一昨日、テレビを見ていたら午後9時からのNHKのニュースの予告として「ドコモが通信料金と端末料金を分けることで安くなる?」というセンセーショナルな言葉で本放送へ誘導のお知らせを行なっていたので、自分が知らない新しい料金があるのかと思いつつ本放送を見てみたのですが、まさに「羊頭狗肉」とはこの事と言えるような内容でした。
というのも、一番興味ある具体的な料金プランの話は全くなく、新しく行なう料金プランでは端末代金の割引はしないので、新品購入でなく中古スマホの購入がおすすめという、まさかの中古スマホ特集に変わってしまっていたのです。その後に同じニュースとして報道した民放の方が多少詳しく紹介していたものの、説明不足感は変わりませんでしたが。
この「中古スマホ」を使うと一口に言っても現在の状況ではドコモ・ソフトバンク・auで使える端末に違いがありますし、古くなって安くなっている機種についてはSIMカードのサイズが違うという事もありえます。さらに、オークションのようなチェックが入らない入手方法では、いわゆる「赤ロム」(前のユーザーが料金を払わないことにより端末そのものをキャリアの設定で使えなくされた端末)を掴まされることもあります。そうした、あらゆる「地雷」をすり抜けて、先に購入したSIMカードに合う端末を素人のユーザーが手に入れて、正しくSIMカードを挿入し、ついでにmicroSDカードも入れて使い始められるのか? という問題もその先には出てくることもニュースでは全く伝えられませんでした。
ちなみに、ドコモのサイトへ行ってiPhoneでないスマホを使う場合の料金シミュレーションを行なってみたところ(新しい契約の「ギガライト1GBまで」を選択し「2年縛り」を付けて)、通話定額なしの音声通話付きのデータ容量1GBにすると2,980円(税抜価格)になるだけです。今回の改定の目玉は、あくまで30GB/月の高速データ利用を越えた場合でも、制限されるスピードを1Mbpsにするという「ギガホ」(月額税抜6,980円)にあると思っているので、もしドコモの新プランを使おうしている方がいたら、それほど使わないという方でもギガホに入り、さらに固定回線を解約しスマホ一本で家庭内のインターネット用に使うようにする事を個人的にはおすすめしたいですね。
恐らく、そんな風に使いまくるヘビーユーザーがいる反面、ほとんどネットを使わないユーザーも多くいると思います。ちなみにギガホとギガライト1GBまでの金額はデータ量的には実質数字の30倍以上の格差があるのに、1GB未満しか使わないユーザーと支払い料金を比べると4千円しか変わらないという厳しい内容になっています。さらに、ギガライトは1GB未満でそれ以上使わないような使い方はできず、7GBまでは自動的に高速クーポンが消費されるようになり、その料金は従量制になっています。ちなみに7GBまで高速クーポンが行ってしまった場合の月額は5,980円で、その際の制限されるスピードはギガホと同じ1Mbpsではなく、今までと同じ128kbpsです。
多くのメリットが有り、使う人は月に50GB以上も使っても(制限された後に使いまくる分も含む)定額料金のままのギガホと、7GBまでしか高速クーポンを使えず、ギガホとは千円しか支払いが変わらないのに、毎月のパケット利用量をも制限され、いわゆるパケ死状態を月末に生みだしかねないギガライトという対比には、ドコモをそこまで使ってない私から見てもこれはないのではないかと思います。もっとも、もしギガホ契約をした人みんながそんな使い方をしてしまったら、今まで以上にヘビーユーザーの利用パケット料金を、データをほとんど使わないようなユーザーが負担するような構造が見えてしまいます。これは毎月の料金を払っているライトユーザーが可哀想です。
