軽自動車の生産自体からも撤退してしまいました)にも寂しい思いをしましたが、このように軽自動車を開発、製造するメーカーが少なくなってしまうのは本格的にガソリンエンジンを改良することで燃費の向上を図っていく車が少なくなってしまうような感じになります。今もそうですがこれからの流れを見ていくと、ハイブリッドでもアイドリングストップ機能も使わずに乗れそうな軽自動車は軽トラックと軽バンの商用車くらいしか選択肢がなさそうでつらいです。ただ、今回のようにまだガソリン車の開発を行なってくれるメーカーがあるわけですから、個人的にはそういうメーカーの取り組みを応援したいですね。

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