車中泊徒然草+

ガソリンを使えば使うほど得になる世界はやはりおかしい

この文章を書いている時点で、自宅近くのガソリンスタンドのレギュラーガソリンの1リッターあたりの価格は、おおむね100円そこそこの価格で推移しています。以前は160円くらいで、もしかしたら1リッター200円くらいにもなってしまうのではないかと思われていたことを考えるとほっと一息付いているといった感じです。

テレビのニュースによると、大分県が県議会議員に支払っている政務活動費のうち、領収書を添付する必要のない調査旅費における燃料費(ガソリン代)を請求するのに、明らかにおかしいと思われる長い距離を走って出張したという体で活動費を申請し続けている疑惑の県議がいることが注目されています。高速道路を使わないで一日多い時には東京名古屋間の距離を走ることも申請内容を見るとあったようで、今後どう釈明するかというのが当面の注目点になっているようです。

もしその行ないが不正だったとしたら、その人間を処罰されれば問題は解決するでしょう。しかし、今回話題になった大分県の場合は、どうもそんな風に一人を処罰して幕引きを図れるような簡単なものではなさそうな気がします。その点について書いてある地元紙の中味を一部引用します。

(ここから引用)
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『大分県議会では、調査旅費を含む政務活動費は1人当たり月30万円を会派ごとに交付。このうち、車を使った調査旅費については1キロ当たり37円を燃料費として支給している。ただし、領収書を添付する必要はなく、訪問した場所や時間を記したりする必要もない。』
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(2016年3月11日付 西日本新聞の記事から一部を抜粋して引用しました)

大分県、特に観光地である別府周辺はガソリン価格が高値安定しているという評判があり、全体的にガソリンが安い地域と比べるのは多少無理があるかも知れませんが、それにしてもこの「車移動1キロあたり37円」が支給されるというのはすごいですね。私の直近の燃料補給は約400キロ走ってガソリン代は約3,000円だったので、この基準に照らして請求が認められたら支給額は約14,800円(400×37)となり、この分だけで1万円の「儲け」(住民側からすると税金の無駄遣いと思われても仕方ないお金?)になります。もしガソリンの価格が1リッター200円になったとしても、ガソリン代は倍の6,000円なので、まだ到来したことない高値になってもかなりの差額が出ることになります。

問題なのはこうして得たお金は、疑惑の議員でなく他の議員が普通に請求を起こしてもらっても、議会で追求されることのない、まっとうなやり方で支払われたお金であるということにあります。よくもまあこういう仕組みを考えたものだと思いますね(^^;)。車で出掛けた調査旅費については、ガソリン代だけでなく高速代や駐車料金なども含めて全て領収書を添付して実費と引き換えに給付すればいいだけなのにと思うのは私だけなのでしょうか。

さらに、こうしたやり方をそのままにしてしまうと、今回のニユースの主のようにあからさまにわかる悪事は行なわなくても、まめに支給の仕組みを守りながら少しずつガソリン代の差額をポケットに入れようとガソリンを無駄遣いし、結果的にエコの観点からすると時代に逆行するような流れを県議会が作ってしまうことにもなりかねません。

今回は県の場合でしたが、市町村で同じような事がまかり通りとしたら、県税は普通自動車、市町村税は軽自動車(バイク・原付も含む)の自動車税を納める先ですから、一般のドライバーにとっての心象はかなり悪くなると言えるでしょう。元が少ないながらも原付の自動車税は今までより倍になったり、新規登録から13年経過する車の税金が上がったりと、わずかながらもドライバー全体の負担は上がって行く中、民間では考えられないような現金支給の仕組みについて考え直して欲しいということとともに、監視をすべき人がきちんと監視をして欲しいものです。

このブログで度々話題にしているスマホ契約におけるMVNOの活用のようなことも、まずは財政状況の厳しい地方自治体が率先して変えていった方が浮いた分のお金を必要なところに回せるわけですし、わかる人がきっちりと対応して締めるところはきちんと締めて捻出できるお金を増やしてほしいものだと切に思います。

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