車中泊徒然草+

なぜ日本のメーカーはユーザーがワクワクする製品を出せなくなってしまったのか

最新のiPhone12を使って映画を撮れるということを全面に打ち出したUQモバイルのコマーシャルは、アップルが最新型のiPhoneの機能を紹介するために作ったコマーシャルの後追いという感じではありますが、今ではすっかりデジカメよりもスマホのカメラで十分という流れができつつあります。

それならそれで、日本のカメラメーカーにはそれなりのスペックのデジカメにAndroidアプリと4G・5Gの通信機能を付けてレンズ交換式のデジカメ兼スマホのような製品が出たら面白いと思ったのですが、すでにそうした製品は出ているようですね。

しかもその製品とは日本メーカーではなく中国のYongnuoという交換レンズ主体カメラ機材メーカーで、カメラはフォーサーズレンズが使え、Android10が載って、SIMカードを入れれば4Gでの通信が可能で、チルト式の背面液晶が5インチあるYN455というものだそうです。現在、オリンパスやパナソニックのレンズ交換式カメラを使っている方は、そのレンズを流用して使えるということで、普段はパンケーキレンズを付けてスマホのように使い、必要に応じてレンズを交換して幅広い撮影に使うことも可能になります。ここではあえてリンクは張りませんので、どんなものか見たいという方は「YN455」で検索してみてください。

惜しむらくは、中国の製品ということでデフォルトではGoogle Playは使えないということですが、いわゆる裏技的にアプリを入れて使うことは自己責任でということらしいので、ガジェット好きな方にとってはかなり興味をそそられるのではないかと思います。

ちなみに、売出しの価格は海外では日本円で6万円台ということらしく、日本でどのくらいの人が買うのかは未知数ですが、改めて中国メーカーと日本メーカーとの違いというものを感じてしまいます。日本の企業に元気があったころは、「こんなもの誰が買うのか?」と思うような変な家電製品が多く作られました。それこそ、量販型デジカメのはしりとも言えるCASIOの「QV-10」も発売当初は定価が6万円台でしたが相当売れて日本に新たなデジカメ市場が完成したのでした。

紹介したYN455という製品は、日本のカメラメーカーが作るレンズ交換式カメラのように、出てくる絵の綺麗さを追求したりする性能については不明なところが多いですが、「今ある技術を組み合わせてどんな面白いものを作れるか」といった点で日本のメーカーも見習うことが多いのではないかと思います。昔の日本のメーカーだってコンパクトカメラにラジオを付けた「ラジカメ」やラジカセにテレビを付けた「ラテカセ」なる商品を出していました。今ではテクノロジーの進歩により、基本スマホに何か付加価値を合わせれば様々な用途で便利な製品ができそうな気もするのですが、残念ながらこうした新製品のニュースが海外、特に中国からだったりするとかつての日本のメーカーの変な製品を面白がっていた私としては残念な状況にあると言わざるを得ません。

そうは言ってもYN455というハードが爆発的に売れて日本のカメラメーカーを脅かすような事にはならないとは思うのですが、例えば鉛筆の反対側に消しゴムを付けるというような単純なことでも、その製品が馬鹿売れするような事はあると思います。こんな時だからこそ、日本のメーカーには見ただけで面白そうでワクワクする製品の登場を期待したいものです。

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