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「ハローページ」の終了で固定電話はどうなるか

ニュースとしてのインパクトは強いのに、思ったほど世間で話題になっていないのが、NTT(旧・電電公社)の50音別電話帳として長く使われてきた「ハローページ」が2021年10月以降に発行・配布する最終版をもって発行を終了することが発表されたというものです。

改めて電話帳の役割というものを考えて見ると、電話というものは今のように気軽にするものではなく、個人情報保護という事も社会では問題になっていなかったので、電話を契約した際には何も考えずに電話帳に掲載する人が多く、電話帳掲載についてそれほど大きな問題にはならなかった時代があります。

※掲載を望まなければ電話帳への掲載をしない選択肢はありました

また、電話帳の変わった使い方として、全国の電話帳を大きな図書館で閲覧し、日本国内にある名字を収集したりする人もいたりして、例外はあるものの日本の世帯の概要を電話番号および住所とともに公開するという、現代の目線で見ると危機意識のない状況が長く続いていたということになります。

こうした情報の脆弱性をねらって広まってきたのが電話を使った押し売りや、最近の特殊詐欺ということになるでしょう。すでに携帯電話は一人一台というところまで普及してきており、特別なオプションを付けなくても電話番号を画面で通知してくれるので、知らない番号からの電話には出ないということもできるので、固定電話の存在意義が徐々になくなっているというのが正直なところでしょう。

さらに、自宅から出ないようにと多くの人が自粛に協力する中で、改めて固定電話にはろくな電話がかかってこないことを再認識した方も多いのではないでしょうか。ちなみに私の場合は、固定電話に紐付けたネット接続サービスのADSLをまだ続けているので、ネットのために継続しているという感じですが、来年のハローページ発行終了にともなって、あえて固定電話は使わなくてもいいのではないかと思う方々も出てくるのではないでしょうか。

今回の新型コロナウィルスの問題だけでなく、地震や大火、大雨など大きな自然災害がいつどこを襲うかということを考えた時、あくまでライフラインとして整備しなければならない電気・ガス・水道と比べると電話は携帯電話によるワイヤレス化が達成されているので、災害からの復旧の速度はむしろ有線の固定電話より早くなる可能性もあります。そして携帯電話の世界では5分ないし10分以内の定額や無制限の定額通話を選ぶことができるのに、固定電話でそうしたサービスが利用できるようになりそうなのが、ハローページ終了後からさらに時間がかかり、現在のメタル回線がIP化された時になると思うので、そこまで待つというのはすでに自宅に固定電話を引いている人が残るだけでしょう。

引っ越しなどで住居が変わるような場合、わざわざ固定電話を入れるよりも、自宅から持ち出さない携帯電話を家の電話として使った方が安くて便利に使えますし、家族で同一回線にしておけば、家族間の通話がフリーになるなどのメリットを出してくる業者もいます。ここまで固定電話について積極的に売りに行かずに自然消滅をねらっているなら、早く大手キャリアでもMVNOでもいいですから、4G対応の据え置き型のルーター&電話機能のついた端末を出して欲しいものです。楽天の電波が入るところに自宅があれば、Rakuten UN-LIMITが出すそんな端末があれば、自宅のインターネットと電話を含めたサービスを全て定額の2,980円でできるようになり、さらにその端末を車に載せれば車の中が事務所であり自宅であるような環境が整います。個人的にはそんな夢の端末が出たら、ADSL後のネットとしては必要十分な性能です。むしろじわじわ固定電話の周りから締め上げていくというような方法でなく、魅力的な新端末で固定電話の時代を終わらせた方がいいのではないかとつい思ってしまいます。

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