車中泊徒然草+

車中泊における危機管理術について

現在私が乗っている普通車や、過去に乗っていた軽自車はシートアレンジの関係から、前と後ろの席をシートアレンジでフラットにした場合、一人分の就寝スペースを生み出すのがやっとなので、車中泊の旅は基本的に一人旅の時しかしないようにしています。

ただ、最近の車では運転席の方も一緒にフルフラットにして二名分の就寝スペースを確保できるホンダNbox+のような車もありますが、個人的にはこの手の車に乗るなら、荷台部分で二名分の就寝スペースが作れるエブリィワゴンやハイゼットのようなワンポックスタイプの軽自動車にすると思います。なぜなら、前にも書いたかも知れませんが、運転席はいつでもすぐに運転して脱出できるように空けておくことが大事だと思うからです。

車中泊というのは道の駅の整備により一般的になった感じがありますが、あくまで自己責任による安全管理が求められる危うい所があることも確かです。一般的に車中泊は天候が荒れた場合に身動きが取れなくなるとか、地震や竜巻などの天災による影響が考えられるものの、実は本当に危ない事があります。それが、自分以外の「人」との関わりによる危険です。

よく、他に誰もいない駐車場に車中泊をする時、あまり人が来ないとお化けが出そうで恐いという話を聞くことがあります。しかし、本当に恐いのは実際に目の前にいて何をするかわからない人間が一番恐いというのが本当のところなのではないでしょうか。ほんの些細なトラブルを巡って人の生命にも関わる襲撃を受けたりする事は実際にありますし、自分の車が目標にされて付け狙われたらと思うと車の中にキーロックして大人しくしていれば車に傷は付くかも知れないものの生命の危険までにはならないケースの方が多いだろうと思われるヒグマ・ツキノワグマよりやはり人間が恐いという事は明らかでしょう。

もしそうしたトラブルに遭った場合、個人で対処することは難しいだろうと思うので、高速道路はまだしも(高速の場合、出入口を閉鎖すれば袋のネズミになるので大それた襲撃などは、犯行の後で逃げるつもりならばほぼされないと思います)、道の駅で何か不穏な空気を感じた時は付近の警察署か駐在所の所在地と電話番号を事前に調べておき、いざという時には先に電話をしてから車を走らせて、保護を受けられるように準備だけはしておきましょう。そのいざという時が来たら、早目にその場から逃げられるだけの逃げ足の早さを持てるよう、少なくとも運転席は空けておき、すぐに車を出して目的地に向かえるような準備はやっておいた方がいいでしょう。

こうした準備が無駄に終わればいいですが、車の外というのはいくら安全な日本国内と言えども、外にいる人間の心掛け一つで状況は極端に変わることもあります。今までそんな事例はありませんが、こんな形のテロ行為も日本でならあり得るかもという一つの事例としてお読み下さい。地方の道の駅で、常々旅行中の車中泊をする人のマナーの悪さについてストレスが溜まっていた人が、その復讐とばかりにたまたまその日に車中泊で利用していた車がことごとく襲われるような事もあるかも知れません。いくら自分とマナーの悪い車とは違うと弁明しても、相手から見れば夜な夜な道の駅で夜を過ごす車があること自体がストレスの源であったとしたら、簡単にその感情を収めることはできないでしょう。

もし、道の駅で地元の方と車中泊で利用している人とのトラブルが起こったり、車中泊者同士の小競り合いで殺伐な様子を感じたら、その場所で仮眠を取ろうと思っても、万が一の時のために場所を移るようにした方がいいかも知れません。気の回し過ぎという事であるかも知れませんが、一度車で旅に出たからには危機管理を含めて自分の安全は自分で守るような覚悟も必要になる場合がある事も確かです。

先日起こった神奈川県の養護施設内で起こった事件は、一般的な常識の範疇ではとても推し量ることが難しい理不尽な事件でした。被害者の方につきましては、全く理由らしい理由のないまま被害に遭われたわけで、心よりお悔やみを申し上げるしかありませんが、現実の社会ではそんなことも起こり得るということも改めて多くの人に感じさせた事件でもありました。

今回の事件がそうであるとは今の所は言えないものの、今の世の中は格差社会と言われていますが、金銭的な格差だけではなく、実社会でのストレスから逃避するためにすがったネット社会からも爪弾きにされたと本人が感じてしまうことで、よりやり場のない絶望感に苛まれ、それが爆発することで大きな事件が引き起こされることがあります。

古くは「西鉄バスジャック事件」や、「秋葉原通り魔事件」など、実社会だけでなくネット社会からも自らの存在を否定されたと感じたことにより、通常の精神状態からかけ離れてしまった所から大きな事件が起こってしまったこともありました。人の心の内面というのはにわかには他人が推し量れないものでもありますし、今の私たちにできることは、自分の身の回りにある異常さを感じたら、その対応は専門家に任せ、ただひたすら逃げることが大事です。これからのレジャーシーズン、そうした嗅覚を働かせて、自分から危ない所に飛び込まないようくれぐれもお気を付け下さい。

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