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問題は「通信料金」よりも「スマホ代」になりそうな予感

総務省が携帯大手3社を対象にさらなる追い込みを掛けています。今後は「2年縛り」を条件に安い料金で通信料金を設定するだけでなく、新品のスマホを割引価格で利用させることで帳尻を合わせ、さらに2年縛りの途中で解約を行なうと違約金として3社共通で9,500円がかかるようになっていることに着目したようです。

総務省が6月11日に開く総務省の有識者会議で協議し、この違約金を1,000円にするということと、携帯端末の割引額も2万円前後を目安に上限を設けること、さらに通信料金の2年縛りを条件にした割引については、長期契約を条件とした割引料金は全面禁止するという内容で、秋までに省令を改正するように動いているということが前週にニュースになったのです。

元々大手3大キャリアの横並びによる料金というものは批判する人も少なくありませんでしたが、今回の話は個人的に見てもかなり強引なのでは? とも思います。というのも、秋から規制をするというのも、2019年10月(つまり季節は「秋」という事です)に行なわれる予定の消費税引き上げのタイミングを狙って政府への批判をかわし、その費用を携帯大手3社に肩代わりしてもらおうという姑息な手段なのではないかと考えることもできてしまうからです。

この事でユーザーの毎月のスマホ関連の料金が下がればいいですが、通信料金は下がったとしても割引が効かなくなったスマホ代金が逆に上がるのではないかという懸念があります。なぜならこの規制が本当に行なわれるとしたら、ユーザーはスマホを安い価格で購入することができなくなる可能性が高くなります。最近はパソコンの方が安い価格で売っていますが、スマホでも高性能のものは売価にしては10万円を超えるものが普通になっていますので、通信料が安くなったとしても割引上限が2万円までということなら、10万円のスマホの場合、単純計算で8万円はユーザーの負担になってしまいます。端末購入時にローン(つまり割賦販売ということ)を組まされ、さらにそのローンの回数を多くしないと月々の料金を安くできませんので、解約金を安くしたとしても、割賦販売期間が終了するまでは加入した契約からなかなか抜け出せないのは2年縛りと同じで、最近ではそれ以上の3年契約なんてケースもありますので、今以上に一つの通信会社に縛られるのではないかと思います。また、購入するスマホの機種によってはトータルで毎月の「スマホ関連料金(単純に「通信料」でないことに注意)」については、逆に上がるケースも出てくるのではないでしょうか。

今回の恩恵を最も受ける人は、中古端末を購入したり、一括で端末料金を支払うなどして大手キャリアとスマホを購入割賦販売の契約をしていない人でしょう。こうした人は毎月のスマホ代の支払い分が0円なので、いつでも好きな通信会社と契約することが可能です。しかし、その際使っているスマホが新しい通信会社で提供しているSIMカードが使えないということになると、改めてのスマホの購入が必要になってしまいます。その時にどうするかという事が今後考えなければならない課題となるでしょう。

結局、いくら通信料金が安くなったとしても、今後も5Gの採用などで新たなスマホが必要になった場合、高額になりがちな新品のスマホを購入せざるを得ない状況が出てきてしまう事を見越して大手キャリアは新たな経営戦略を練ってくるのではないかと予想します。今まではそれでも、そこそこの性能を持っていて2万前後の価格で人気だったHuaweiのスマホに変えるという手があったのですが、もはやこれだけ米中の関係がこじれた状態では無理筋でしょう。何とかメーカーには努力してもらって、国産スマホで定価が2万前後のものが出てくれればいいですが、いわゆる「スタンダードタイプ」のスマホで納得できないケースもあるのが厄介です。

例えば、お子さんが多いご家庭で、お子さんに常に最新のiPhoneをせがまれて泣かれた場合(^^;)、以上のような「大人の事情」をお子さんに理解させることは難しいでしょう。となると「泣く子と地頭には勝てぬ」の通り無理をしてお子さんに高額なスマホを用意し、今まで以上の家計に響く出費を覚悟しなければならないご家庭も増えてくるかも知れません。もちろんここまでの話は私の勝手な考えの元での妄想に過ぎないかも知れず、今回の総務省の指示で本当に端末料金を含めた通信料金が安くなればいいのですが、個人的にはスマホ以外にもお金を掛けたい事もありますので、これからは何とかして自分の使い方に合ったスマホを安く手に入れる手段を考えてみたいと思います。

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