国内の流通を担うトラックドライバーや、地方交通の足として利用される大型バスの運転手の労働時間を無理に伸ばさないように法令が改正され、今後の影響が心配されています。
先日、鹿児島に旅行した時に下調べしていたら、過去にはあった観光バスの定期運転コースが今後復旧見込みなしの運転中止になっていたことでレンタカーの利用を余儀なくされました。自分は運転免許を持っていれば良いのですが、元々自分で車を運転できない人の場合は、当然ながら観光する先も制限されてしまうことになります。
ただ、観光プランが少し減るくらいならそこまで影響はないかなと思っていたのですが、先週になって私の住む静岡市においてあっと驚くようなニュースが入ってきたのでした。
毎年7月に静岡市で一番大きな花火大会である「安倍川花火大会」が開催されます。大雨になれば中止にはなるものの、開催されれば相当多くの見物客が押し寄せる夏の恒例行事になっています。
花火大会自体は今年も開催されるのですが、開催時に駅やバスターミナルから会場に見物客を送るシャトルバスが一切運行できないというのです。その理由が大型ドライバーの労働条件に関する「2024年問題」がからんでおり、はっきり言うと今のままだと人手が不足していて例年通りシャトルバスを運行するためには、現在在籍しているドライバーの労働時間をずらさなければならなくなります。逆にそうなると、通常業務の路線ばすの運行に影響が出てしまうため、バス会社は通常運行の路線バスを優先するのはある意味当り前で、そのためシャトルバスが一切走らなくなるということなのです。
ちなみに、昨年のシャトルバス利用者は1万3千人いたということです。その中には、静岡市内からではなく、近隣の市町村から静岡駅までやってきて、そこからシャトルバスを使って会場に行っていた人もいたでしょう。今年はそうして静岡駅までやってきた人たちは、タクシーかレンタサイクル、あるいは徒歩で会場まで向かなければならないでしょうし、帰りは一斉に大勢の人が帰るので、もはや歩いて帰るような状況にもなりかねないでしょう。
私が同じ状況だったら、最初から花火大会に行くという選択肢はなくなるかも知れません。今回のイベントはシャトルバスが動かなくても会場以外からも見えるので、実行委員会は大会自体の中止ということはなく、そのまま開催されるようです。しかし花火大会ではなくその場所に行かないと楽しむことのできないイベントの場合は、シャトルバスがなくなればイベントの開催自体が危ぶまれるような状況ではないかと思えるのです。
もちろん、人手不足の問題をそのままにしてバスの運転手の方々の残業を増やし、乗務員の方々の健康に影響が出るような事もこのままでは十分あり得るので、労働問題の抜本的な解決を考えないといけないことはわかっています。そして、まず最初に過度な残響問題を解決した後に、バス会社も建全な運営を考えなければ対策は付け焼き刃に終わり、知らないうちに破綻する可能性すらあります。
そう考えると、イベント開催をする立場の方々も、今までのように当り前に地元のバス会社に依頼すれば良いと考えるのを止めて、別の対策を考える必要が出てきます。逆にそうした対策を講じなければ、大きなイベントは地方では開くのは難しい時代になってきたのではないかとも思えます。
今年の花火大会がシャトルバス無しでどういう状況になるかはわかりませんが、静岡市の花火大会関係者の方々は、逆に今年の人の流れを分析し、シャトルバスなしでも何とか多くの人が楽しめる花火大会へと進化していって欲しいと切に祈っています。