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キャリアメールはどこまで必要か

格安SIMを使い始めの頃に言われたディメリットの一つに「キャリアメールが使えなくなる」というものがありました。

キャリアメールとは大手携帯キャリアの名前が付いたメールアドレスのことで、無料でいくらでも作ることができるメールアドレスと比べると、携帯電話やスマホの契約をしないともらえないメールアドレスになり、さらにユーザーの中にはこのキャリアメールでないと迷惑メールフィルターに引っかかってメールそのものが届かないという状況もあります。

その「キャリアメール」を持っているソフトバンクモバイルのメールサーバーで不具合が発生し、何と「co.jp」の付いたアドレスからのメールなどを迷惑メールと認識してしまい、合計で1,000万通以上のメールが迷惑メールフィルターに引っ掛かったあげくに廃棄処理されてしまったようで、ソフトバンクモバイルの方でも復活不可能になってしまったということです。

普通に考えて、いわば社会的なインフラである携帯電話の事業をやっているわけですから、キャリアメールに来る迷惑メールがいくら多いとはいえ、一定期間だけでも復活可能なようにしておけなかったのか? とも思えます。そうしたいざという時のための一時的なメールのバックアップをするだけのお金がないというなら、政府が言う「今の携帯料金は4割下げられる」というのはソフトバンクモバイルにとって厳しいということになるのですが、他社ではどうなっているのか、個人的には気になるところです。

それにしても、この時期に日本の会社が主に使っている「co.jp」からのメールが届いたかどうかわからないとなると、キャリアメールであれば無料のメールよりも安心だと仕事の打ち合わせに使っていたり、就職活動をしていて会社からのメールを常に受け取っている人にとっては実害が出てくる可能性もあります。

ちなみに私の場合ですが、元々は携帯電話よりもPHSの方を使っていたということもありまして、キャリアメールはPHSの会社のものを持っていましたがあまり使わず、PHSの端末から自分の持っているパソコンで使っていたプロバイダーが提供するメールアドレスの送受信を利用していたので、携帯電話会社のキャリアメールの良さというものをほとんど感じることがなく過ごしてきてしまいました。

ただ、今でもパソコンを持たずにスマホだけで運用している人は、当然LINEでの連絡方法は確保しているとは思いますが、知り合いの中にはキャリアメールのやり取りが必要な人がいるわけで、その点は大手キャリアは十分留意してサービスの提供をすべきでしょう。

そうは言ってもこのようなトラブルに巻き込まれてしまったら大変な思いをするのはユーザーの方です。そんな状況の中でも行なえるユーザー側の対応方法としては、どうしても連絡を付けたい用事についてはSMS(ショートメール)を使い、単文では伝え切れなければ電話での連絡も併用するような方法も考えておくべきでしょう。

こうした方法はキャリアメールを持たない格安SIMでも利用できますので、キャリアメールにメールをしても全く返信がなかった場合、直接電話するのはちょっとという場合にはまずは相手の電話番号宛にショートメールを送ってみることをおすすめします。さらに一歩進んで、どうしても無料メールよりも信頼できそうなメールアドレスが欲しい方は、大手キャリアから過去にパソコン用のプロバイダとして有名なところで格安SIMを契約すれば、ちゃんとメールアドレスがもらえます。日本のパソコン通信の時代からあったプロバイダのやっている格安SIMとしては、BIGLOBEやNifmo(Nifty)あたりがあります。

今回のソフトバンクのトラブルを見ていくとあえてキャリアメールにこだわり過ぎるのはどうかと思うのですが、そんな方々の中でGmailだけでは不安のある方には、メールアドレスのために乗り替える格安SIMを決めるという選択肢も出てくるのかなという気もします。

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