車中泊徒然草+

自家用車のライドシェアを普及させたければ若年層の「車離れ」を何とかしないと

以前このブログでも紹介しましたが、全国の路線バスが無くなっていくような状況が問題視されているように思います。大きな都市では、公共交通機関を使って旅をするような場合、タクシーはつかまりやすいと思いますが、地方の人が少ないような地域の駅にタクシーを呼んだとしても、駅で待っているタクシーがいない場合にはかなりの時間待たされる可能性が高く、場合によってはタクシーの運行が休みになっている場合にはタクシーを呼ぶこと自体が難しいような状況も出てきます。

そんな中で政府が出してきた解決策が、地域住民にお願いして必要な時に住民の自家用車を使って送迎をする「ライドシェア」です。当然タクシー業界は大反対していますが、どんな車でも送迎に使えるのか? ということがまずは気になります。

タクシーは走っていて故障で止まる事がないように、きちんと整備をされ、事故が起こった時にもその対応が専門のスタッフによって管理されているのですが、もし整備不良の車で送迎を行なっている時に途中で止まってしまった場合など、運行している中での様々なトラブル対応について安心できないという気もします。

そして、タクシー業界で働いている人の高齢化が問題になる中で、最大80才まで運転手として働くことができるようにするという話も出ています。これは、逆に言うと若年層の人がタクシーの運転手として働く人がいないことの裏返しでもあります。これは路線バスが消える原因の一つでもあるわけですが、現在新たな技術として無人運転の研究が進んでいますし、電車網が発達している地域で生活をしている人の中には、わざわざお金を出して免許を取っても車が買えないし、買ったとしても駐車場代が払えないからそもそも車を持つ前の段階の免許を取らないという方向に考えが行ってしまっても仕方がないでしょう。

最近増えてきた電気自動車にしても、自宅に充電用のコンセントを付けるのにはガソリン車と比べて車両代以外の費用がかかりますし、昔からの分譲マンションで生活をしている場合には、マンションの駐車場に設備が追加されなければそれまでです。また、駐車場を借りるにしても、電源完備の駐車場だと今よりさらに高くなるでしょうし、今後はガソリン代と比べても電気代が常に安くなるかどうかという問題もあります。

となると、そんな中で「ライドシェア」を普及させたい場合には、自家用車ではなく、カーシェアリングとして用意した車を誰かが運転して送迎するというような形で考えていくことも必要になってくるのではないでしょうか。私自身も今の駐車場で車のバッテリー充電はできないので、電気自動車は購入候補にはなりません。中古車でガソリン車が手に入るうちはまだ良いですが、ハイブリッド車の中古は電池が劣化すれば燃費はガソリン車よりも悪くなることが予想されます。それならもはや車の所有は止めてしまって、必要な時だけ車を借りて使う「カーシェアリング」に移行せざるを得ません。

しかし、これから免許を取れるようになる年の人が、カーシェアリングやレンタカーを運転するためだけに免許を取るか? という問題はあります。将来的にはタクシー業者がむしろ積極的に「ライドシェア」の業者に入っていき、車の整備や運転手の研修制度などのノウハウを生かし、タクシーとは別にパートタイムで免許があれば働けるような仕組みを作るようにして、車の送迎でもそれなりに稼げるようにすれば、それなりに送迎を空き時間に副業的にやりたいという人は出てくるかなという気もしますが、それで免許を取る人が増えるかどうかは、やってみないとわかりません。

とにかく、今では軽自動車でさえ高額で、さらに衝突を回避する安全設備が加わったこともあり、メンテナンス費用も上がり、人々が普通に車を持つことが難しくなっていることで、免許をあえて取らない人が出てくることを個人的には懸念します。せめて、現在かなりかかっているガソリン税を含む自動車関連の税金を安くして、車の維持費を圧縮するような事ぐらいは政府の方で行なってくれないと、さらに状況が悪くなるような気がしてなりません。今後は地方での交通が不便になる時期が続き、その見通しが良くなるためには自動運転で動く車をタクシーにできる時代まで待たなければならないのでしょうか。

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