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東名の逆走事故とスマートインターの問題

このブログでは何回も紹介させていただいている焼津市にある東京高速の日本坂PA付近の下り線上で午後に乗用車とトラックが正面衝突する逆走に起因する事故が起こってしまいました。この事故の影響でかなり長い時間静岡ICから焼津ICとの間が通行止めになりましたが、逆走事故というのはお互いにスピードが出ている中で正面衝突となるため、ボクシングのカウンターのような衝撃になり、特に逆走していたと言われる乗用車の損傷がひどく、車の部品が散乱したものを安全に走行できるように片付けるのにかなり時間がかかったと思われます。

ちなみに、今回事故に関わった双方のドライバーはともに亡くなってしまったので詳しい事故に至るまでの状況を直接聞くことはできませんが、ドライバーはともに静岡県内出身で、年齢は乗用車のドライバーが25才、トラックのドライバーが50才とのことで、どちらも高齢の認知症が関わるような入り口を間違えての進入ではないと思われるのですが、乗用車の方が逆走していたという110番通報が複数あったということで、どこから逆走したのかというのがまずは一つ明らかにしておかなければならないところでしょう。

事故現場から一番近い高速道路への入り口は焼津インターになりますが、逆走している車があると110番通報がきちんと事前にされていたのですが、この通報は事故現場からすぐ前であったと思われます。翌日の報道によると、以下のインターの設置状況の中で、逆走がスタートしたのがどこか明らかになったとのことです。

名古屋方面→「相良牧之原IC」→(11km)→「吉田IC」→(12km「大井川焼津藤枝SIC」が途中にあり)→「焼津IC」→「日本坂PA下り」→事故現場→静岡IC→東京方面

ちなみに、事故を起こした乗用車のドライバーは牧之原市出身でレンタカーを使っていたという情報があったので、事故現場から自宅付近までのインターを書き出してみたのですが、報道によると、乗用車は東京方面から下り車線を普通に走っていたものの、「日本坂PA下り」に入って休憩した後で本線に出る時に、反対方向に向かって出てしまい、約1.5キロ走行したところでトラックと正面衝突したということです。

この報道が出る前は、これらの中で唯一無人の出入口としてあるのが「大井川焼津藤枝SIC」あたりから入ったのかなと思っていたのですが、さすがに事故を起こした場所から考えると、そんなに長くは走れないなと思わざるを得ません。それにしても、自分がPAに入ってきて、しかも一定期間の休憩を入れた上で(新聞報道によると約1時間車が停車していたとのこと)再スタートという状況を考えると、普通の人ならそんな出かたはしないだろうと私には思えます。

このPAは一般道からですが私自身が何回も利用させていただいていて、その構造は全く複雑ではなく単にそれまで走って来た同じ方向に向かって出るだけですので、何か病気だったのか、変なものを飲んで意識が濁っていたのか、そんな事も考えられてしまうようなびっくりの逆走でした。さらに気になることに、現場ではブレーキ痕が確認できなかったということですので、車が再スタートした時から正常な状態でなかったことが考えられます。さらに考えたくないことですが、PAで気持ちを落ち着けてからあえて反対方向に向かってスタートし、さらに故意に大きな車を目掛けてノーブレーキで突っ込む自殺行為の可能性も疑わざるを得ません。

ですから、この事故については今まで言われているような高速道路入口の複雑な構造による逆走ということではなさそうなのですが、もし自殺のための逆走だとしたら対策も何もないわけなので、少なくとも自分自身が間違って逆走しないための対策についても書かせていただきたいと思います。上記のインターの並びの中で逆走が起こりそうということで、やはり普通のインターチェンジよりもETCしか使えないスマートインターチェンジの利用に気を付けることの大切さも感じましたので、その観点からも紹介させていただきます。

今回の事故が起きた沿線の中でのスマートインターチェンジである「大井川焼津藤枝SIC」は平成28年3月に開通したETC専用のインターチェンジで、藤枝市のスマートインターについての解説ページを見ると「誤進入、ETCカード挿し忘れの場合は、Uターン路により、元の道に戻ることが可能です。」という記載があります。

今回事故を起こしてしまった車はそのまま本線に乗ってしまいましたが、逆走で入ってしまったことにすぐに気が付けば、何とかUターン路を通っていったん外に出ることも可能でしたが、一つの可能性として静岡・東京方面に行こうとして下りの入口の方からスマートインターに入ってしまった可能性はあるのではないでしょうか。

全国の高速道路で設置されているスマートインターの問題点として、逆走だけでなく普通のインターだと思ってETCを付けていない車による誤進入やETCカードを差し忘れたまま本線に入ってしまうというケースも出てきます。これらの場合は直接事故を引き起こす原因にはならないかも知れませんが、ETCが付いていないのに本線に入ってしまったような場合は精神的にパニックになってしまって本来では考えられない行動を取ることも考えられます。

今回の事故ではありえないケースだと思いますが、たとえ普通の状態で進んでいてもETC装置がないまま本線に入ってしまったことでパニックになり、次のインターまで進むことを選択しないで本線に入ってからUターンして入ったスマートインターから出ようとして逆走するという事も考えられない事ではありません。

とにかく間違って高速道路に乗ってしまったり、ETCカードの入れ忘れに気付いたとしても、とにかく次の出口まで車を走らせ、有人の場合は直接、無人の場合はインターホンを使ってきちんとどこから入ったかを申告すれば問題は起こりません。高速道路によってはほとんど車が走っていないような場所や時間があると思いますが、ともかく逆走やバックをしてしまうことでもし事故を起こしたとしたら大変な事になるという認識は今回のような悲惨な事故の報道によっても多くの方が共有できるものの、事故によって尊い人命が失なわれているのですから、そんな事故がなくても多くのドライバーに徹底させることができないものでしょうか。

誤進入の場合はUターン路が利用可能な地点までなら戻るべきですが、そこからUターンできない道に入ってしまったら、とにかく次のインターまで行って降りてから改めて反対方向に向かいましょう。それと同時に、ETC車載器のない車がスマートインターやETC専用レーンに入ってしまった場合の告知というのは必要かも知れませんが、その告知が激しすぎるとドライバーによってはパニックになってしまい、それが本線からの逆走を生む可能性もあることを考え、「ここまでならUターンできます」とか、「間違えて入った車は慌てずにこのまま進んで次のインターで降りて下さい」というような逆走を引き起こさないような電光表示なども考えた方がいいのかも知れません。

最後になりますが、首都圏ではよく人身事故が起こって電車が止まることがありますが、もし今回の逆走事故の原因が自殺目的でトラックに突っ込んだという事だとしたら、今回の事故ではトラックの運転手の方も亡くなられていますし、単に事故を起こして高速道路を止めただけでない大きな責任を後に残る人に負わせることにもなります。物事をきちんと判断することのできる方であれば絶対起こすべきでない方法であるとともに、もしこの推測が当たっていたとしたら、今回の事は単なる逆走事故でなく「自爆テロ」と同様な犯罪行為であると報道すべきではないかと思います。

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