ちなみに、同じドコモ回線を使った「OCNモバイルONE」の月末になっても「パケ死」する心配のない高速クーポン110MB/日の音声付プランならSIMカードのみ契約してスマホは中古で別途購入するようにすれば、毎日動画を見るような使い方をしても(31日間日毎の高速クーポンを使い切っても月3,410MBということで月3GB以上利用可能)1,600円(税抜価格)で契約を持て、半年経てばいつでも解約できます(端末を同時購入しないSIM単体での契約の場合。なお、他のMVNOの場合には縛り期間がないところや、1年あるところもあり、さらにMNPの手数料にも差があるので事前に調べる必要があります)。自分の使い方がライトユーザー的だと思うなら、あえてドコモでギガライトに加入するよりも格安SIMへの乗り替えを考える方がいいと思います。
もちろん、回線を貸している方のNTTドコモの方が通信速度は安定して出るということはあるのでしょうが、データ容量1GBが2,980円で(2年縛り以外の様々な割引は全く考慮していない価格です)従量制で料金が変わり、そのデータ量をコントロールできないのではあまりにも使い勝手が悪すぎます。OCNモバイルONEならデータ通信量および速度を専用アプリで「高速」「低速」に切り替え、高速を使いたくない状況でデータ量をあえて使わないようにストップするなどのコントロールができるので、アプリのダウンロードをする時だけ高速で通信することも可能です。
それとともに、ここまで説明させていただいたように「ギガライト」は決して安いとは言えず、端末を別途購入させるようなプランなのに相変わらず2年縛りにしないと、ここまで説明した月額2,980円という価格でも使えない(定期契約なしの場合は何と4,480円)仕組みを続けていることへの批判をなぜNHKはしないのか? それは同じ電波を国から使わせてもらっている弱味があるからなのかという風にも思ってしまいます。
今、私が心配しているのがこのニュースを見た人が「ドコモは新しい料金プランにすればとにかく安くなる」と、NHKのニュースで言われている言葉をそのまま信じてしまい、実際に新しいプランに変えたところでスマホを中古で導入するノウハウがなくてトラブルになったり、データの使い方によって現状よりも料金が高くなってしまって後悔するようなことがないかということです。
私がおすすめするのは今回発表のあった中では「ギガホ」の方で、そこまで多くのデータを使いこなすだけの利用がない場合には、あくまで格安SIMのMVNOですが、もし格安SIM単体での契約がおすすめした方の使い方にマッチしなかった場合でも、音声付で半年、データ通信のみなら制限なく次の乗り換えを行なうことができる分、良かれと思って勧めたものを「騙された」と思われなくて済むということがあります。大手キャリアの場合には、端末の同時購入と新プランを同時にしてしまうと縛りが2年では済まず、3年以上契約の見直しが不可能(解約自体はできますが、膨大な解約料とスマホ残債の支払いを覚悟しなければなりません)になる可能性も大きくなります。そうした点だけを考えると格安SIMの有利さは際立つわけですが、当然実店鋪を持っている大手キャリアと直接契約するメリットも0ではないため、テレビニュースでこの話題を取り上げるならば、テレビコマーシャルで大々的に言われている料金だけを取り上げないで、冷静に料金シミュレーションまでを解説すべきだったのではないか? と思ってしまったのでした。
今回はスポンサーに忖度する必要のないNHKでも詳しく料金プランの解説ができないということがちょっとショックでありました。そうなると、テレビ以外に情報を取る手段のない人たちは、どのようにして毎月の通信費を下げる努力ができるのかという方向性が見えてきません。わからない人はこれからも黙って高い通信料を払い続けなければならないのか、そんな事をつい考えてしまいます。
動画を見まくるヘビーユーザーではなく、今より安くスマホを便利に使いたいと思っているユーザーに今回のドコモのプランは果たして優しいのでしょうか。ドコモにはぜひ「低速(速度制限時のスピード)切り替えアプリ」を作り、さらに1GB未満までしか高速クーポンを使わないユーザーにはデータ利用に見合った料金(ギガホの6,980円/月の30分の1である233円/月にしてもおかしくないと思っています)でライトユーザーにデータ通信を提供する事を考えるべきなのではないでしょうか。