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学校の規則で「水筒に氷を入れるのはダメ」という理由がはっきりしない件を考える

私の生活スタイルというのは周りに小さな子供がいないので、ネットニュースになって初めて色々な学校の規則が問題になっていることを知ったりするのですが、私が小学生の頃にも、色々理由がわからない規則がありました。

鉛筆でノートを取っていると、筆圧がそれなりに高いと、すぐに字が太くなったり心が折れたりして鉛筆を削る必要が出てくるのですが、筆箱の中に入れておいた小さな鉛筆削り器では木くずと芯のゴミが出るということもあって、中学生くらいになるとシャープペンシルを使うようになっていったのですが、当時の小学校ではそのシャープペンを禁止していました。理由については当時、カチカチと芯を出す音がうるさいとか、先の尖ったものは危ないということでしたが、鉛筆だって削りたては刺さると痛いですし、替芯を使えばゴミも出ないで書きものにはシャープペンシル一本で済みます。

鉛筆と比べて価格が高いものがあるというような批判もあったものの、当時も100円ちょっとで買えるシャープペンシルは存在し、なぜ小学校でシャープペンシルを使うのがダメなのかは、今だにわかりません。それに付随して、シャープペンシルおよび最低限の文房具を入れておく缶製の筆箱、「缶ペンケース」も禁止になっていました。

当時は落としたらうるさいという、何やら理由にもならないような理由で持ってきてはいけないものになっていましたが、当時の筆箱というのはかなり大きくて、様々な機能の付いた大そうなものがあった反面、必要十分な大きさでじゃまにならないペンケースということでは、特に教科書ノートを全て自宅に持ち帰らなければならない小学校の低学年の子にとっては、大きな筆箱というのは、さらにランドセルの収納にじゃまになる点もあり、さらに布やシリコン(私の時代には無かった)のペンケースの場合は、中味が潰れてしまって壊れてしまうくらいランドセルをパンパンにしてみんな登下校していたので、ペンケースの中味を守るという意味でも缶ペンケースは悪くない選択ではないかと思えたのですが。

そうした禁止条項と同じような感じなのかはわかりませんが、広島の一部の小学校では水分補給のために持っていく水筒の中に氷を入れてはいけないというルールがあるそうなのです。ネットニュースだけでなく記事へのコメントの識者の方々の意見も見ましたが、おおまかな理由として考えられるのは「氷を入れると水筒を振った時の音がうるさい」「直接氷を頬張ると窒息の危険性がある」「キンキンに冷やされた水(お茶)を飲むと胃腸に悪い」というような意見が見受けられました。

氷の入った水筒を振って音を出すというような行為については、缶ペンケースと一緒で、きちんと先生が注意すれば済む話ですし、窒息を恐れるなら蓋と呑み口の間に氷止めになる呑み口のある水筒を用意すればいいことです。私がこの夏にかけて使っているタイガー魔法瓶のMCY-A035という350mlの真空断熱ボトルにはストレーナーが付いているので、氷は直接飲み込むことはなく、逆に熱いものでもワンクッションあるので一気に口に入って火傷をする気遣いは無くなりました。

私自身は氷を入れてスーパーで貰った濾過したお水を入れていくのですが、氷を入れておくと中味を飲みきった場合でも、水道水を入れ直せば残った氷で水を冷やしてくれるので(氷は常温水を入れることで溶けてしまいます)、小さいボトルであってもおかわり分も冷たく飲めるのが気に入っています。

冷たい飲み物を飲むと胃に悪いというのは確かにそうですが、これも場合によります。炎天下でスポーツや仕事をする場合、私などは熱くなった体の部分に直接掛けるためにあえて氷を入れておくことで熱中症の対策をしていますし、別にカップを用意すれば本当に冷たいものを飲みたいならそのまま飲み、今冷たいものを飲んだら腹に悪そうと思ったら、カップに入れてからちょっと待って少しずつ飲むという知恵を使うことで解決できるのではないでしょうか。

この冷たい飲み物禁止のようにも感じられる「氷禁止」というのは、事前に別容器に水やお茶・麦茶を冷蔵庫で冷やし、キンキンに冷えた状態で真空断熱ボトルに入れて持っていくことまで禁止するの? と思ってしまいます。それこそ、登校時に児童全員の水筒の中味の温度を計るようなことまで小学校ではしないでしょう。となると、やはり後に残るのは「なぜ水筒に氷を入れてはいけないの?」という事になってしまいます。

こうした議論が進むと、体のために常温で飲むことのできるプラスチックボトルに統一するような考え方もあるかとは思いますが、学校の場合は昼休みを挟んで夕方まで同じ水筒で飲むため、夕方に近づくと中味が傷んで食中毒事故を引き起こす可能性もあります。氷についての問題は解決しても、別の問題が出てくるわけで、学校関係者の方の苦労はいかばかりかとも思えますが、そこまで行くと「水筒の持ち込み自体禁止」にして、先生が指示した時間にカップに飲み物を注いだり水道の蛇口を捻ってみんなで水分補給の時間を設けるような事になってしまいます。ステンレスカップだけをランドセルにぶら下げて登校なんていうのも個人的には好きですが、そうなると今度はそのカップについての規制も入るのかも知れませんね。

これまで紹介した「氷禁止」の理由というのは、確かにうなずくことができるところもあるものの、あくまで家庭に対しての「お願い」くらいに留めるべき問題ではないかと思います。先生たちが家庭との話し合いの中で親の方が今まで考え無しに氷を入れていたのか、自分の子にはどうするのが良いのかということについて改めて考えるための情報を学校が提供し、家庭の中でどうするのが良いのかという事を考えるきっかけにこのニュースがなってくれると良いのですが。

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