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SIMカード発行手数料を徴収する「LINE MOBILE」発表の裏を読む

現状でMVNOの解約をする場合、ドコモ回線のSIMに限って発行元に返却する必要があることは多くの方がご存知かと思いますが、MVNOの中には期限内に返却が行なわれなかった場合には3千円(税別)の料金を請求することを規約にうたっているところもあります。

なぜこんな請求をするかというと、MVNOがNTTdocomoと回線やSIMの貸与契約をする中に様々な条項があるので、MVNOとしてもそうせざるを得ないところがあるようです。今回紹介したいのは、そうした貸与契約の条件が変わったことで、SIMカード返却の時だけでなく、新規契約でSIMを発行する際に「発行手数料」として費用をユーザーから徴収するMVNOが現れたことです。

2017年2月1日からの契約についてSIM発行手数料を400円(税別)取ると発表したのはコミュニケーションアプリ「LINE」を展開する「LINE MOBILE」です(いったん契約した後のSIMカードの変更の際には料金はかからないそうです)。この分は通常の申し込み時だけでなく、amazonで売られている申込みパッケージを購入した場合もSIMがパッケージの中に入っているわけではないので、パッケージを購入してLINE MOBILEを始めようと思っていても400円が余分にかかることになりますので、安く始めたいという方は2017年1月中に申し込むことが必要になってきます。

こうした発表に憤りを感じる方も少なくないかもしれませんが、実はしごく当り前な流れというところもあります。というのもこのSIM発行手数料については、すでに2016年8月から新設されていたのですが、多くのMVNOではNTTdocomoとの契約が変わったにも関わらず、しばらくはMVNOの方で負担して払っているケースが多く、今回の「LINE MOBILE」は、その料金が値上げになったことで今後もずっと手数料の全てを負担することができず、それで費用負担をユーザーにお願いしているということになるからです。

ちなみに、初期登録費用を上げるという方法ですでにこの分の費用負担をユーザーにお願いしているMVNOも複数あります。ただし、そうした方法よりも明確に「SIM発行手数料」として徴収することにインパクトがあるとも言えます(こうした料金設定はすでにFreetelでは行われています)。私たちがこの機会において考えなければならないのは、SIMを発行したり返却する事について何故そこまでの費用が発生するのかということなのではないかと思います。

ドコモ回線でなくau回線を借りて提供されているMVNOを使った経験がある方なら、現在でもその契約を解約してもSIMを返却することなく自分で廃棄で一向に構わない事はおわかりかと思います。こうした流れを受けて、どうしてもドコモ回線でなければ困るというのでもなければ、au回線に流れるユーザーも出てくるかも知れません。

個人的には先日、通話専用に使っていたFOMAの標準カードをnanoSIMに変更したのですが、このSIMをどうすればいいか店頭で伺ったところ、そのまま前の端末に入れておいても捨てても構わないと言われたので今も自分で持っています。このように、SIMに関することで言えば、常に使用後のSIMカードを全て返却する必要がないのなら、なぜMVNOだけに返却させるような契約をしているのかという点についても、SIMロックを解除云々の前にユーザーに明らかにして欲しいと思うところがあります。

私は、今回「LINE MOBILE」がわりと同業他社に先駆けて「SIM発行手数料」という表現を使って費用を徴収する決断をしたのは、全てがこの理由ではないにしても、広くこうしたドコモのMVNOに対する契約内容について、ユーザーを巻き込んで議論をまき起こしたかったのではないかと邪推してもみるのです(^^;)。

400円と言えどもユーザーの負担が増えるというのは関心を呼びますから、ドコモ本家で取られないSIM発行手数料をMVNOだけ、しかも400円も取られるのは何故かと多くの人から疑問の声が挙がったら面白いですね。その時にはぜひNTTdocomoにはきちんとした説明をされることを期待したいです。と同時に、「LINE MOBILE」に興味がありながらまだ契約をされていない方は、少しではありますが安く契約するためにはお早めの手続きがおすすめということもここでお知らせしておきます。

アマゾンのパッケージは音声通話用およびデータ通信はSMSオプションが付いたもののみが用意されています。月額500円でSMSオプションがいらない場合はLINE MOBILEのサイトから直接の申し込みになりますのでしっかり初期登録手数料が取られます。その点も考慮してどちらがトータル的に得なのかを考えながら加入する方法も選ぶのがいいでしょう。

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