車中泊徒然草+

スマホの選択は感情だけで左右されるべきでない

昨年は、アメリカと中国との間で様々な確執が起き、今年はさらなる状況の変化が考えられます。今のところZTEが経営危機を起こすくらいのアメリカによる制裁と、さらにHUAWEIのスマホ・タブレットが本体内の個人情報を中国の政府機関に送信しているのではないかという疑いがあり、日本政府では使わないキャンペーンを行なったことが大きく報じられ、一般の人に対しても中国のメーカーに対する目は厳しくなっているように思います。

ただ、それと同時にアメリカの会社であるフェイスブックに個人情報を無断で送っているアプリとして音楽配信サービスの「Spotify」や求人サービス「Indeed」が名指しされました。どちらも「無料」をうたって便利なサービスを提供しているのですが、このように利用者の個人情報データをユーザーの判断の及ばないところでこうした情報の送信が行なわれているとしたら、HUAWEIがまだ具体的にユーザーの個人情報を自国で管理しているというような具体的な話を個人的には見聞きしていないので、かつてアメリカが湾岸戦争の根拠とした「イラクの生物兵器」が実は作られていなかったのに不確かな情報を根拠に開戦に至ったプロセスが思い出されてしまいます。

確かに政府レベルでは利用するスマホの中まで分析し、故意に仕込まれた機密情報の流出を避けることは当然でしょうが、それを一般ユーザーにまで購入を躊躇させるような報道をするなら、いかに私たちの個人情報がアメリカの企業に筒抜けになっているかということも同時に報じるべきでしょう。ちなみに、私自身はそうした事については筒抜けになっても仕方ないと半ば諦めているので、よほど実害が報告されない限りは、当該アプリの利用をセーブしながら使い続けるつもりでいます。HUAWEIの端末も持っていますが、これも普通に使っています。

そもそも、同じスマホを使い続けているとアプリが増えることでパフォーマンスが落ちたり、内蔵電池の劣化によって買い替えの需要が生じるものです。そんな中、新品で10万円以上もするiPhoneを使い続けることは難しい人もいるでしょう。iOSとAndroidとの違いはありますが、新品でそこそこの機能があって格安なスマホの選択肢はやはりあった方がいいのではないかと思います。

恐らく今年も続くであろうアメリカ政府のHUAWEIに対する制裁は日本にも波及することもあるでしょうが、まずはきちんと「なぜHUAWEIのスマホを使わないのか」という根拠をアメリカでも日本でもきちんと発表してくれないと、今後のモバイルデバイス買い替えの際に困ります。そして、もし日本の大手キャリアからHUAWEIの端末が駆逐された後で、実はアメリカ政府の言っていたことがデマだったという報道がされたとしたら、一連の騒動でHUAWEIのスマホで十分と考えつつも高額な他のメーカーのスマホを買わざるを得なかった人が、踊らされてしまったと後で後悔するパターンもあるかも知れません。

スマホを購入するにあたりメーカーの選択をするのは個人の自由ではありますが、あまり感情的な理由だけでメーカーの選定をしてしまうと、良い結果は出ないような気がします。むろん、HUAWEIより高性能で安い製品を作るメーカーの良い製品があればいいですし、本当にHUAWEIのスマホが危険な存在なら今使っている製品の使用を中止も考えなければならないでしょう。

個人的に欲しいのは大きな力同士の抗争のために出てくるニュースではなく、本当に技術的に問題があるのかどうかの正確なレポートです。ユーザーとしてはそうした情報の取捨選択をしながら「次のスマホ・タブレット」について何を買うべきなのかを考えたいと思っています。

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