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アマゾンプライム会費の値上げの現状での影響は?

少し前の話になるのですが、Amazonのプライム会員のところにアンケートが届きました。実際にどのくらいの会費ならサービスを利用しますか? といった内容だったのですが、恐らく近いうちに会費の値上げもあるかも知れないと思っていたところ、やはりというか急に値上げの決定を知らせるニュースが入ってきました。既存会員の会費は5月17日以降の更新時に適用されるということです。

年間の会費が今までは税込3,900円だったのが、千円上がって4,900円になることが4月12日に突然決定事項として発表されました。ある意味とてもアメリカ的な手法で、その点については反発したくなるようなところがあります。同じように感じた日本のユーザーから普通なら反発の声が上がってもおかしくないかと思うのですが、そこまでヒステリックに反対するようなコメントはしばらく経っても聞かれていないように思います。

というのも、私がAmazonプライム会員に入会したのは「アマゾンプライムビデオ」での映画・テレビ番組の視聴、「アマゾンプライムミュージック」の音楽の利用をプライム会費のみでできるようになってからで、恐らくこの特典を目当てに加入された方も少なくないと思います。その時には会費は今のままで、送料無料だけでは旨味を感じないという私のような人がマルチメディアのサービスを展開し始めたということで入会したというところもあるでしょう。

というのも、他の音声配信サービスや動画配信サービスがサービスを展開し始めた頃でした。本来はこうした音楽・映像のサービスを始めた時点で値上がりしてもおかしくないという感じでしたが、恐らくアマゾンは他の音楽・映像配信サービスより安くサービスを展開することで先にユーザーを奪おうという心づもりだったのでしょう。私自身はそうした動きを理解した上で加入しました。今回の値上げがあったとしてもまだ月額ベースでは安く、他の音楽・映像配信サービスの利用料は月額1,000円前後ですし、アマゾンプライムの料金的なメリットは薄れていないように思います。

ただ、音楽も映画も常に同じ作品を楽しめるわけでもないし(時間の経過とともに無料で利用できていたものが有料になったりすることはけっこうあります)、他社の同じようなサービスと比べると聞ける・観られるものに限りがあるなど劣っている部分はあるものの、新しく配信される作品を見たり聴いたりすることをまめに繰り返すことで、CD・DVDレンタルを利用するよりも相当安い金額で様々なエンターテインメントを利用できるメリットというものは大きいでしょう。

映画は映画館で見るものだという主義の方は少なくないと思いますが、気になってはいるものの直接映画館に行ってまでは見たくないというような映画について、日本映画の「実行委員会形式」で作られた映画というのは、実際の興業だけでなくDVDやブルーレイ、それからアマゾンプライムのようなネット配信への再配信による利益を見越して作られているところが大きいので、数年も待たずにアマゾンプライムで配信されて会費のみで見られる作品が継続して出てきます。劇場で見る映画代そのものも「TOHOシネマズ」の映画鑑賞料金(一般)が100円上がって1,900円になるということが報道されたばかりでもあり、別の見方としてAmazonはこうした日本での消費税引き上げ前の値上ラッシュに巧みに便乗したという感じもしないではありません。

さらに、世界の中でも日本のアマゾンプライムの会費というのは安い方だというデータに日本のユーザーは優越感を持っているという事もあるかも知れません。アメリカでは広大な国土ということもあるのか、日本と同じようには配送がうまくいかず(もちろん、配送を請け負う業者の方の苦悩は大きいと思いますが)1万円以上の会費になっていることもあります。個人的にはドローンを使って即日配達というよりも、翌日配達でなくても宅配便の営業店やコンビニで受取りができれば問題はないのでその点の配慮はなくてもいいと思っているのですが、今後は注文してから数時間でも無料配達するようなサービスは「プレミアム会員」みたいなステータスを作ってサービスを分けてもらった方が嬉しいですね。

今後の展開で気になるのは、同じ流通大手の楽天が今後どんなサービスを行なうかということです。先日、次世代携帯電話の通信規格である5Gに新たに参入する「楽天モバイル」も提供するための免許が与えられたことがニュースになりました。実際5Gのサービス利用料がどのくらいになるのかはわかりませんか、楽天の会員が楽天モバイルに加入することで何らかの楽天市場利用に対することでメリットが得られ、逆に楽天モバイルに加入すると5Gを使った音楽・映像配信のサービスを安く使えるようになるとか、そのサービス内容によってはアマゾンプライム会員の費用をそちらに振り替えて使うという選択肢も今後の展開によってないわけではありません。

個人的にはもう少し楽天にはエンドユーザーにもサービスの面でもう少し何とかしてくれて欲しいと思っています。しかしいまいち信用できない点もあることも確かです。かなり前の話になりますが、楽天の「ゴールドカード」の特典であった空港ラウンジの無料利用がそれまでの無制限から「年2回まで」という風に改悪されるに至っては本当に日本の企業の正直さというか(^^;)、「釣った魚には餌をやらない商法」というものを感じて仕方がありません。

今回のアマゾンプライムについてもネットでクリックするだけですぐに解約ができてしまいますし、一定のサービスに満足したユーザーは簡単には主義を変えないということもあります。赤字前提のサービスというのでは本末転倒ですが、しっかりとユーザーを増やしたいと思っているなら、今回のアマゾンプライムの値上げを受けて何らかの動きがあってもいいのではないかと思うのですが、このままではどこかで小さな波は立っても大勢には影響なしという感じになっていきそうです。

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